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次元の分岐点の怪 調査レポート 005

作者: 夢川 彩渚

ねぇ。異なる世界に行く方法が存在するらしいよ。方法はいくつかあって、その一つは地下鉄。地下鉄に纏わる都市伝説が多いのもそのせいなんだって!女子生徒は得意げに言った。

 その日、俺は地下鉄に乗っていた。全くの普段通りの日常。座ってスマホを弄り何分経っただろう?ふと見ると時間は30分は過ぎていた。しかし、列車は俺が降りる駅に着かなかった。周りを見ると、皆スマホを触ったり、本を読んでいたり、音楽を聴いたり、寝てる奴もいた。立ったままの人もいる。どうも異常に気付いていないようだった。列車はそのまま走り続け、外の景色はいつの間にか青白い空間に包まれているようだった。俺だけがその事に気付いている。他の人は何がおきているのか気付いていない、まさにそんな状況だった。


 俺はどうにかしようと扉に手をかけ思いっきり扉を開けようとした。すると扉が僅かに開いた。俺はかがみ込み隙間から外を見た。そこは驚く世界だった。列車はいつの間にかレールを走らず闇の中を走っていた。そして扉の向こうに見えたもの、それは無数の伸びたレールだった。それぞれのレールの先には闇が続いていて行き先は全く見えない。俺は列車がどのレールを選び走るのかで未来が変わるのではないか?と思った。別の次元に行くならここで別のレールに切り替えないといけない。何故かそう思ったのだ。


 列車の扉はそのまま閉じてしまい外の景色は見えなくなった。どうすることも出来ない俺はジッとしていると列車の速度が落ち景色は駅になった。駅に降りると普段通りだった。俺は異世界に来たのか?分からないまま列車を降りたんだ。


 駅を出ると世界は普通だった。何も変化したところはない。俺は「戻ってこれたのか」と安堵した。その一方であの無数に見えたレールのどれか別の世界に行ってみたかったとも思い残念な気持ちがした。だが、こうして日常に戻って来れたのだからそれでいいだろう。俺は自宅へと向かった。家に帰ると妻が出迎えてくれた。「あなた、お帰りなさい。今日は早いのね」と暖かな笑顔だった。家に入ると「パパ、お帰りなさい」と息子が言った。息子は小学生でまだ幼い。だが大切な宝物だ。俺はいつもこの家族があるから頑張れる。こうして今日も1日が終えようしていた。俺はもうさっきの列車の中での事など忘れていた。

でさ。異世界へ行くとね、今と違う未来や過去へ行っちゃうんだって。自分で希望する異世界へは行けなくて、どの異世界へ行くのかは神様が決めるんだって。異世界の選択について、女子生徒は小さく囁いた。

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