第二十一話
桜色のちりめんで下着を作ってあげる。わたしとあなたの秘密を隠してる一番大切な処を守ってくれるお揃いの下着を、ね。こう見えても、わたし、ミシンが得意なの。ママがお出かけしてる間に、そぉーと、ちゅんと桜色の絹糸も用意して。
その前にきちんと型紙を拵えないと。採寸する、ね。
「脱いで」
まずは、赤ちゃんのお尻みたいなオッパイ、上質の流線型ばっかり、ほんとうに左右一緒。どこから見ても鼻はまっすぐ、曲がってない、つんと前ばっかり向いて、どうしたって真っ先に嫉妬が出てきちゃう。
「トップ35インチ、アンダー28インチ,カップはⅮ」
着やせするたタチね、キャサリン先生。まだまだ、まだよ。今度は後ろ。鎖骨から肩甲骨までのラインを確かめないと。ほらっ、胸回りって、正面よりも背中の表情が色とりどりでしょう。えっ、しらないの。しょっちゅう肩甲骨がグルグル回って、ぐー チョキ ぱーやってるよ。ちなみに、いまのキャサリン先生の背中はチョキになってる。
今度は、パンツの採寸ね。後ろのままでいいわ。鼠径部の採寸は、こちらからの方が手を回しやすいし、それにこんな明るい処で、前を向いて頬をあそこにくっつけるなんて、・・・・・・・ねぇー、無理よね。でも、わたしの採寸のときは、ちゃんと前を向いてメジャーを当ててね。どんなに時間が掛かっても、かたちを変えないように頑張るから・・・・・・あっ、あー。それを考えただけで火照ってきそう。大丈夫かな、・・・やっぱり、自信がない。
それに較べると、女のパンツの要はダンゼンお尻。所詮おとこのパンツなんてあそこを包めばいいの、半分に折ったバナナに笹の葉を巻き付けるみたいにね。でも、女のパンツは違う。お尻を包むもの、守るものでなくっちゃ。此処が女の一番に大切な、女が女として存在する珠が入ってる処。
キャサリン先生のお尻、ほんとうにピッタリの対象形。ううん、左右じゃない。うえ、した。綺麗に紡錘のカーブ描いてる。目を瞑って、自分のこと、這いずり回るゾウムシだって思えばわかるの。こうして足の親指の股の間からはじめて・・・・・
あしくび、ふくらはぎ、ひざ裏の窪、ふとももの二本の腱と、砂漠の旅を延々してきた隊商が大きく登り上げた砂丘を今度は同じカーブをそのままストーンとはじめて長い螺旋の滑り台を落ちていくときの心地よさ、往復から来る澱みや不協和音のリズムがどこからも響いてこない素直な、ああぁー、今度は本当の嫉妬が、
くるー、くるー




