戦術? 例証議論
広く熟知されていることを例に挙げる、議論の方法……になるのかな?
小説の中で使われるとすれば……何かを例に挙げて、物語の展開や設定を「あり得るもの」と感じさせること、とかでしょうか?
推理ものでは、推測の域でしかない誰かの行動を、「きっとそうだったに違いない」と思わせる説得力の強化になるでしょうか?
で、意識して使うと面白い話法だと思います。
この話法は、対象をどう捉えるか?または、対象のどの部分を取り上げるか?で、類似性のある例をどう選ぶかが変わってきます。
また、同じ類似性でも何を例にするかで、その先の結論や説得力が変わってくるのです。
どの部分を取り上げるのか?で、稚拙ですし妥当な例かわかりませんが、ボクの作品を例に上げます。
『『狼王ハニバル』 彼のペテン 私のペテン』という短編作品で、人狼ハニバルには人間に追われる理由が無いことを、簡潔に説得力をもって綴る必要がありました。
──前略──
そうなのだ。
人狼は、“狼”であると同時に“人”なのだ
──後略──
これには、もう1つ狙いがあって、人間は「あ、そーゆー視点もあるよな」とどんでん返しを喰らう方が、インパクトが強いのではないか?という狙いがありました。
“代々、人間を傷つけないように教えられてきた”とか、“以前、心から愛した人間の女性がいた”とか、回りくどい説得力ではなく、「簡潔に強い説得力を」と考えた方法でしたが、自分的には好きな文章です(好きなんです、ええ)。
例えば理屈の通らないキャラに、「味噌もクソも一緒くたにする」ような例を口にさせるのも良いでしょう。
1つの事柄を「どう捉えているか」の違いで、キャラの立ち位置をわかりやすくするのもいいでしょう。
読者に真っ向勝負する推理小説なら、尚更、この議論の使い方は大切になるでしょうし、読んだ者が気持ちよくなるような“どんでん返し”には、必ず必要だと思います。
使い方は無限。
あなたの中に思い浮かんだ物語を形にする際に、意識してみるのは、とても有益だと思います。