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少年は夢から覚めて大切な物を失いかける

バエルの元に集い、エボルトに忠誠を誓ったので初投稿です(大嘘)

一面、白い空間・・・

目を開けばその空間はあの夢の続きを見せる。

「馬鹿騒ぎして、楽しく暮らしてる方が現実なら何と楽しいことか・・・君もそう思うでしょ?時之」

・・・え?

夢の中の光景はあくまでも破かれた日記のかけらの様に整合性もなく、話の流れもまるで理解できなかった。

しかし今の夢は明らかに今までのものとは違う。

まるで映画のワンシーンを抜き出すかの様なもので、画面の中の人が客に話しかけるなど到底想定もつかなかった。

「あれ?おーい聞こえてる?」

「ああ、聞こえてるぞ」

俺は恐る恐るその声に反応を示す。

目の前にいるのは俺と同い年くらいの大人しそうな少年だ。

「お前は・・・誰だ?」

「僕?僕は・・・僕は・・・誰だっけ?」

「質問を質問で返さないでくれ。一番困る反応だから」

「でも本当に分からないんだ、ごめんね」

名の知れない少年、何もない真っ白な世界、だだ目的もなく、だだ緩やかに時間だけが過ぎていく。

「もういい、兎に角何で今回に限って声を掛けてきた?」

「?僕は何度も声を掛けてたよ?それがちょうど君の起きる時間と同じになってた、それだけだよ」

聞いてなかった・・・ではなく聞けなかった。

言い訳にはしたくないが俺は少年の声を無視していたのだ。

「すまない。俺は・・・

「ううん、いいのいいの。今日からはちゃんと話せるから」

何故今日になって少年と話が出来るようになったかは分からない。

何か変化があったとすればヘイルリームを知った事くらいか?

何かしら因果関係があると見て間違いないだろう。

「話か、何を話す?」

「そうだね・・・取り敢えず戦おうか」

「言ってる意味がよく理解できないんだが?」

「君と僕が戦うの、君は強いんでしょ?強い人と戦って勝ちたいっていうのは本能だもん、ね?」

「まあ分からなくもないが・・・」

事実俺が強くなろうと決めたのは勝ちたい、いや負けたくないという思いから来たものだ。

あれはまだ俺が6歳だった時・・・




俺は学校の上級生に親の七光りが気にくわないとかいう理由でイジメを受けていた。

尤も俺は権力を振りかざした覚えはないのだが、

具体的には上履きに画鋲、机に油性落書き、中には腐ったパンを詰め込まれ、教科書もどこかに捨てられていた。

更に暴行、罵声の数々を浴びせられ、その度に反逆し返り討ちに遭い続けていた。

世間の感覚というのが良く分からないが、大抵の人間はここで自殺するなり心が折れるなりしているのだろう。

しかし俺は家族に支えられた。抗うだけの術を持っていた。

半年程不登校を続けながらも

姉さんと桃花、凛樹からは心を

ミカさんからは食事(きぼう)

村田さんからは強さを

それぞれ貰った。

しかし、再び学校に行き、返り討ちにしてやった時に待っていたのは激怒だった。

俗に言う過剰防衛をし、俺は彼らの心身に深く傷をつけた。

体は魔法や医療の力で治せても心まではいつの時代もそう簡単に治せない。

周りからやり過ぎたと叱られ俺は反省の意を示したかった。

腕っ節の強さだけでは何も変えられない。

そう思った俺はいつしか優しさという強さを身につけていった。

尤もその優しさを理解してくれたのは側に居てくれた人達だけだった。

そのまま時は流れていく。

俺は要注意人物として生徒、先生から腫れ物扱いを受けていた。

イジメ受けていた頃に比べれ幾分かマシ程度になったが当然友人など出来るわけもなく己の行動を愚行と認めるだけだった。昔のことを蒸し返すことなく、星城学園ではまともに学生生活を送りたいものだ。


「戦えばお互いの事がよく理解できる、そう言いたいのか?」

「うん。それがお互いの事を知る一番分かりやすい方法だと思うから」

こういうのは何というのか、デュエル脳?いやバトル脳と言うべきか。まだ少年の事をよく知らない俺は付き合ってやることにした。

俺がブレイブをしようとスキャナーを取り出す前に俺の体はブレイブ後の衣装に変わる。

こいつは夢の中だからか?

現実でも思考だけで変身できれば楽なんだが・・・それはそれで浪漫がないか。

ブレイブが出来るのなら武器(レイブ)も出せる。両腕を軽く広げ深呼吸をする。

イメージするのは己の魂、本能、リビドーそんなものを形にする。

振り抜く腕についてくるは二振りの剣。

一本づつ逆手に持ち空を斬り裂き地を跳び、炎を轟かせる。

「始めようか、ブレイブソウルを」


互いに十メートルほど離れた場所から構える。

時間無制限

フィールド制限なし

ブレイブが解除されるレベルの攻撃を受けた時KO、事実上の敗北扱いになる

ブレイブ中は絶対防御システムが作動しており、最大限選手の命は守られるよう作られている。

実験では重迫撃砲レベルの攻撃を難なく耐えきった事もある。

流石にブレイブは解除されたが無傷で済んだようだ。

「お前のは槍・・・いやランスか」

「うん、カッコいいでしょ?」

身の丈に近い程大きいランスの先を俺に向ける。

槍使いとは何度か相対したことはあったがランスは初めてだ。

リーチ的にこちらの方が不利だがこちらは二刀だ。

スピードで翻弄し一刀で槍の動きを止め、至近距離で利き手であろう右腕を切る。そこからはなし崩しに畳み掛けて一本取る。

・・・完璧な作戦だ。

開始の合図に合わせ足を整える。膝を軽く曲げて体全体をリズムに乗せるよう動かす。

この動きは桃花が人伝いで教えてもらった基本動作だ。

桃花曰く、とある北の国の武術家から教わった凄腕の道場破りが弟にその技を教え、その弟の従姉妹から教わったらしい。

そんな人伝いから教わった桃花に教わった俺の動きは恐らくオリジナルからはるか遠くのものなのだろう。

そして俺はこの動きを自己流に変え使いやすくしてる。

オリジナルに対する冒涜である行為であるためもし会う機会があれば謝罪をしたいものだ。


開始の合図であるカウントがゼロになる。

瞬間、一気に間合いを詰め左の剣でフェイントをかける。

後ろに下がったところを見逃さず右の剣を振り降ろしランスを抑える。

そのまま左で切る。

そのはずだった

奴は槍を手放した

徒手空拳スタイルに即座に切り替えた彼の動きは恐ろしく速かった。読み切れなかったのもあるがそれでも速い。

無防備な俺の足を狙い足払いをかける。

再びランスを拾い、先端を俺の目の前に向ける。

仰向けで倒された俺の目にはランスが高く険しい山の様にも見えた。

「先ずは一つ。君の動きは確かに有効打ではあったよ。

でも素直すぎるかな?時にはスタイルを大幅に変えてみるのも戦略のうちだよ」

「成る程・・・さっきの判断は俺の攻撃を読みきった上での判断か?」

「ううん、ランスを抑えられた時点での判断だよ」

今の発言で確信した。

彼は俺より強い。

反応速度、戦略、戦術、どれを取っても勝てていなかった。

しかし不思議と嫌な感じはしなかった。寧ろやる気すら湧いてくる。

特に目標がなかった俺に目標をくれた。

勝ちたい、ただその一心で俺は立ち上がる。

「もう一本頼む。次はもっと上手くやるさ」

「いいよ、何本でもドーンと来い!」

俺たちは時間を忘れ、ただひたすら競い続けた・・・




「・・・ちゃん・・・お兄ちゃん!起きて!」

桃花に体を揺すられる。

体が重い。昨日焼肉屋でどんちゃん騒ぎしたせいだろうか?

立ち上がる為首を何度か横に振り目を覚ます。

しかしこの気だるさはどんちゃん騒ぎだけのものではないようだ。

明らかに夢の中での戦いの疲労も蓄積されていた。

そんな体の状態で無理に起き上がろうとした俺はバランスを崩し桃花を押し倒すようにベットに倒れた。

「ちょ、ちょっとお兄・・・」

桃花は困惑した声で俺に囁く。

柔らかなのはベットか桃花か、今の俺には想像もできなかった。

体は起き上がらない。その事実だけがこの状況を硬直させる。

このまま寝てしまうのもいいと感じたが、それを許さんと番人、もしくは救世主が部屋へと入っていった。

「時之殿〜もう朝しょ・・・くは食べてるみたいっすね。ごゆっくりどうぞ・・・と言いたいところっすが今日は入学式っす。だから起きるっす」

「怠くて起き上がれないの。どうにかしてくれ」

村田さんは呆れた様子で俺の後ろ肩を持ち上げベットから降ろす。俺は壁を背に体育座りするよう倒れこむ。

「全く、こんな状況が優佳里様に見られたら・・・

「見られたら何なのですか?」

その場の雰囲気が凍りつく。村田さんの後ろに姉さんとミカさんがいたことに誰も気が付かず気まずい空気が流れる。

「まあ、時之も男の子ですからね。そういう気分になることもあるでしょう。大丈夫ですよ軽蔑しませんから」

「ご主人様、もしその様な行為に及ぶなら夜にお願いします」

「はい・・・ぅぇ?」

寝ぼけた俺の返事は何か大切なものを消しかけた一言だった。

その笑顔に嘘偽りは見えなかった。

しかしそれはそれで問題発言であろう。

「時之、後でお話があります。放課後生徒会にてお待ちしていますね」

姉さんは笑顔を維持したままその場を去る。寝ぼけていた俺にはその真意は分からなかった。

まぁ寝ぼけてなくとも分かることの方が少ないんだが。

昔から俺は姉さんの考えだけは読めずにいた。

あの人はどこか深い考えを持っている。そう感じるんだ。

「お兄ちゃん・・・」

倒れ込んでた俺の顔を見上げるように桃花が顔を出す。

「すまない、俺のせいで色々と迷惑をかけた」

「ううん、お兄ちゃんがわざとそういう事しないのは分かってるから。うん」

その優しさも今の俺には痛く感じる。

「それにもしお兄がしたいなら・・・私は・・・」

「あーあーあー!時之殿!お覚悟!疲労回復のぉぉつぼぉぉぉ!!!」

「ぐほぉぉぉ!」

突如横から介入してきた村田さんのツボ押しを受け一瞬気絶をした後直ぐに俺の体は回復した。

「ん・・・体が軽い、まるで生まれ変わったかのようだ」

「実際生まれ変わったっすからね」

「マジで?」

「マジっす」

「冗談だよね?ねぇねぇ?」

「分かってる。村田さんのは冗談だってことくらいな」

いくらツボを押されたからってそれだけで生まれ変わってたまるか。

もしそんな方法で生まれ変われるもんなら見てみたいものだ。

「そういえば桃花、さっき小声で何か言ってたけど何だったんだ?」

「え、それは・・・教えない!」

そっぽを向かれてしまう。こうなるとまず言ってはくれないだろう。

まぁ実のところ聞こえてはいた。

しかし朝っぱらから妹を押し倒しあまつさえそれ以上の行為に及ぼうというのは良い兄貴失格だ。少なくとも今の俺にそんな気はこれっぽっちもない。

聞いたのはちょっとからかってやっただけだ。いつもからかわればかりだからな。

そんな騒動もあったが時は進む。

ミカさんの朝食は相変わらず美味しいし桃花や姉さん、村田さんのいるこの家も安心感を覚える。

こんな何気無くも楽しい毎日を過ごすのが俺の望みなんだろうな・・・

星城高校、楽しみだな。

今回出てきた夢の中の謎の少年。

彼の正体は何者なのか?

その目的は?

などはある程度考えはまとまってます。

なお村田さんの事は何一つ考えてません。

だってあの人忍者だし。


今回の後半のエピソードは書いてはいけないと思っていたが抑えられなかった。

反省はしている

すまない、安易なイチャコラを書いて本当にすまない。


その内キャラを掘り下げる場合、時之以外の視点で描くことも検討している。

なお、村田さんが視点となって掘り下げられる予定はありまーーーま

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