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ちょっと休憩  舞城王太郎さんのこと。

 いや、資料ばかり読んでると疲れるので、ちょっと尊敬する方の話を。



 舞城王太郎さん。

 いや、先生。

 ホントは先生と呼びたいし呼んでるんだけど、文章で先生と書くと名前と合わせて7文字の漢字が続くわけで、その窮屈さは舞城さんに不似合いな気がして、一応、さんと呼称させていただきます。



 知らない方に説明するのに、1番身近だろう話題を考えると、やはりウルトラジャンプ連載の『バイオーグ・トリニティ』でしょうか?

 作画、大暮維人さん。

 原作を担当されました。


 “ゼロの波”の1人だそうで、ちょっと詳しくないのですが“ゼロの波”とは2000年から2009年の間に出現した個性的な作家たちを称する言葉のようです。


 ちなみに、あの西尾維新さんもその1人です。

(クゥ! 舞城さんを語るのに西尾維新さんを引き合いに出さなきゃならないのは、舞城ファンで舞城さんの方がスゴいと思ってるボクとしては少し屈辱です)



 正直、何でも書ける方です。

 最近は女性作家的な、落ち着いた作品を書かれてる印象で、“印象”というのは、そちらは読んでないからです。


 ボク的にはデビュー作から『ディスコ探偵水曜日』の上下巻までと、『深夜百太郎 入口・出口』のセットを一括りに捉えていますし、皆さんにお薦めします。


 これらは、皆さんにぜひ読んでほしいのですが、少しボクのこだわりがあります。


 デビュー作から順番に読んでください。


 なぜなら、大の舞城ファンとしてレビューを書かれた豊崎由美さんも(たぶん)指摘していないと思うのですが、『ディスコ探偵水曜日』を正しく味わうために必要なことだと思っています。



 根拠は、いずれ≪書く戦略≫で持論を展開する予定なので割愛しますが。



 ボクの好きな作品たちを、どう説明すればいいでしょうか。


 ボクがネットで見つけた論文(エッセイ?)『舞城王太郎あるいは小説のための小説のための小説家』では、“フレンドリーな一人称”“徹底的なかったるさの排除”などのいろんな分析がされています。(参考にどうぞ)


 敬愛する書評家の斎藤美奈子さんは、『阿修羅ガール』の書評で、完全口語体のスタイルを指摘しています。


 口語体。

 つまり“話し言葉”ですね。

 小説として文章を書く時に、普段の会話ではあまり使わない言葉を使う時がありますよね?

 あれは文語体です。


 これは、中俣暁生さんの論評本『「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか』に愛媛川十三の名義で掲載されている文章に理由を推測することができます。


 小説の書き方として、“誰かになりきって書く”ことを推奨しているのです。



 実際は、舞城さんの書き方は、それだけではないと思います。

 とても深い戦略に想いを巡らせていると思うのです。




 フレンドリーでテンションの高い文章。


 それだけではありません。


 技術に溢れ、戦略が漂い、実験的です。



 これが、ボクの、舞城さんが好きな理由ですが、それは、もう1つの好きな理由につながっていきます。




 舞城さんの作品は、その端々に“物語を書きたくてもがく人たち”への愛と励ましを感じるのです。




 口語体の一人称というスタイルの理由も、そこにあるのではないかと。

 ちょっと柔軟に受けとめないと戸惑うような実験的な作品も、“書きたい人たち”に「もっと自由に大胆に」と背中で語るためではないかと。




 『ディスコ探偵水曜日』が発売された頃のネット上の書評(一般人による)で、とても興味深いものを読んだ記憶があります。


『他の作家たちへの挑戦的なメッセージを感じる。

「俺はここまでやった。お前たちはどこまでやれる?」と』



 そーゆーいろんな意味で、舞城王太郎さんを皆さんにお薦めするのです。


 技術や戦略の参考にしてほしい。


 そして、舞城さんからの“書きたい人たち”へのエールを受け取ってほしい。




 ボクは、すべての“書きたい人たち”が好きです。


 それは、別の連載でも語ったことですが。


 そして、舞城王太郎さんをお薦めします。



※実は舞城さんが『ディスコ探偵水曜日』を書かれたのは、海外のSF小説の流れや、国内作品でそれに着手した目立つものが登場してなかったことが、動機かも知れないと大森望さんが指摘しているのを、読んだ記憶があるのですが、その話は、またいずれ≪書く戦術≫で。

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