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転生したら物理的に「影」でした  作者: アンティス
基界編

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5/12

影の力②

 勇者一行は朝食を共にするため、宿の食堂に集まった。窓から差し込む朝日が木製のテーブルを優しく照らしている。


「おはよう、みんな!」


 勇者レオンが爽やかに挨拶すると、それぞれが軽く手を挙げたり、眠そうに頷いたりして応じる。


 その中で、レオンはふと自分の影を指しながら口を開いた。


「そういえば、みんなに話すことがある。俺の影には人がいる。そして彼の名前は天城さとる。俺の相棒であり、影の戦士だ」


 食事をしていた仲間たちは一瞬動きを止め、驚いた表情を浮かべる。


「えっ、影……?」


 リリアが目を丸くする。


「影がしゃべるってことか?」


 ガルムが腕を組む。


「影に名前があるなんて……ただの魔法の産物じゃないんですか?」


 アイリスが疑問を口にする。

 レオンは笑いながら首を振る。


「いや、さとるはただの影じゃない。俺を助けてくれて、戦いでも支えてくれる大切な仲間だ。最初は俺も驚いたけどな。でも、さとるがいなきゃ、今の俺はいないと思う。」


 影の中でさとるは少し気恥ずかしさを感じながらも、静かにみんなを見つめる。影の姿のままでは表情も見えないが、心の中で「よろしく」と呟いた。


 レオンの言葉を聞いた仲間たちは、お互いに顔を見合わせながらも、やがて微笑み始める。


「まぁ、レオンがそう言うなら信じるさ。」


 ガルムが笑って肉の塊を頬張る。


「新しい仲間なら歓迎するわ。でも、これからどうやって会話するの?」


 リリアが興味津々で尋ねる。


「今はまだ影の中にいるけど、さとるは意思疎通ができる。戦闘では俺の動きをサポートしてくれるし、これからもっとできることが増えていくはずだ。」

「ふふっ、それなら、さとるさんにも食事を用意しないといけませんね。」


 アイリスが微笑むが、さとるは苦笑しながら(いや、影だから食べられないんだけど……)と心の中で突っ込んでいた。

 こうして、天城さとるは正式にパーティーメンバーとして認識され、朝食の席で新たな仲間として迎え入れられたのだった。


「そういえば、さとるはステータスってあるの?」


 リリアが興味津々に聞く。


 ――確かにそうだな。レオン、どうしたらわかるの?

「ステータスオープンって念じてみて」

 ――わかった。ステータスオープン

「どうだ?」

 ――開いた!けど……なんだこれー!

「どうしたんだ!」

 ――ステータスがバグってる……?

「レオン、どうしたんだ?」


 ガルムが不思議そうに聞く。


「さとるのステータスがバグってるって……」

 ――レベルが9999、HP∞、MP∞、職業オールマスター!?

「さとる……凄すぎる!」

「え、えええ!? レベル9999って……そんなの聞いたことない!」


 リリアが目を見開いて叫ぶ。


「それにHPとMPが無限……!? それってつまり、どんな攻撃を受けても倒れないってこと?」


 アイリスが信じられないという顔をする。


「だからどうしたんだって」


 ガルムが少しイラつきながら言う。


「いやいや、これ普通じゃないって! こんなステータス、神話級の英雄でもありえないわよ!」


 リリアが興奮気味に言う。


「しかも職業がオールマスター……これって、全職業の能力を極めてるってことじゃないか?」


 レオンが冷静に分析する。


 ――えぇ……影のくせに最強ってどういうこと……?あと、スキルなんだけど……


「スキルがどうかしたか?」


 レオンがまだあるのか?!と言いたそうな顔で聞いた。


 ――スキルがたくさん……みんなはいくつあるの?


「おれは5個」


 レオンが自慢げに言う。


「わたしは3個」


 リリアが言う。


「私もよ」


 アイリスも答える。


 ガルムは、


「俺は4個だ」


 と答える。


「で、さとるは?」

 ――おれは……1,2,3……12⁉)

「12個!?」


 みんなが口をそろえて驚いた。


「何のスキルがあるんだ?」


 1.影歩(シャドウウォーク)――影の中を移動できる。壁をすり抜けたり、相手の影から現れることも可能

 2.影縛(シャドウバインド)――相手の影をつかって拘束する。影が消えない限 り、動きを封じられる

 3.影潜(シャドウダイブ)――自分の影に潜り、姿を消す。戦闘中の回避や奇襲に使える

 4.影喰(シャドウイーター)――敵の影を食べることで、力を吸収したり、能力をコピーできる

 5.影分身(シャドウクローン―)―影から自分の分身を作る。分身は本体と同じ動きをするが、ダメージを受けると消える

 6.暗黒剣(ダークブレード)――影を剣の形にして武器として使える。実体化も可能

 7.影爆シャドウエクスプロード――影を起点に爆発を起こす。自分の影や敵の影を使って攻撃できる

 8.瞬影(シャドウフラッシュ)――影から影へ瞬間移動できる。戦闘中に使うと、まるでワープするように敵の背後を取れ

 る

 9.影の守護(シャドウガード)――影が自動的に防御してくれる。攻撃が当たる瞬間に影が盾となる

 10.影の囁き(シャドウウィスパー)――影を通じて、遠くにいる仲間と会話ができる

 11.影界(シャドウワールド)――一定範囲を「影の世界」に変え、すべての影を自由に操れる。絶対的な支配空間を作り出す

 12.影神の加護(シャドウディヴァイン)――影の神から祝福を受け、影に関するスキルの効果が数倍に強化される


「わぁ、これはすごい!」

「最後の影神の加護ってなんだ?」


 ガルムが不思議そうに聞いた。


「確かに聞いたことがないな」


 ――この世界にいないのか?

「いや、わからん」

「あと、暗黒剣は実体化もできるということだがやってみてくれるか?」


 ――わかった。スキル暗黒剣(ダークブレイド)


 スキルを使った瞬間一瞬だが暗くなった気がした。


「これがダークブレイド……」


 バチバチ


「……ッ」

「大丈夫か?」


 ダークブレイドと勇者では相性が合わなかったのか……?いや、他の人が触っても同じ反応だ。俺じゃないといけないのか?でも俺は実体化できな……は!もしかしたらできるのかもしれない。


 ――おい!影神について調べられるか?

「そうだな。」

 

 レオンがダークブレイドとの拒絶反応に苦しそうに答えた。

 ガルムが


「王国図書館になら文献があるかもしれん」

 ――じゃあ、その王国図書館に行こう!


 そうして、さとるたちは王国図書館に向かったのだ。

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