ちょっと休憩 ややネタばらし 戦略? 『ディスコ探偵水曜日』
念のために言いますが、これ(作品)だけ読んでも『味わい半減』だと思ってます。
他の書評家は指摘してなかったと思いますが。
理由は、説明すれば納得してもらえると思います。
では説明を……。
舞城王太郎さん作品。
雑誌『TVブロス』の書評コーナーでは、豊崎由美さん2回に渡って紹介してたように思います。
当時の大森望さんの評では、『今年1番の大作、もしくは駄作』。
賛否(または理解)は分かれるって意味でしょう。
ただ、執筆動機は推測できる、と。
当時の海外、叙述型SFの大作が何本か生まれてたそうです。
叙述型SF……ボクの理解では、語り手の語り口やテクニックで読み手を巻き込んで、科学的考察を超えた設定や展開を読ませきっちゃう作品……でいいのかな?
推理小説に喩えると、『勢いで読ませて感動もさせちゃうバカミス』って感じなのかな?
日本では、まだ代表作らしきものがなかったから、舞城さんが先陣を斬ったのではないか?と。
ネタばらしますよ↓↓↓↓↓
時空を操る力を手に入れた主人公は、同じく時空を操る悪人たちから守るために、彼らがたどり着けない場所に子供たちを隠すことに。
そのための、断絶された場所捜しが始まります。
ボクは、この場面、舞城さんから読者、特に自分でも物語を書いてみたいともがいている読者への、この作品のテーマ説明だと思っています。
『勢いやら匂わせやら前振りやら伏線やら、いろんなテクニックを総動員すれば、作者はどこまででも読み手を連れていける。
しかし、そこに断絶があると読み手はたどり着くことができない。
オレは、ここまで暴れた。
お前らは、どこまでやれる?』
って感じでしょうか?
で、ここからがボクだけの大切な説明、指摘です。
これだけ読んでもいいけど、味わい半分だよ?
たぶんだけどね、前振りやら何やらは、“この作品の中だけじゃない”って思うんだけど、考えすぎって思いますか?
んー……、スピード感と理解の受けとめ(受け入れ?)の滑らかさを考慮すると、まずは舞城王太郎作品を刊行順に読破してから追うべきかなぁ……と。
過去作の登場人物の使い回し、舞城作品は多い気がします。
で、まったく同じキャラ、同じ設定かというと、そうでもなくパラレルワールド キャラクターみたいな感じなこともあるんです。
んー……で、これね、喩えるとアニメとかパラパラマンガとかが残像の仕組みを使って成立するみたいな感じなのかな?、と。
まったく同じ設定ではない、または逆に前作の設定をしっかりと覚えてるわけではないけど、前作のイメージの余韻みたいなものが残ってて、細かい説明無しに、画も思い浮かべられるほどの想像力でサクサク読み進めたりすることって、無いですか?
スピード感ってのは、そーゆー意味なんですが……。
でね、理解の受けとめ・理解の受け入れの話なんですけどね。
正確な説明ではないけれど、“慣れ”が1番のわかりやすい言葉かなぁ。
厳密に言うと心理学の《サブマリン効果》に近いような。
って、ボク、心理学はぜんぜん知らないんですが……。
《サブマリン効果》ってのは、他人から聞いた情報が、まるで自分が考えていたことのように変わること……で合ってますか?
でね、コレって怖いことに「そんなわきゃぁ無いよ(笑)」と思って聴いてた意見まで、自分の考えみたいに変わるらしい(ヒェーっ!!)
いや、ボクが言いたいのは……認識が曖昧化して受け入れられる仕組みって言うか何と言うか……。「え?何だこりゃ?」な試みなども、とにかくその作品を読みきると、わからなかったなりにも、「そーゆーもん」として自分の中に入ってきて抵抗がなくなると言うか……。
舞城さんの作品には試みがされてることが多いです。
例えばボクの作品タイトルの1つ、『デッサンパラレル』って言う言葉は、ボクが自分の知名度や実力の無さに怯んで止めてしまいましたが、本来は舞城さんの『SPEEEEDBOY』の手法の名称として考えた名前で、その手法で作品を書くつもりでした。
で、こーゆー手法とか試み、やはり何度か触れる“慣れ”があった方がしっくりきやすいと思うんです。
スピード感を損なうことなく読み進められるというか……。
ボクのオススメなこだわりは絶対ではありません。。
だけど、刊行順の読破をオススメするのです。
人はどこまで行けるか?
お試しください。