To Be Continued? 2
「エル…プサイ…コングルゥー?」
明人は目を点にして首を傾げた。
何とも言えない名前が出てきた。
どこぞのマッドでサイエンティストな人が好きそうな単語である。
「違います。コルプス・エクス・デウスです。神仕掛けの身体という事です」
「神仕掛けと言われても…あれですか?オートモードで戦闘とかやってくれるんですか?」
確かにそう言う場面が自動で終わらせてくれるというのなら楽してモテそうでもある。
だがそれだと楽しくない。非常につまらない第二の人生になりそうだ。
「残念ながらオートではありません。では説明をしましょう」
「よろしくお願いします」
明人は姿勢を正して拝聴する。
「コホン、簡単に言うとコルプス・エクス・デウスとは転生者、すなわち明人さんの身体の一部に神又はそれに準じる生物の肉体を移植するというものです。例えば明人さんの腕に…そうですね、鬼の腕を移植したとします」
「ほう、それはまた何とも」
「そうすることにより、限定的ではありますが移植された腕は超人的な力を発揮します巨木を持ち上げ大地を割る事も場合によっては可能でしょう」
「それってスゲーかっこいいじゃないですか!」
身を乗り出して両拳を自身の胸の前で強く握る。
もう鼻から蒸気でも出るかのごとく息を吐き出し、目を爛々と輝かせる。
「落ち着いてください。まだ仮の話です」
ティオの事務的な声にズバッと切り捨てられる。
明人は再び姿勢を正して椅子に座りなおす。
「いいですか?」
「はい!」
「よろしい、では本題です。貴方にはこれから何をどこに移植するかを決めてもらいます。まあこちらも有限ですので限りもあればもう存在しない場合もあります」
「そうなんですか?」
「ええ、貴方の世界に神や幻想生物がもう存在しない理由もその一つです」
「そこんところ詳しく」
世界の真相っぽいので間髪入れずに聞いてみた。
「…先程の説明の補填ではありますが説明しましょう。神々やそれに準ずる幻想生物ですら有限です。それを切り与える行為を我々は行ってきました。或者は創造神の脳を、或者は巨人の腕を、そうして行った結果、貴方の世界のその存在たちは消えていったのです。分かりましたか?」
「なるほど…」
本当に分かっているのか分からない呆け顔だがティオは先に進めることにした。
「それでは貴方に移植するものを決めたいと思います。どうぞこちらへ」
ティオがそう言いながら身を左へ引くと目の前一メートル程先に木製の扉が現れた。
明人はティオの顔を見ながら立ち上がるがティオはすまし顔のままでこの先になにがあるのか教えてくれなさそうなので諦めてドアノブをゆっくりと下へ下げるのだった。