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N・Eはヘリコプターから降りたら深紅に
「少し様子を見て来る。安全な場所にいてくれ」と促した。深紅は
「わ、分かった」と頷いた。N・Eは銃を構えながらショッピングモールの中に入った。N・Eは周囲を見回してゾンビが居ないかどうか確かめた。N・Eは警戒しながら銃を握り締めて中へと向かった。…昼間は奴らが活発になっていない。
バリケードを張っておけば大丈夫だろうとN・Eは思った。N・Eは何体かゾンビを撃ち殺した後、深紅を呼びに行った。
「深紅。もう大丈夫だ。中に入ろう」とN・Eは深紅に声をかけた。深紅は
「もう大丈夫?昼間だからあんまりゾンビいないのかな?」とN・Eに問いかけた。
「そうだな…。今日はここに泊まろう」
「うっうん」とまた深紅はその言葉にドギマギしていた。(…私何でこの男にドキドキするんだろう…好きなのかな…やっぱり)とN・Eの後をついて行きながらそう思った。N・Eと深紅はショッピングモールの中へと入って行った。N・Eは深紅に寝具フロアに行くようにと指示をしてゾンビが入って来られない様にバリケードを張って準備をした。
「深紅、このモールの部屋なら大丈夫だろう。安心して寝てくれ」
「あ、うん。分かったー」と深紅が言うと深紅は即座にショッピングモールの寝具フロアに飾ってあるベッドに直行してベッドにダイブした。「ふぁ~ふかふか~気持ち良い~…」と深紅はうっとりとした口調で言った。N・Eは他にゾンビが居ないかどうか確認しながら、ショッピングモールの中を歩き回った。深紅もその後にピタッと付いて来る。N・Eは
「…何だ危ないから寝具フロアにいろ」と言った。深紅は
「いいでしょ!!自分の身は自分で守るから!!」と何故か自信満々に言い放った。N・Eはハアーと溜め息をつきながら深紅を守る様に歩いた。(…嫌々しながらでもこーゆう所があるのよねー…)と深紅は惚れ直す。N・Eはそんな深紅の様子に気がつくはずもなく黙々とショッピングモールを歩いた。N・Eと深紅はショッピングモールを歩き回った後、寝具フロアへと戻って行った。「ねえ、海。燃料入れたらこの後東京行くんでしょ?」
「ああ、そのルートが一番安全だからな」とN・Eは銃の手入れをしながら深紅の質問に答えた。N・Eはこれからどうしたものかと溜め息をついた。深紅が
「え?何で溜め息?私何かした?」と不安そうにN・Eの顔を覗き込んだ。
「いや…これからどうすればいいのかと思ってな」とN・Eは銃の手入れをしながら深紅にポツリと呟いた。深紅はうーんと悩みながらN・Eに「確かにこんな世の中になっちゃったからね。絶望するよね…」と言った。N・Eは深紅に「そうだな」と相槌を打った。
「でもこうなって良かった事もあるよ?」N・Eは「何だ?」と訊いた。深紅は
「海と会えた!!」と答えた。N・Eは深紅の答えを聞いてぽかんとしてしまった。深紅は
「海?」と手をヒラヒラとN・Eの前に出した。N・Eはハッとして
「いや何でもない」と深紅の手を払いのけた。「もうすぐ日が暮れるな。そろそろ休むか」とN・Eはスッと立ち上がった。深紅は
「え?海はどこで寝るの?」と訊きながらN・Eの手を掴んだ。
「寝具フロアの外だ。すぐに駆け付ける所にいるから心配するな」深紅はN・Eの手を放さずに言った。
「じゃ、じゃあ一緒に寝ようよ」N・Eはキョトンとした顔をした。
「何でだ?不安になったのか?」深紅は
「そんなんじゃないよ。ただ一緒にいたいだけ…」と少し照れくさそうに言った。N・Eは「何故だ?なぜ俺と一緒にいたがる?」と尋ねた。
「もうっ!女心分かってないんだから!!海とずっと側にいたいの!!」N・Eはチンプンカンプンだった。それもそうだろう。N・Eはこれまで生きてきて戦う術しか知らないのだから…。N・Eはただ分からなかった。知らなかった。N・Eの周りには深紅の様にN・Eの事が必要だと言ってくれる人がいなかった。そんなN・Eの様子に深紅はピーンときた。深紅はN・Eに
「ははぁ~ん…さては海…女の子に告白された事無いわね?」と言った。
「何故分かる?」とN・Eは深紅に尋ねた。
「だって海、女慣れしてる感じ無いし~…私みたいな可愛い女の子に告白されてもポカーンとしてるだけだし~」
「告白?いつしたんだ?」
「…海もといN・Eさいて~!!」そんな深紅の様子にN・Eはプッと笑ってアハハハと大笑いした。そんなN・Eの様子に深紅はドキッとした。(えっ!?この人こんな可愛く笑えんの!?か、かわいい!!)と深紅は動揺した。N・Eはただただおかしかった。大笑いしたのなんていつ以来だろう…。N・Eは笑い転げた。そしてひとしきり笑った後…。
「大笑いしたのなんかいつぶりだろう…」とN・Eはポツリと言った。
「えっ!?海そんなに笑った事無いの!?何で!?友達とかいないの!?」
「友達?同志なら居るが…」
「あっそうか兵隊さんみたいなもんだもんね…」その時ショッピングモールの寝具フロア(N・E達がいる)の入り口の方でガタガタッと音がした。N・Eはその音に素早く反応して銃を取って深紅に
「ここにいろ。すぐ戻る」と言った。
「分かった。海、気をつけて…」と言った。N・Eはコクリと頷いて寝具フロアを出て行って音のする方へと向かって行った。N・Eは生存反応レーダーを見て(…微かに人の反応がある…まさか生存者が!?)と思った。N・Eは、銃を構えながら人の反応がある方へと向かった。音のする方へと向かって辿り着いたN・Eは叫んだ。
「誰か生存者が居るのか!!聞こえたら返事してくれ!!」N・Eの叫び声が聞こえたのかすぐに返事が返って来た。
「ここだ!!何人か生存者が居る!!」
「何人生き残っている?他は居ないのか?」「ああ…生き残っているのはここだけだ…」N・Eはその言葉に落胆した。…やっぱりどこも一緒なのか…と…。
「そこから出てこれるか?手を貸そうか?」
「ああ、いや大丈夫だ。出てこられる…」と言って数人の生存者が出て来た。
「女が3人に男が2人…か。これだけしか生き残らなかったのか?」とN・Eが尋ねた。
「ああ、他は皆感染して…」
「…そうか…」とN・Eは呟いて少し落ち込んだ。「他に生存者は居るのか?あんた1人だけか?」と男が尋ねた。
「ああ、いや1人女の子が居る。そいつと一緒に来たんだ」とN・Eが答えた。
「女の子?可愛いのかい?」
「いや…普通だが…何故そんな事を訊く?」
「いや~…別に深い意味は無いんだがね…」
「…そうか」とN・Eはこの人大丈夫か?と疑問を抱いた。その頃深紅はどうしていたかと言うとただベッドに横たわって寝ていた。
「ん~…海~…」と時々寝言を言っているだけだった。そしてその頃N・Eは…
「この先の寝具フロアで一夜明かすつもりだ。あんた達は?」
「あ、ああ。あんたさえ良けりゃあ寝具フロアに居ても良いかい?」
「別に構わないが…」N・Eはこの男にふとした違和感を覚えた。何も起こらなければ良いが…。N・E達は深紅の居る寝具フロアへと辿り着いた。深紅はN・Eが帰って来ると、ムクッと起き上がり
「あ、海お帰り~どーだった?ゾンビいた?」と訊いた。
「いや、ゾンビはいなかったが…人がいた」と言うN・Eの言葉に深紅は
「えっ」と驚いた。
「この人達だ」男女5人がぞろぞろと寝具フロアに入って来た。
「えっあ、は初めまして深紅です」と深紅が言った。
「やあ、初めまして。こちらこそよろしく」と握手した。N・Eは
「もう日も暮れたし、そろそろ寝るか…」と言った。深紅は
「そうだね」と言って自分がいたベッドに戻って行った。N・Eは深紅の側を離れない方が良いかもしれないと思った。
「深紅、一緒に寝るぞ」
「ええええ!?海何言ってるの!?」
「やっぱり駄目か…」
「そ、そんな事無いよ!!むしろ嬉しいし!!」
「…そうか…」
「何々?一緒に寝たいなんて珍しいねー」
「いや…少し気になる事があるんだ」
「ふ~ん…」N・Eは生存者の1人の男が気になっていた。深紅に色目を使っていた様な気がした…。
ーーーーー夜ーーーーー
「ねえ、海。寝た?」
「いや?」
「何か…これから私達どうなっちゃうのかな…」「…さあな。でも守ってやるよ」
「海…」
「それが仕事だからな」
「…もうっ」
「お休み」
「…お休み…」と呟いて深紅は眠りについた。N・Eは深紅を守る様に腕に抱えて眠った。生存者の1人(親父)は(チッ…あんなくっついてたんじゃ出来るもんも出来ねーよ…)と思っていた…。N・Eは疑惑から確信に変わった…。そして朝…。深紅はう~んと伸びをして起きた。
「起きたか」とN・Eは言った。深紅は
「あっ海起きてたんだ!!おはよー」と言った。N・Eは昨日は何もして来なかったか…。あの男…。と思った。
「ねえ?海どしたの?怖い顔して…」
「いや…。何でもない」
「何でも無くないでしょ!!海がそーゆう怖い顔してる時って何かある時でしょ!?」と深紅は言った。
「なら言うが…」とN・Eは言った。
「深紅…ここで会った奴らにはあまり近づかない方が良い…」
「え何で?良い人達だと思うけど…」深紅は分かっていない。親切な男には裏がある場合もある事を…。
「とにかく近づくな」
「はあ~い」深紅は海って心配症なのね…と呑気にそんな事を思っていた…。N・Eは
「ここの物資を頂いてから東京に向かうとするか」と言った。
「そうだね」と深紅は言った。避難者から声がした。
「私達も連れて行ってくれ!!」と…。N・Eは
「それは構わないが…」と言った。
「あんた達が善人なのかどうかまだ分からないからな…」
「私達は良い人間だ!!この期に及んで何を…」と言った瞬間だった。ゾンビ共が流れ込んで来た。
「海っ!!」
「分かってる。ヘリまで急ぐぞ!!」N・Eはゾンビの頭に向かって銃を撃った。
「ヘリまであと少しだ」
「ねえ、海あの人達…」
「何だ」
「何だじゃなくて囲まれてる!!」と深紅は囲まれている方向を指さして言った。
「助けなきゃ…」
「無理だな…もう食い殺されている」
「そんな…」
「もたもたしている時間は無い。行くぞ…」深紅はがっかりしていた。何にがっかりしていたのかは自分でもよく分からなかったが…。N・Eと深紅はショッピングモールを出てヘリコプターへと向かった。N・Eはヘリコプターの操縦にかかった。
「…よし。どこも異常は無いな。すぐに飛び立てる」
「ねえ、海…ここの人達って…」
「助からない運命だったんだろう。俺達がいてもいなくても変わらない」
「そうだろうけど…」
「あまり気に病む事は無い。荷物は全部積めたか?」
「あ、うん多分大丈夫…」
「じゃあ行くぞ」と言ってN・Eはヘリコプターを動かした。
…数時間後…。
N・Eはふと深紅の方を見た。(…何だ。ずいぶん静かだと思ったら寝ていたのか…)深紅はスースー…と寝息をたてていた。N・Eは深紅を見て呑気なものだな…と思った。…確かに深紅は魅力的な女の子かもしれないなとN・Eは思った。黙っていれば充分可愛いし…。だからだろうか…。あのショッピングモールで会った避難民の1人に深紅を色目で見られたのは…。今考えてみてもあのおっさんはどこかおかしかった。深紅には気の毒だが…これで良かったのかもしれない。そう思っている瞬間に深紅はうーんと起きた。「起きたのか」
「あ、おはよー海」
「もう少しで東京だ。もう少し寝ておけ」
「えっいいの?」
「ああ」
「でも大分寝ちゃったからなあ…海は1人で退屈じゃないの?話し相手になってあげよっか?」
「話し相手…何だもう眠くないのか?」
「うん」
「深紅…怒ってないのか?」
「怒る?何で」
「…助けられなかった…」
「海…しょうがないよ…あんなゾンビの大群1人で片付けられないし…」
「助けられたかもしれない…」
「え?」
「助けられたかもしれないんだ。なのに」「海…」深紅はN・Eのことをギュッと抱き締めた。N・Eはポカンとして
「何だ?どうした?」と言った。
「海…そりゃあ海は強いのかもしれないよ?だからって無理はしないで…」
「深紅…」とN・Eは深紅の名前を呼んで深紅の手に触れた。深紅はドキッとして思わず目を閉じた。(これってキスするチャンスじゃない!?)とドキドキしてN・Eに身を預けた。N・Eは深紅の様子にキョトンとして
「何だ目にゴミでも入ったのか」と言った。「目、目にゴミなんか入ってないし!!ここは黙ってキスする場面でしょー!?」と深紅は怒った。N・Eはその様子に思わずプッと笑って深紅を優しい目で見つめた。
「…深紅…」
「なっ何!?」深紅はN・Eの優しい目にドギマギした。
「海…?」N・Eはハッとして
「もうすぐ東京に着くぞ。用意しろ」といつもの様に素っ気なく言った。深紅は
「はいはい」と言っていつもの海に戻っちゃった…と思いガックリした。N・Eは
「どうした?早くしろ」と言った。深紅はもう少し優しくしてくれたって良いじゃない…。と思いながらせっせと降りる準備をした。
ーーーそして東京に到着したーーー




