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第30話 まだ、ゆめなかば

 

 目の前には悪鬼羅刹と呼ばれるフィールドボスが居る。赤黒い体に顔には般若の面を付けており、ナタみたいな刃物を両手に持っている。体長は4m程だろうか。


『こいつが悪鬼羅刹か。デカイな』


 そう言うとノブナガは刀を抜いて近付いていく。


「ん?ノブナガも戦うのか?」


『当たり前だろう。こんなに楽しそうな狩りに自ら参加しなくてどうする』


 てっきり、家臣に戦わせて戦利品だけ持っていくのかと思った。


『そうだ。せっかくなら1つ賭けをしよう!』


「賭け?」


『俺とお前達、どっちが早く討伐できるかだ。不思議なことにコイツらは倒しても倒しても湧いてくる。どうだ?』


 面白そうな賭けだな。


「俺達が勝ったら?」


『そうだなぁ……。お前達が知りたい事を3つだけ答えてやろう。なにやら知りたい事があるのだろ?』


 バレてたのか。さすがキレ者と言われるだけはあるな。僅かな挙動で気取られてしまう。


『その代わり、俺達が勝ったら……』


 命取られちゃう?そこまで横暴じゃないか。


『スミレを貰おう』


「「「「は?」」」」


 聞き間違いか?スミレを貰う……花の事かな。


『スミレは美しい。今まで出会った女の中でも飛び抜けている。ハルも美しいが、俺の趣味ではない』


「んなっ……!!」


 ハルが拳を握りしめわなわなとしている。俺の趣味ではないと言われたのが悔しいのだろうか。


『俺は欲しいと思ったものは力ずくでも手に入れてきた。だが、友人であるハイセといつも共に居るものを無理矢理は奪えない。どうだ?』


 どうやら花の事ではなく。正真正銘俺の後ろにいるスミレが欲しいようだ。

 スミレは少し顔を赤くしている。赤くしてんじゃねぇよ。


「それは、無理だな」


『お前が勝てば良いだけの話だぞ?』


「勝敗以前に、俺はスミレを賭けに出す気はない」


 独立型AIでもこんなこと考えるんだな。


「それでも、スミレをどうこうしようってんなら、クエスト失敗でも構わない。お前のその首を斬り落とす」


 ノブナガは少し驚いたような顔で俺を見ると、少し笑った。


『くえすと?とかなんとかよく分からんが。お前がそこまで言うのであれば仕方ない。スミレは諦めよう』


「理解してくれて助かる」


『だがまぁ、賭けだからなぁ。さて、何にしようか』


 価値ある物を提示すればいいんだよな。俺が持つ物で最も価値のあるものと言えば。


「これでどうだ?」


 俺は腰から加州清光を抜き取り、ノブナガに見せた。


『ほう。ハイセの刀か。見たことも無い刀だが、名刀というのはひしひしと感じる……。美しくも力強い、素晴らしい刀だ。だが、良いのか?刀は侍の魂、そんな易々と』


「スミレより100倍マシだ」


 すると、ノブナガはニヤニヤしながら俺を見る。


『魂よりも女か!余程惚れ込んでいるようだなぁ?』


「そんなんじゃねぇよ。ただ、賭けの対象にすんのは気分が悪いだけだ」


『お?そうかそうか、青いなぁ』


「うるせぇよ……。ほら、お前らが勝ったら刀やるよ。それでいいだろ?」


 ノブナガはニヤニヤしながら頷いた。本当に斬ってやろうか……。AIの癖に。


「いいなぁ……」


 レオルは指をくわえて見ている。いいなじゃねぇよ。刀が欲しいならダンジョン潜れよ。はぁ、勝たないといけないのに……。


「よし、やるぞ」


「でも、こっちは4人だよ?」


「そうだなぁ……」


「僕が抜けますよ!デュエル・コロッセオ1位2位3位の戦いを間近で見れますし!」


「そうか、わかった」


 よし、とりあえずこの3人で悪鬼羅刹を攻略だな。バフはないがなんとかなるだろ。


「スミレ、準備はいいか?」


 スミレはボーっとしている。どうしたんだ?


「スミレ?」


「あっ、いやごめん。もう大丈夫。やりましょ」


 本当に大丈夫かよ……。


(うい)やつらだ』


 まだ言ってやがる。今に見てろ、洗いざらい全部情報喋って貰うぞ。


「てか、俺ら先行なの?初見だぞ、不利じゃね?」


「まぁ、ゴリ押しでなんとかなるよ。俺も頑張るから」


 レオルが頑張ってくれるのはありがたい。オリジン使ってくれるかな。エクスカリバーのオリジン、どんなものなんだろうか。


 俺達はSBAに足を踏み入れた。


 ◆SBA【フィールドボス:悪鬼羅刹】


「おお、近くで見ると余計デカイな」


「弱点はどこだろう。悪鬼の弱点は角だったけど」


「とりあえず色んな場所に当ててみるわ」


「頼む」


 戦闘を開始した瞬間から時間の計測が始まる。準備は万端だ。


「いくぞ!!」


「「うん!!」」


 俺の掛け声と同時にスミレは矢を放つ。


『神速』『二ノ太刀』『陽炎の刃』


 俺は全てのスキルを発動した。

 これはRTAだ。勿体ぶってる場合じゃない。


「俺も!!」


『神速』『覇剣』『魔滅の刃』


 レオルもオリジン以外の全てのスキルを発動したようだ。

 レオル自身とエクスカリバーは眩い光を纏う。


【スキル:覇剣 SR 説明:武器に属性を付与した場合、斬撃を飛ばすことが出来る。適切な距離で攻撃を当てるとダメージが1.25倍になる。効果時間:30秒】


【スキル:魔滅の刃 UR 説明:自身と自身の武器に光属性を付与、相手が闇属性の場合、確定で会心が発動する。STR.AGI.DEF+5。効果時間30秒】


 俺とレオルは一気に肉薄する。俺は左足、レオルは右足に攻撃を繰り出した。


 〔〔パーン!!!〕〕


 2人とも会心だ。悪鬼羅刹は闇属性、レオルは【魔滅の刃】の効果で確定で会心を出せる。


「よしっ!僕がやるよ!」


 レオルは少し後退し、剣を構える。


「ベネクト流『クレシェンテ・フリア』」


 レオルは乱撃を繰り出す。

 光を纏ったエクスカリバーからは無数の三日月型の斬撃が放たれ、悪鬼羅刹に向けて一直線に飛んでいき、直撃した。もちろん全て会心だ。


「やるなぁ」


 レオルは悪鬼羅刹のHPを3分の1削りきった。

 エクスカリバー……なるほど、闇属性特化ではあるが流石オリジン、スキルの性能が素晴らしい。だが、何よりもこの剣の性能を引き出しているのはレオル本人だ。


「No.1は伊達じゃねぇな」


 ただ剣を振り回すだけじゃ、飛んだ斬撃は空を斬る。正確に狙いを定め、それでいて適切な距離で無数の斬撃を放つ。それら全ての斬撃を当てれるレオルが凄いとしか言えないな。ベネクト流との相性も良い。


「レオル、そのままヘイト稼いでてくれ」


「わかった!!」


 俺は宵闇のロングマントで身体を覆う。すると、【隠密】が発動した。発動時に俺を見ていないと、俺を視認する事ができなくなる。


「あ、あれ?ハイセは?」


「ハイセはあのマントのスキルで気配を完全に絶ったの。発動する前に見てないとどこにいるか分からなくなるわ」


「凄いスキルだ……あのマントはSR以上だね」


 レオルは俺を見てなかったから、俺の位置を視認することができなくなった。そう言えばレオルにこのスキル見せるのは初めてだったな。配信でも使ったことないし。


 俺は悪鬼羅刹の背後に回る。


「よっ!!」


 悪鬼羅刹の背中目掛けて大きく跳躍する。


「鷹見流『嵐牙』」


 背中に向けて鷹見流の強烈な突きを放つ。


 〔グガァアア!!〕


「お?なんだ?」


 悪鬼羅刹は俺の突きを受けると大きくよろける。そして、想像以上のダメージが入っていた。


 〔ピロンッ〕


 俺の目の前にウィンドウが表示される。


【パッシブスキル【バックスタブ】を獲得しました】


「おお!!久しぶりのパッシブだ!!」


 最初に【転身】を獲得してからうんともすんとも言わなくなったんだよな。パッシブの獲得条件ってなかなかにシビアなんだなぁ。


【スキル:バックスタブ 説明:背後から攻撃した時にダメージを1.5倍し、相手をノックバックさせる。クールタイム:60秒】


 強いな、クールタイムも短いし。でも、簡単に背後を取れないから強力なんだよな。【隠密】も消費MPがそこそこ多いから乱発はできないし。


「よし、一気に畳み掛け……っ!?」


 HPが半分を切った所で悪鬼羅刹の様子がおかしくなった。


「凄い闇だね」


「へぇ、これが闇属性か」


「なんかブルっと来るわね」


 悪鬼羅刹の身体中から闇が溢れ、全身を纏った。持っているナタには闇の炎の様なものが纏ってある。


「なんだあれ」


 悪鬼羅刹は俺に向けてナタを振り下ろす。簡単に受け流せる。


「受けちゃダメだ!!」


「え?」


 受け流そうと刀でナタに触れた瞬間、刀を通して俺に闇の炎が燃え移った。


「なんだ……これ、消えない」


 闇の炎は振っても消えない。インベントリから水を取り出し掛けても消えなかった。その間継続ダメージを食らってしまう。


「ごめん、ハイセ!我慢してね!」


 レオルは俺に向けて剣を構える。


「ちょっとレオル!?」


「大丈夫!俺を信じて!」


 スミレが慌てて止めようとするが、レオルの一言で踏みとどまった。


「いくよ!!!」


 レオルは大きめの光の斬撃を俺に向けて飛ばした。俺1人を覆うくらいの大きさがある。避けても良いが、受けることに意味があるんだろう。


「ぐあっ……」


 俺のHPが大きく減る。


【HP 650/1300】


 ちょうど半分削れたか…。


「大丈夫かい?闇の炎は光属性じゃないと消せないんだ。光属性のサポート魔法があれば良かったんだけど……」


「いや、大丈夫だ。助かったよ」


 闇の炎はHPが0になるまで継続ダメージを受けるらしい。しかも、放っておけばダメージを受ける量が増えていくとか。


「ハイセ!避けて!!」


 俺の背後には悪鬼羅刹が迫っていた。


「当たらなきゃ……いいんだろ!!」


 迫る2本のナタを体を反らして躱す。それだけじゃ終わらない、悪鬼羅刹の怒涛のラッシュが襲いかかる。

 集中しろ。当たればそこで終わりだ。


「す、すごい!!」


「レオル!!今のうちに!!」


 レオルは剣を構え、俺に放った物と同じ斬撃を悪鬼羅刹に放つ。


「ナイス」


 攻撃を受けた悪鬼羅刹は一瞬手が緩み、その隙にラッシュから逃げることが出来た。正直やばかった……。


「スミレ」


「うん、わかってる」


 スミレは弓を番え、引く。すると、スミレの周囲からは冷気が溢れ、矢じりは氷に変貌する。そして、スミレの周囲には無数の氷柱が生成された。

 フロストギガンテスが使ってた物によく似ている。


『風氷の矢』


【スキル:風氷の矢 SR 説明:矢に氷属性を付与する。弓を引くと同時に、氷柱を生成し発射する。相手に冷気を与え、確率で"凍結"状態にする。MPの消費量によって氷柱の本数が増え、凍結状態にする確率が上がる】


 スミレのスキルの1つだ。

 弓のスキルの中でも特に強力かつ万能なスキルを引き当てたとアリシアが鼻高々に語っていた。空きスロットの件も含め、スミレの弓はSRながらURに引けを取らない性能となっているのだ。


 スミレは勢いよく矢を放つ。悪鬼羅刹の額に直撃し、無数の氷柱も続くように悪鬼羅刹に直撃した。


 〔グガガ……〕


 悪鬼羅刹は凍結状態になった。ここで氷を砕けばダメージがでかくなる。


「レオル」


「うん!」


 俺とレオルは同時に肉薄する。


「鷹見流『鳴神一文字』」

「ベネクト流『フルミネ・ブル』」


 俺とレオルの斬撃は同時に悪鬼羅刹を襲い、氷を砕いた。


 〔グガガァァ……〕


【DEFEAT THE ENEMY】


「よしっ、いっちょ上がりだ」


 時間はどんくらいかなぁ。討伐完了画面を見てみる。


【討伐時間:3分21秒】


 おぉ、良いのか悪いのかよくわからんが、初見にしては頑張った方だろう。

 ノブナガを見ると口をぽかんと開けあんぐりしている。


『お、お前達……初見と言っていなかったか?』


「ん?初見だけど」


『は、はは……なんとそこの知れないもの達だ』


「次はお前らの番だぞ。がんばれ」


 俺がそう言うと3人は渋々SBAに入っていった。


『ええい!!こうなったらやれるだけやってやるわ!!カツイエ!!カズマス!!やるぞ!!』


『『御意!!!』』


 ノブナガが号令をかけると、3人からはバフがかかったエフェクトが出てきた。カツイエの刀には風が、カズマスの槍には氷が付与されている。


「え?なんだ?」


【第六天魔王の号令:パーティーメンバーの全ステータスが+15、攻撃範囲拡張、それぞれの武器に属性を付与する】


「は!?そんなんずるいだろ!!」


 とんでもないバフだ。オリジンにも匹敵するぞ。


『ノブナガ様!!不思議と力が湧いてきますぞ!!』


『私もです!!』


『そうかそうか!実は俺もなんだ!!』


 これはヤバイぞ。俺の加州清光が……。


 戦闘が開始すると同時に3人は突撃していった。全員が前衛だから仕方ないか。


『『『うおぉぉぉ!!!』』』


 ゴリ押しで悪鬼羅刹のHPを削っていく。これは、わからないぞ。嫌だ。加州清光を手離したくない……!!


「いざとなったら即ログアウトして逃げる……!!」


「それをしてもアイテムウィンドウから加州清光は消えてるだろうけどね」


 逃れる術はないか……!!


 そして、戦闘が終わる。結果は……。


【討伐時間:3分36秒】


『かあ!!負けたか!!』


「よ、よかった……」


 危うく俺のメインウェポン失うとこだった。


『西で1番は伊達じゃないな!ハイセよ!なんなりと聞くがいい!!』


 そうだ。3つだけ答えてくれるんだっけか。


「ノブナガ以外に大名っているのか?」


『当たり前であろう。このワコクは広い、俺だけでは目の届かんところもある。だが、もうあと少しで統一は成される。カツイエにはウエスギの攻略を任せている』


 やっぱりな、歴史とほぼ同じように進んでる。歴史では本能寺の変が起こる時、柴田勝家は上杉軍と戦っていた。そのせいで明智光秀討伐に1歩遅れ、羽柴秀吉に先を越されたんだ。


『あと2つだ』


「そうだなぁ……。ミツヒデとは仲良いのか?」


『ん?何故そのようなことを?いや、答えよう。俺はあの気弱な所は正直好かん。だが、奴にはそれを引いて余りある程の、医学の知識と銃の腕がある。俺は嫌ってはおらんが……ミツヒデはどうだろうな』


 ふむ。なるほど。


「んじゃ、最後に。ホンノウジに行く予定ある?」


 俺がそれを聞くとノブナガは目を丸くした。


『お、おう。あるぞ?ちょうど明日の夕方出発予定だ』


 どうやら、もうホンノウジに向かうのは止められないみたいだ。だが、攻略の糸は見えた。


「そうか。聞きたいのはそれだけだ」


『ふむ……。お前達、明日ホンノウジへ向かう際、共に着いてこないか?』


 これは願ってもない提案だ。


「いいけど、急にどうして?」


『なんだろうな。俺にもよくわからんが、そうする事が正しいと思っただけだ』


 そうか、俺達がついて行くようにシステムがコントロールしたのか。こんな人間味溢れるノブナガでもやっぱりAIなんだな。


「わかった。じゃ、ついて行くよ。明日の夕方にまた城を訪ねる」


『よし!遅れるなよ!』


 ノブナガは俺達に手を振ると、アヅチの城の方向に歩いていった。


「ハイセ、大丈夫なの?相手は1万の軍勢よ?」


「ああ、それについては多分大丈夫だ。ノブナガが悪鬼羅刹戦で使ったあのバフ効果。あれが攻略の鍵だ」


「なるほどね、確かにあのバフがあれば1万のモブぐらいはなんとかなるね」


「やっぱり師匠達は化け物です……」


 ハルは自信が無いみたいだな。無理もない。銃は基本的に集団戦には向いてない。


「さてと、いい加減出てこいよ!!」


 ノブナガ達が戦い始めてからずっと視線を感じている。いや、殺気に近いな。


 〔バァァン!!!!〕

 〔キンッ!!〕


『なに!?……銃弾を斬った……?』


「何のつもりだ。ミツヒデ」


 木の影から出てきたのはミツヒデだった。ミツヒデは木の影から俺の頭を正確に狙って撃ってきた。銃の腕は本物だな。


『お前達はどうやったか知らないが。私達の計画を知っているらしい』


「まあな」


「ハイセ!?喋っていいの?」


「もうどっちにしたって変わんねぇよ。明日、本能寺の変は起こる」


 俺のその言葉にミツヒデはニヤリと笑う。


『ふふっ……そう!私は明日!あの憎きノブナガを討ち取り!天下統一を果たすのだ!!』


「あっそ。それはわかったから、なんで俺達の事撃ったんだ?」


『それは、お前達が万が一にでもこの計画の妨げにならない為にだ。どうする?ノブナガ様に告げ口するか?』


「いや、しても無駄だろう。なんだかんだお前のこと信用してるし」


 その言葉を聞きミツヒデは爆笑した。


『はっはっはっ!!!バカ殿とは正にあいつの事だ!!裏切られるとも露知らずに……!!それで?お前達はどうする?明日共に行くと言っていたが犬死する気か?』


「まぁ、一緒に行くよ。楽しそうだし」


『た、楽しそう!?』


「ああ、お前が泣きべそかいて命乞いする姿を見るのがな」


『き、貴様ぁあ!!』


 ミツヒデは銃を構えようとする。だが、


「馬鹿か?ここは既に俺の間合いだ」


 ミツヒデが銃を構えるよりも早く俺は抜刀し、首に刀を当てた。


「安心しろ。ここでは殺さねぇし、お前がホンノウジに攻めるまで邪魔もしねぇから」


『うつけの友は同じうつけのようだな。類は友を呼ぶとは正にこの事だ。お前達もしっかり殺してやるから安心しろ』


「あっそ。いつもブルブル震えてたやつが強気になっちゃって。ちょっと痛いよ?」


『なんっ!?貴様……。ふっ、まぁいい。お前は簡単には殺さん。覚悟しておけ』


 ミツヒデはそのまま森の奥へと姿を消した。


 これで大方準備は完了だ。

 なぜ、ミツヒデがここに来てわざわざ俺達を殺そうとしたのか。十中八九、あのサルだな。

 覚悟しておけ、お前も引きずり下ろしてやる。


ご閲覧ありがとうございます!


次回をお楽しみに!

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