『Re:』ーまたいつか、別の誰かとしてー
わたしが好きなモノ
あなたが好きなモノ
違ってるってイケナイ事なの?
訊ねたわたしにあなたは
選ぶなら“普通”はこっちだろと言った
わたしが好きなコト
あなたが好きなコト
違ってるってイケナイ事なの?
訊ねたわたしにあなたは
そんなんじゃやる意味ないよと言った
人と違ってるのは“普通”じゃないの?
あなたと違うわたしはおかしいの?
問いかけたって答えなんかくれない
だってわたしとあなたは
広い電子の海の中で偶然すれ違っただけ
ホントウの名前も、顔も知らないあなたから
心無い言葉だけが鮮明に届く
最初の内は聞き流せていた
そんな人もいるよね、って
だけど何度も言われる内に
哀しみで心が一杯になって
あんなに好きだったコトも
好きと言えなくなっていく
心がどんどんと沈んでいく
ねぇ
どうしてあなたは平気なの?
自分の好きを否定されるのは悲しいよ
一番を目指さないならやっちゃダメなの?
自分が楽しく……それが趣味でしょ?
でもわたしの言葉はきっとあなたに届かない
広い電子の海の中で偶然すれ違っただけのあなたは
どうせもうここの砂浜には居ないから
だからわたしは前を向こう
通りすがりの罵声に心が傷付き痛んでも
手を差し伸べてくれる仲間だっているから
だからわたしは前に進もう
沢山の人を乗せて楽しませる豪華客船でなくたって
わたしには仲間達と楽しめる小さなヨットで充分だから
わたしは今日もこの大海原に
こっそり自分が作った小さなヨットを浮かべてみる
誰にも見つけて貰えなくて寂しい時だってあるけれど
同じような好みの仲間と出会えるのが嬉しいから
ねぇ
ホントウの名前も、顔も知らないあなた
これからもわたしはわたしのやり方で
ゆっくりとこの海を旅します
あなたにとってわたしは
無駄な事ばかりの愚か者かもしれないけれど
別にそれでもいいじゃん
って、心の底から思えるから
いつかこの広い世界のどこかで
またすれ違う事があったなら
その時はわたしの好きなものを
その時はあなたの好きなものを
少しは認め合えるのかな?
次は悲しい再会じゃなくて
別の浜辺で、別のわたしで
優しい出会いができたらいいな