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なんか静かだねぇ


「何か静かだねぇ、校舎の中には私達以外誰もいないし、平日とはえらい違いだね」

「ああ、運動部の面々はそれぞれの施設に分かれてるからな。文化部は基本休みで・・・吹奏楽は今日は休みだっけかな」

「ふーん、明日が楽しみだなぁ」

「上機嫌だな桃花?」

「まあね、新しい友達もできるし、行事も楽しみだし、みんな楽しまないと」

「ふっ、ああそうだな、楽しまないとな」

その楽しみの後始末、後処理をするのは大抵俺なんだが、まあ妹の我儘に付き合ってやるのも兄貴としての役目かな?

そうやってお互いに成長して行った。この関係が続く限り、道は続く・・・

そんな事を思いながら外に出たその時だった。一球の野球ボールがライナー軌道でこちらに向かって来たのであった。ボールは真ん中に陣取ってた桃花にめがけて来た。資料を持ったままで俺は反応が遅れ・・・

「嬢ちゃん!危ねぇ!」

先生は何のためらいもなく資料を手放し桃花を庇った。

「がっ・・・」

「せ・・・先生?」

空を舞う資料、転がっていくボール、そして地に着く。整理した資料はバラバラになっていった。

「あっ・・・ああ・・・はぁ」

「なんて声・・・出してやがる?時之ぉ」

「いやだって、だってねぇ・・・」

「いいから集めるぞ!皆が、待ってんだ」

大量にばら撒かれた紙束を拾い集めること15分程度たった。こんな大変な作業をしなければならないと言う現実をすぐに受け止められなかった俺は呆れながらも資料集めに没頭した。




先生の怪我は大したことない軽い打撲で済んだようだ。先生曰くこんくらいなんてことないらしい。

「せんせ、さっきは守ってくれてありがと」

「気にすんな。生徒を守んのは先生の仕事だ」

「んー、まあそうなんだけどさ・・・」

そう言いつつ桃花の視線は俺の方へ向く。

「すまない、咄嗟の判断がつかなくて本当にすまない・・・」

桃花の思惑を大体分かってる。本来なら俺がやるべきことだったんだ。言い訳をする気は無い。ただ認めて次はそれを成す。それが俺のやり方だ。

「しかしさっきのボールは誰が飛ばして来たんだ?謝りに来るどころか誰も来やしない・・・」

拭いきれない違和感、この白球は新品同然の真っ白な球だ。

球児達の魂がまだ篭っていない。言わば水の入っていないコップのようだ。

「なんだ?そんなまじまじとボールを見て?ひょっとして・・・お前もやりたくなったか?」

「へ?」

「考え事をしていたため変な声が出てしまった。

「いやいや言わなくても分かるぜ。お前も野球の楽しさに目覚めたんだろ?」

「いや、別に・・・

「まーまー、とりあえず今日だけでもしていきな。やりたくなるだろうよ」

先生の強引な勧誘に俺は断ることもできず、そのまま流されることになった。





「おはようございます!先生」

「おお、おはよーさん。ウォーミングアップは終わったところか?」

野球部の各員はランニングや準備体操を終え、キャッチボールの準備に入っているところだ。

「喜べお前ら、新しい入部候補だ」

「え、えーと・・・天本時之です。よろし・・・

「天本?もしかして女神さんの弟!?」

「ッチ、モノホンのエリートってやつはどこまでも恵まれんだな」

「そっちのカワイコちゃんは?」

「二人はどう言う関係なんだ?」

・・・何これ?野球部の面々から色々と罵声や質問が飛び交い対応できないんだが・・・。

ていうか姉さんそんな呼ばれ方してんのか!?

「おー、時之来てたのか」

「月村?知り合いなのか?」

「知り合いも何も幼馴染だ。しかしお前も野球をしに来たのか?」

「いや、まあ一応体験入部って事で・・・アハハハ」

笑って色々と誤魔化し先生と共に部室の方へ入っていった。

「さて、とりあえずこいつに着替えな、予備のユニフォームだ」

書類を置いた後新品の練習用ユニフォームを渡されて俺は不満を漏らす。

「なあ、本当にやるのか?」

「やってみろよ?意外と楽しいかも知れねぇぞ?」

上着を脱ぎズボンも脱ごうとしたが少し思いとどまった。

「桃花、出ていけよ」

「いーじゃんいーじゃん、減るもんじゃないし」

「減るもんなの。大体コレが逆の立場ならどうする?」

「うん、すぐ追い出すね」

笑顔で言う。迷惑千万だ。

「よし俺も追い出す権利はあるな」

また強引に桃花を部屋から追い出す。

こんなのは日常茶飯事、茶飯事。さて着替えるか。

村田殿のどーでもいい雑談コーナー

希望の花ことフリージアの花言葉は

あどけなさ、純潔、親愛の情って言うっす。

元々は白と黄色の二色だったっすが赤とか紫とかも作られたっす

色限定だと黄色は無邪気、白はあどけなさ、赤は純潔、紫は憧れを表すっす

ちなみに日本名だと浅黄水仙アサギスイセンって読むらしいっす。

???「その先に俺はいるぞ!」

だからよぉ、止まるんじゃないっす

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