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異世界に持ち込んだのは幻想生物の肉体だった件。  作者: 青髭
第一章【異世界転生者達】
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To Be Continued?

 気が付くと俺は不思議な空間にいた。

 強いて例えるならプラネタリウムだろうか。

 自分といえば木製の椅子に座っている。上を見ても下を見ても変わらぬ風景だ。

 しかし、普通なら多少なりとも動揺しそうな状況だが自分はそうではなかった。

 まずここに行き着いた経緯から話そう。


 まず俺の名前は藤宮明人(ふじみやあきと)。17歳の高校生だ。

 趣味はマンガにゲーム。ラノベも少々。

 そんなごく普通の俺はいつもどおり眠たい目を擦りながら午前七時に家を出た。

 部活は入っておらず日々をだらだらと過ごす毎日を送る。

 そんなごく一般的な高校生、それが今日も始まるはずだった。


 普通に信号を待っていた。

 歩行者側の信号が青に変わったので足を動かす。

 普通、至って当然の行動。

 しかし、その普通の行動が俺の命を奪った。


 率直に言うと交通事故だ。

 信号無視をしたトラックにはねられたのだ。

 呆気ない人生だった。

 即死だったことが幸いして痛みを感じなかったのが救いかも知れない。


 そして気が付けばこのプラネタリウムのような空間に座っていたのだ。

 信号無視をしたトラックには恨んでも恨みきれないがこの状況を見れば感謝できそうである。

 そう、これは昨今ラノベ業界に見る異・世・界・転・生!

 その予兆に違いないのだ。

 まあ、ただのあの世かもしれないが期待して損はない。

 超人的な力を授かって無双無敵!できれば相手の力を吸い取るとかそう言う系の力だといいなぁと思う。

 そして巡り合う美少女達!

 そんなことを考えるだけで自然と顔が綻んでしまう。

 そんな妄想に耽っていたせいか目の前でこちらに声をかける存在に気付かなかった。


「うわっ!?」

「きゃっ!?」


 こちらの驚きに驚いて転ぶ女性がそこにはいた。

 来た!彼女は女神で転生を担っているに違いない!

 明人は女性を観察する。

 神様という割には上から下までスーツ姿だった。

 若干背伸びにも見えなくはないがそこは問題ないだろう。


「あの、大丈夫ですか?」


 女性が立ち上がり栗色の長髪をなびかせる。

 さすがは女神、見目麗しい。

 女性はコホンと一度咳払いをすると腰に手を当て口を開いた。


「藤宮明人さんですね?残念ながらあなたは死にました」

「はい!」


 来た!と思い場違いな返事をしてしまう。

 そんな明人を訝しむように見る彼女は事務作業のように続きを言う。


「私の名前はティオ。今回あなたの転生担当をさせていただきます」

「転生来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 あまりの嬉しさに立ち上がってガッツポーズをする明人。

 さよなら退屈な人生!ようこそ素晴らしき異世界人生!


「もうなんなんですかさっきから!」


 明人の絶叫に耳をふさいでいたティオが眉間に皺を寄せて顔をぐいっと近づけてくる。

 その表情には明人と押し黙らせる気迫がありそれといい匂い。

 明人はしゅんとして身を縮ませる。


「続きをどうぞ…」

「よろしい、では藤宮明人さん。あなたは不慮の事故で死亡しました。しかしながら若い魂をそのままなんの経験も無しにあの世に逝かせるのはこちらにとっても百害あって一利無し、ですのであなたを別の世界に転生させて魂の再利用をさせて頂きます」


 その説明を聞いてもう明人はテンションマックスだった。

 もうすでに何を貰おうか考えている始末である。


「その際に貴方には一つだけ我々から恩恵が与えられます」


 キタキタ!

 これを待ってました!

 武器ならエクスカリバーとかデュランダルとか有名な武器が良いし能力ならもう断然敵の力を吸収する系だし、あっ、目の前のティオさんと一緒にとかもいいなー。


「…もしもし?聞こえていますか?」

「はっ、はい聞いてます聞いてますよ!」


 いかんいかん、また妄想に浸ってしまった。

 ここは大事なところだ、気を引き締めなければ。


「では一応もう一度言います。あなたに与えられる恩恵、いわゆるスキルや武具の類いは何もありません」

「………………………………え?」


 引きつる顔を笑顔で無理やり固定させようとして更に引きつらせる明人をよそにティオは言葉を続ける。


「理由を申し上げますと既に何人もの方が転生しています。その際に色々な方が色々なものを授かって行きました。そのせいでもう初期の段階で渡すものが無くなったのです」

「…それでもう無いと?」

「そういうことです」


 つまり転生はできるけど俺は無能力者のまま、もっと言うと転生しても村人で生涯を終えるのか?

 良くて城の兵士、悪くて奴隷もあると。


「ちょちょちょっと待ってくださいよ!?何かないんですか何か!!」


 立ち上がり抗議する明人。

 せっかくのチャンスが逃げていく。


「ありますよ?」

「あるんかい!」

「無くなったのはスキルや武具だけでそれ以外はまだあります」

「良かった。でもそれ以外って何があるんですか?」


 スキルはつまるところ特殊能力などだろう。武具も剣や盾、それに留まらず魔法の道具やオーバーテクノロジー的な道具だろう。

 それが無いのであれば一体なにがもらえるというのか。

 ちょっと楽しみである。


「因みにですけど聞いてもいいですか?」

「なんでしょう?」

「俺がもらう予定のそれをもらった人は他にもいるってことですか?」

「ええ、そうです」

「それでその人達はいまどんな感じで活躍しているのでしょうか?」


 ここはすごく重要なところだ。

 正直一番気になる。


「そうですね。最初の一人目は世界を滅ぼしかけました。次の二人目は世界を救いました。あなたの前の方は現在進行形でその力を使ってやりたい放題しているようですね」

「それってそんなにすごいものなんですね!いやー楽しみだなー!」

「まあ貰える物自体はおおよそ一緒ですがそれでも力の前後はあります」

「それで、それはなんなんですか?」


神仕掛けの身体コルプス・エクス・デウスと言います」

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