無理強いの健気さと難航する懇願の情愛
今回も次回もキャラ紹介でほぼ終わってしまう・・・
正直キャラ増やしすぎる気がして扱いきれる気がしないんだよね
生徒会室は8階にあり、その上は屋上になる。
生徒会長
それは学校における生徒会の代表者、いわば生徒の模範となるべき存在である。
選挙という手段で全生徒から選ばれた生徒会長は生徒の様々な意見を反映し、より良い学園生活を提供する者だと思っていた。
そしてそんな人物が活動する部屋は立派な物だと思っていた。
しかし目の前に広がるのは堕落の極みであった。
「何これ?」
「わ〜すっごい散らかってるね」
部屋の八割以上が生徒会室とは思えない様な部屋、散乱したゲーム機と漫画本や週刊誌、他に遊び道具の数々がある。
言うなれば自室だ。娯楽ルームとでも呼んでおこう。
残りの二割弱はテーブルと椅子、その上に資料と思おしき仕事道具がキッチリ積まれている。
これは生徒会ルームと呼んでおこう。
何かの部室でもこれは酷いという一言しか出てこなかった。
部屋の中には男女二人づつ計四人。
三人は生徒会ルームの椅子に座り寡黙そうな大柄の男性はこちらを見る気もせずただ静かに座り
黒髪セミロングの眼鏡を掛けた知的そうな女性は占いで使う水晶玉を磨く。
もう一人の女性はロボット、正確に言えばウチの会社が開発したサイキックロイドだ。
あれは魔術と機械の使用を可能にした混合AIを人型ロボットに組み込んだ者。
見た目は洗練された人間というのをコンセプトにしており全体的に綺麗な見た目をしている。
機械的な面を見せなければ人と何ら変わらない存在だ。
長い白髪の二つ結びからUSBケーブルが伸びていたので俺は彼女がサイキックロイドだと分かった。
そのケーブルの行方は・・・
最後の一人が遊んでいるTVゲームに繋がれている。
コンセントから女性に、そこからTVにと延長コード扱いされているようだ。
TVゲームのレースも終盤、ハンドル型のコントローラーを操る青年(?)はリズムに乗る様に車を操る。
今の順位は2位、カーブの連続をドリフト走行し徐々に前への車との距離を縮める。
そして最後のコーナーを回り直進コースに入る。
一位と二位の車が並び二車の立ち上がりの速度はほぼ互角、しかし加速はこちらの方が上で少しづつ距離を離す。
ゴールまで目前、勝利は確実かと思えたが後続の車が急加速し勝ちを逃した。
「不詳の栄冠・・・」
青年はコントローラーを置き一言呟く。そしてこちらを向きまた呟く。
「希望の、星々への、祝福」
彼は俺たちに左手を差し伸ばし握手を求めている様だ。
しかしこの人は何を言っているんだ?というか普通に喋ってくれ・・・
「入学おめでとう・・・言ってる」
その疑問を解決する様に寡黙な男性が通訳をしてくれた。
「あ、ありがとうございます」
独特な言い回しをする彼に押されながらも俺は対応する。
彼は自信満々な顔を浮かべ俺と桃花を交互に見つめる。
「天本副会長、かの二人、難航する別懇の情愛」
彼の言ってる言葉は何となくだが理解できる。しかしその独特の言い回しに押されてばかりだ。
「あの、出来れば普通に喋ってもらえますか?」
「・・・束手無策の極み」
「時之、生徒会長はとある事情により普通には話せないのです」
姉さんがフォローに入る。しかし今会長って言った?
こんな話の通じない様な人が会長とかこの学園はどうなっているんだ・・・。
姉さんが生徒会長と名乗ってあの場に出た理由がなんとなくわかった気がした。
「では、改めて自己紹介といきましょう。
彼が生徒会長の三浦克哉さんです。
そして彼の幼馴染兼通訳兼生徒会庶務が黒田尚弥さん。
彼方で水晶玉を磨いているのが書記の里見知恵さん
見ての通りサイキックロイドの彼女が会計の大友セブンズさん。製造番号が丁度スリーセブンなので縁起が良いですね」
一通り自己紹介が終わり改めて周りを見回す。
やはりこの場所は生徒会室として相応しくない。
姉さんがこんな惨状を見過ごしてるとは思えない。何かこの生徒会室には秘密があるのだろうか?
その思考を読むかのように生徒会長の三浦さんが号令をかける
「真実の提示を、尚弥庶務」
言われて黒田さんが椅子を土台に天井裏の扉を開ける。そこには対ヘイルリーム室にあった
謎の大型機械と同じものがあった。
彼が少し機械操作をすると遊び道具が一つ、また一つと消えていく。
「コイツは一体・・・」
「簡易式の転送装置ですよ。送れる場所は決まってますがね」
転送装置・・・あれは一般的に出回ってるものじゃない。
最近になって開発出来るかもしれないと噂されたラグナルク製品だ。
もう実用化されているとは想定外だった。
しかしこれがこの学園にもあり、生徒会室に隠してあるということはここのメンバーは全員ヘイルリームについて知ってる可能性があるか?
しばらく思考をしている間に全ての余分な物が送られた後、テーブルを部屋の中央に移動し其々の役職席へと座る。
生徒会長の席を中心に左側に会計、書記、右側に副会長と庶務席だ。
俺と桃花は会長と向かい合うように席に座った。
「単刀直入!同志の招致!」
「嫌です。少なくとも今は」
「え?何、何を話してるの?」
生徒会長の言葉も少しは分かってきた。今のは生徒会に来いという意味なのだろう。しかし今の俺には昨日できた焼肉代の借金20万円程を返すため会社で働く必要がある。
今は他にやるべき事があるため一度断りを入れる。
「心配無用、組織の協議は実施済み。証の証明」
指を鳴らした後、会長は胸ポケットから掌サイズのリモコンを渡してくる。
付いているボタンを押せとばかりにジェスチャーされ押してみることにした。
眩い光が目を包み込み、次に目を開いた場所は生徒会室ではなく対ヘイルリーム室だった。正確にはあの機械の横隣だ。
「あれ時之くぅん、遊びに来たのかい?」
俺の来訪に気づいた室長が声をかけてくる。口には煙草を加えており副流煙が俺の鼻に付く。
煙草というのはどうにも好きになれん。
「室長、人と話す時くらい吸わないでください」
「っだよ、ふう〜。人の一服にケチつけやがって」
煙草を捨てた後少々不満げな顔をしつつ愚痴ってきた。
「お前も一本吸ってみるか?大人になれるぞ」
「ナチュラルに勧めないでください。犯罪ですよそれ」
「バレなきゃ罪にならないってどこぞの偉い人は言ってんだよ。さあ君も大人の階段を登るといい」
「嫌ですよ、そもそも俺煙草の煙が嫌いですし」
「・・・コイツの良さが分からんとはまだまだ子供だねぇ。
ま、いずれ分かるさいずれな」
俺が煙草を吸う将来・・・ナイナイ。
「それよりコイツ使って来たって事は生徒会長に会ったって事でいいのか?」
「えぇまあ」
あの機械を見た時点で何となく分かっていた。星城学園生徒会室と対ヘイ室は繋がっている。
メンバーも全員ここの事は知っているのだろう。
生徒会に入れば特に怪しまれずここに行くことができる。つまりは生徒会入る事が効率的にいいって事だ。
「アレでもうちのNo.1ハンターだからな三浦君は」
「強いって事ですか?」
「ああ、お前なんて足元にも及ばねーよ」
俺が足元にも及ばない?俺はこれでもブレイブソウル中等部で全国クラスの実力者だぞ?
その俺が足元にも及ばないとは舐めらてる・・・のか?
会長のオーラは普通じゃない。
どこか底知れぬ物を持っている様な気が気でならない。何というか俺にはないカリスマって奴を持っているんだ。
「そう・・・ですか・・・」
「ってオイ、そこは俺の方が強いって意気込むとこだろ!?」
「室長がそう言うんですから事実でしょう。自分で言ってて虚しいけど」
「変わってんなお前」
「っ、よく言われますよ」
自分で自分は変わってる自覚はある。
馬鹿正直とか素直馬鹿とかそう言う評価をもらうのは別に嫌いじゃあなかった。
「ん・・・メール?」
見ると姉さんからの連絡だった。帰りが遅いのを心配していたようだ。
催促メールを受け取り俺は対ヘイ室を後にした。
「うおぉぉ!?」
帰る時は天井近くから落ちて椅子に何とか座る。明らかに設計ミスだろこの機械。
なんで行く時は地面なのに戻ってくる時は空中なんだよ・・・。
俺の悲鳴に桃花を除いて微笑の空気になる。
「おに・・・時之君大丈夫?色々と」
俺の情けない声で笑いを堪え切れないこの場の中一人心配してくれる桃花は天使か?いや妹だったな。
「問題ない、怪我ない、大事ない。・・・生徒会と俺の問題が問題ないって事は分かりました。寧ろ入った方が円滑に進むって事ですよね」
拒む理由はない。しかし借金返した後も生徒会にいるってのは色々とめんどくさそうだな。
仕事と称して姉さんのパシリ扱いとかされそうだしそもそもこういうめんどくさそうな事務作業系好きじゃないんだよ。
「姉さんお金返すまでなら・・・
「駄目です。貴方には人の上に立つという事を覚えてもらうため時期生徒会長候補として生徒会で決議が出ています」
「え?姉さんそれ初耳・・・
「今初めて言いましたからね。貴方もそろそろ使われる側から使う側になってほしいのです」
「拒否権は?」
「しても構いませんよ、その場合は別の候補を探しますから」
以外な一言だった。こういう場合ないと言われると思っていたからだ。それなら生徒会室には入るが、生徒会には入らないって形で・・・
「無理強いの健気さ・・・」
「本人がやりたくないいうなら仕方ありませんね。折角来てもらったのですから茶菓子の一つや二つ送りますよ」
そこからは談笑だ。
「・・・貴方、悪いオーラが見えるわよ。生徒会に入ればそのオーラ消え去るかもしれないわ」
「ちゃっかり勧誘しないでください、里見先輩。引っかかりませんよ」
女子というのどうも占いって奴が好きらしい。
桃花の今後の運勢を占ってもらって良好だったのをキッカケに、俺も今後の運勢を占ってもらう事になった。
桃花が占った時は水晶玉は白と黄色の明るい色になっていたが、俺の時は赤と黒のドス暗い色合いだ。
「あら?引っかからなかったかしら。でも時之さん、この運勢は生徒会に入っても治らないみたいね」
「所詮占いだろ?話半分に聞いとくよ」
「ですが里見さんの占いの的中率は今のところ100パーセント当たっています。というわけで時之、生徒会に入りなさい」
「姉さん、やっぱり俺が入らない事根に持ってないか?」
先程からあの手のこの手を使って俺を生徒会に入れようとしてくる。絶対にこの手には引っかからないぞ、引っかかれば俺が後に引けないの性格なのは姉さんがよく分かってるからな。
「どうしても俺に入って欲しいなら何かメリットが欲しいもんですね」
「メリット?」
「例えば美味いもん食わせてくれるとか昨日の金チャラにするとか・・・
「良いですよ、丁度いいプランがあります」
そのプランとは・・・
生徒会管理の目安箱の中の問題を一つ解決する毎に飯を一食奢ってくれるようだ。
悪くない案件だ。
・・・買いだな。
「そういう事であればやりますよ。飯には変えられないですしね」
「ちょろいですね時之は」
「ちょろいね時之君は」
「何とでも言え、ただし報酬はきっちりと弾んでもらいますよ?」
「いい働きにはいい報酬を。
報酬を得たいのであればそれなりの責任は背負ってもらいますよ。
私は報酬のない仕事ほど無責任になると思ってます。
・・・という訳で時之、茶菓子の分くらいは働いてもらいますよ」
仕事と称して渡されたのは大きなグレーの袋だ。聞けばこれは荷物取り締まりの没収品らしい。しかし量が多いな、一般的なごみ袋二つ分くらいだ。
今日は学校も終わりであり持ち主に返してくるのが今日の仕事らしい。
食った分くらいは働かないとな・・・
これからの話としては借金返済と飯の為に姉さんや室長から仕事をもらい、それを次々と解決していく話を予定してる
こういうのオムニバス形式って言うんだっけ?
短編を繋いでいって一つの物語を作るわけだ
あ、最近暑くて執筆する気合が起きません
でも頑張って投稿ペースは落とさないようにする




