仮入部前打ち合わせ
入学式から早数週間。
1年生の仮入部期間スタート!
職員室。
私が職員室の扉を開けたとき
「よーし!1年生はー...褒め殺せーー!!」
いきなり美雪先生の声が職員室中に響き渡った。
「は?」
わたしはつい美雪先生に向かってそんなことを言ってしまった。
「あ、しまっt...」
母音を発音する前に美雪先生に制服の襟首をつかまれた。
それも驚異的な力&スピードでだ。
「ごごごごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
即説呪曰 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経 ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!
「意味がまったくわからん!般若心経は別の意味だぞー。」
心が読まれ取るーー!!
怖ぇぇ怖えぇぇぇえぇぇえええええ!!!!!!
「それより、今日の1年生仮入部どうするかーー
って話し合ってるんだー。
なんかねぇかー?」
あ、はにー(由美香)とひぃ(緋美香)がいるぅ!
つか仮入部つった??
え!何それ!まじで!!
「え...仮入部??
今日からなんですか?!?!」
職員室中にクスクスと笑い声が...
まじなのか!
「知らなかったのかよーー」
3人が同時にため息を付く。
「知ってなきゃいけなかった??」
むぅ。言ってくれればよかったの...
「おい!副部長!!!!!!!」
「に...って。
はい!副部長!!!!!!」
びっくりしたじゃんかよぉ!なんで急に叫ぶかなこの人は
「はぁ~...
いいや、こいつ使えねぇ」
あ、なんてひどい。
「ほっときましょうよこんなやつ。」
あ、緋美香ひどい。
「そうですよ、いっつもこんなんじゃないですか。
いい加減にしろよって言ってやってくださいよ。」
あ、由美香もっとひどい。
由美香がさらに付け足す
「だから●●●●●●なんていわれるんで...」
「んにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
あぁぁぁ!!!!!なんて酷すぎる!!
酷すぎて漢字になったじゃないか!!
この私が漢字を使うなんてよっぽどのことだぞ!
おい若葉ぁーさーけーぶーなーよー...
一応ここ職員室だぞぉー...」
あ、しまった!
ごめ...すいませんでした」
ここは素直に謝ったほうが得策だよな。
「で、話し戻すぞ。
やっぱり褒め殺しだろー?」
「でも、褒めるほど上手じゃないんじゃないですか...
かなり疲れますよ。私達がね。」
「そこをなーんーとーかー...」
「んじゃぁ、これとかどうですか?
んと、新入歓迎演奏的な?」
「それは部活動紹介でやったじゃーん。」
「む...むぅ...。話に入れない...」
「ん~...やっぱり褒め殺しですかねぇ...」
無視ですか!あぁそうですか!もう!頭にくる!
もういい、部活行くもん。
楽器吹かせてあげてうんと褒めてやる。
もー、どーにでもなりやがれってんだ!!
「おーい若葉ぁ褒め殺し決定なんで
皆にそー伝えといてくれなー」
はいはい!あーそーですね!ふんだ!
私は職員室のドアを乱暴に閉め...
られないんで丁寧にしめて
ドア付近に転がっている鞄を引ったくり廊下を走って
階段をかけのぼり音楽室に急いだ。
妙に説明口調になってしまいました(▽`)
『仮入部前打ち合わせ』での NEW 登場人物の紹介。
名前:浅木 由美香
年齢;13
性別;♀
性格;外側は礼儀正しい子で内側はかなり黒い。
身長;160㌢弱
体重;不明
所属部活;吹奏楽部(部長)
名前:沙蓑 緋美香
年齢;13
性別;♀
性格;外も内もちょい黒い子
身長;155㌢弱
体重;不明
所属部活;吹奏楽部(副部長)