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恋のためなら友は犠牲にするもの

 あっという間に四限目が終わり昼食の時間になってしまった。

 俺が照屋さんの傍から動かなければ響平は寄ってこないだろうがそろそろ本当に友情が崩壊しかねないので響平の元へ向かう。

 ちょっと怖いがここは昼食時気まずくならないようにいつも通りに接しよう。


「今日は響平何食うんだ? ちなみに俺は肉うどんにしようと思っている」

「なら俺も肉うどんでいい。そんなことよりなんで弘が照屋さんと登校してきたのか話してもらおうか」

「響平が待ち伏せしてたからな、照屋さんにどうしてもってお願いしたんだよ」


 嘘は言ってない。実際どうしてもって言ったし。


「あの照屋さんがそれでお前と一緒に登校するとは思えないんだが......とゆうか弘って照屋さんに嫌われてるんじゃないのか? この前の様子からしても」

「......嫌われてるかとかは照屋さん本人に聞けよ。俺にはわからん」


 まぁ、余裕でわかるんですけどね。

 ただ響平に「いや、照屋さん俺のこと好きだから!」とかいっても頭の心配をされるだけだろうから絶対言わないけど。そもそも人の気持ちを無闇矢鱈に言ったりはしない。


「そんなの本人に聞けるわけないだろ! てか聞かなくてもわかるわ。普通嫌いじゃなかったらあんな露骨に顔に出ないわ」

「ま、まぁそうだな」

「じゃあ照屋さんが一緒に登校してくれたのは弘がなにか条件を出したからなのか?」


 条件? いきなりこいつは何言ってるんだ?


「肉うどん2つで」


 今俺たちは一応並びながら喋っていたんだが順番が回ってきてたみたいだ。

 今日はうどんということで一人で運ぶと汁がこぼれるかもしれないので席は取っていない。

 適当な席に座り会話......というか尋問? を再開される。


「で? どうなんだよ?」

「何が?」


 さっきの質問だろうがなんとなくはぐらかしとく。響平が答えてる間に肉うどんを食べながら考えてみる。


「だから照屋さんがお前と一緒に投稿してくれたのは何か条件を出したからじゃないのか? って話だよ」

「なんでそんな話になるんだよ」

「いや、お前廊下で照屋さんになんかスマホ取られてたじゃん。その後お前ぎこちなくありがとうってでかい声で言って」


 あぁ、見られてたのね。てかそんなぎこちなかったか俺!? あ、もしかしてありがとうって言ったあとまた憐れむような目で見られたのって俺がぎこちなかったからか!? ここにきて変な伏線回収してんじゃねーよ。


「いや、あれは連絡先交換してただけだ」

「は!? 照屋さんと連絡先交換したのか!? なんだ、脅されてるのなら力になるぞ」

「照屋さんに失礼だろ。俺の意思で連絡先交換したんだよ」

「いやいやいやいや、仮にお前の意識だったとしても照屋さんがなんの企みもなくお前と、と言うか嫌いな奴と連絡先交換とかするわけないだろ! お前騙されてるんだって」


 いや、まぁ、表面だけ見たらそうなんだけどな......企みって、騙されてるって......こいつマジで照屋さんにどんなイメージ持ってんだよ。失礼すぎだろ。

 面と向かっては言わないけど、俺も心の声が聞こえるまでは少なからずそんなこと思ってたし。まさか好かれてるとか夢にも思わなかったわ。


「安心しろ。騙されてないから」

「ほんとに大丈夫か? 変なツボとか買わされそうになってたりしないか?」


 こいつはほんとにどんなイメージ持ってるんだよ。


「しないしない」

「んー、そもそもなんでお前の意思で連絡先交換したんだよ。お前も苦手だったはずだろ? 照屋さんのこと」

「そ、そそそそんなわけないだろ」

「嘘下手か」


 肉うどん美味しいなぁ。


「現実逃避するな。顔に出てるぞ」

「そもそも俺はなんでこんな心配されてるんだよ! 俺は美少女と連絡先を交換したんだぞ!? 普通羨むとか嫉妬とかだろ!」

「確かに美少女だが照屋さんだぞ? 羨むわけが無い」


 こいつは自分がどれほど失礼なことを言ってるか自覚があるのだろうか? すごい文句言いたいけど響平の気持ちも分からんくはないんだよなぁ。心の声が聞こえるから可愛く見えるだけで聞こえなかったら普通に怖いもんな。どれだけ美少女だろうが。


「まぁ、俺だってお前の気持ちがわからない訳では無い」

「だろ? 照屋さんと連絡先交換とか想像するだけで震えてくるぜ。心無しか殺意も感じるしな」


 ちょ、え? どこから聞かれてた? 俺の美少女の下りとか聞かれてたら死ねるぞマジで。そして響平、ご愁傷さまってやつだ。


「そう、私と連絡先を交換するのがそんなに嫌なのね。二人は」


 ん? 今二人って言ったか? もしかして俺も入ってる!?


「て、照屋さん......違うんですよ、その......」


 響平は涙目になりながら何か言い訳しようとしているものの何も思い浮かばないようだ。

 

「待って照屋さん、今二人って言った? もしかしなくても俺も入ってますよね?」

「何を当たり前のことを言っているのよ? あなたは今さっきご友人に向かって気持ちはわからなくはないと言っていたわよね?」


 そこだけ聞いたのか! タイミングが悪すぎる。せめてもっと前から聞くか話し終わってから出てきてくれよ。

 泣き言を言っても仕方ないし何とか弁明しないとな。

 よし、響平。この世は弱肉強食だ。そして嵌められる方が悪かったりもする。許せ響平。


「ほんとに違うんですよ。俺は照屋さんと連絡先を交換してじゃありませんか?」

「ええ、そうね」

「だから俺は照屋さんみたいな美少女と連絡先が交換できて嬉しくてこいつに自慢してたんですよ。ただ、こいつが、こいつがですよ? 照屋さんを悪くいうのでつい熱くなってしまったんです。気持ちがわかるって言ったのはこいつ頑固なんでもういいやと思って適当にあしらってやろうと思ったんですよ。照屋さんの魅力は俺だけが知ってればいいと思ったので」

「へ? あ、そ、そう。時ーー弘くんもこんなゴミは相手にしない方がいいわよ。それじゃあね」


 照屋さんが動揺してたんだが......可愛すぎかよ。

 そして照屋さんは顔を真っ赤にしながら恐らく教室に戻って行った。

 まぁ、俺も人のこと言えないぐらい真っ赤っかなんだけどな。響平が廃人みたいになってて助かったわ。照屋さんが俺のこと名前で呼んだのも気づいてないようだし。てか名前で呼ばれたのか俺......やばいな、変な笑いが出てきそうだ。

 てか俺も照屋さんじゃなくて名前で呼んだ方がいいってことだよな。メールだけじゃなくてリアルで名前呼び......ほんとに響平が廃人みたいになっててくれて良かった。今の俺の顔なんて鏡を見なくても分かるほどに表情筋ユルユルだろ。

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