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会話練習・内駒麻衣

作者: ゆまち春

 田舎民の心を、アルミ缶でも握りつぶすかというくらい自然な感覚で鷲掴みしたデパート『トヤマ』。なくては困る食料品から、着飾る機会なんてないのに明りが点いている宝石店。ないのは教育施設だけなのだから、俺の中学校も複合デパートに仲間入りして欲しい。

 たまの土曜日に親が車を走らせたので、その買い物に俺もついていく。勿論、キュウリやレタスの値段を地元と比べに行くわけじゃない。地元にはない本屋に行くため、泣く泣く付き合っているだけだ。

 レジを通した一週間分の食糧持ちを嘆く弟に代理させ、浮き足立って本屋へ向かった。

「げっ」

「あら」

 本屋の手前、誰が使うんだってくらいにケバい(死語?)宝石店に、細い筆で丁寧に塗りたくられた茶髪を携えたクラスメイトがいた。

 相手も俺を見据えてくる。

 薄い化粧が施された内駒さんの瞳は凪のように穏やかで、あなたに対して何も思っていませんよ、と主張しているようだった。傍では店員が話しかけているというのに、内駒さんは俺から視線を外さない。なんで視線外さねえんだよ。

 どういう対抗意識かわからない。が、先に目線を逸らしたら負けな気がして、店員さんには胸中で謝っておきながら、薄化粧を施された顔をじっくりと見ていた。

 太鼓を打ち鳴らして流れていた音頭がアーヤッサと大きな掛け声で締まる。すると、唐突に曲調が変わり、おもちゃのトランペットで吹かれたみんなのうたの曲が流れ始めた。棘をピンセットで抜いていくような婆ちゃん声に、ムキになっていた心が、砂をかけられた焚き火みたいに煙も立たずに消えた。

 折角の休日に何してんだか、家族も待たせてるんだし、さっさと漫画だけ買って戻ろう。

車がなくても帰れなくはないが、山を三つも越えたころには俺の分の夕飯は怒る弟に食われて、いつもデザートに取ってある婆ちゃんの里芋もなくなっているかもしれない。

 恥ずかしくなって頭を掻きながら、本屋へと足を向ける。

「何か用」

 横から投球フォームすら定まっていない荒れ球が飛んできた。いつの間にか内駒さんが宝石店から出ていて、俺の横に並んでいた。

 話しかけられたからには、と内駒さんのほうに体を向ける。

 その顔を正面からまじまじと見るのは自己紹介のとき以来かもしれない。

 いや、俺はあの時もしっかりと彼女を見てはいなかった。



「みんな~。あったらしい転校生だよ! 私に続いて二人目だネ」

四月に赴任してきた明るくて間の抜けていそうと定評のある水沢先生が、二週間前の朝に突然女の子を連れてきた。

「内駒麻衣ちゃん。早生まれよ」

 クラス中の視線が集まる教室の前で、肩掛けバッグではなく、お嬢様が習い事に持っていくような取っ手のついた鞄を両手で持って、内駒さんはちょこんとしていた。

 教卓に立つ水沢先生は余程転校生が嬉しいのか、手についたチョークを払ってから指を折っていた。

「東京から、お父さんのお仕事でやってきたんだよ。好きなものはココアで、髪は明るいけど地毛じゃなくて染めてて、学業成績に関しては問題なくって、家は鳥羽町のはずれの最近出来た豪邸さんね、あとはーえー、そうそう皆と仲良くなりたいって言ってたな、さっき。それとぅ・・・・・あ――ごめんごめん。内駒ちゃん本人に聞けばよかったよね、それじゃあ一言どうぞ」

 クラスメイトの全員が思っただろう。

 もう言うことねえだろ!

 そこまで言われてしまえば、最初の自己紹介で突飛なことをやらかしたいお調子者か変人でない限り、もう残された選択肢などない。

 振られた内駒さんもなんだか水沢先生をうっすら睨んでるし。

「はぁ・・・・・・内駒麻衣です。字は黒板に書いてある通りです。・・・・・・よろしくお願いします」

 頭を下げた内駒さんに釣られて俺も頭を下げる。なんだかぎくしゃく。でも、転校生なんてこんなもんだろ。それに、

「なあ渡」

「あ、なに?」

 隣の席の健二が顔を近づけてきた。

「アイツさ、なんだか怖くね」

「そうだな」

 そう。怖いのだ。

 醸し出している雰囲気が周りの女子と違う。

 垢抜けた髪色に、短めのスカート。遠目ではわからないが、ほんのりと化粧もしてありそうだ。

 周りの女子と見比べる。顔も整って可愛い系の女子もいるし、内駒さんも似ているのだが、その纏っている雰囲気がベクトルの向きを九十度回転させていた。

「じゃあ、内駒ちゃんは・・・・・・横山さんの隣がいいよね。学級委員に挟まれた方が楽だし」

「俺はどうするんですか?」

「三上君はそっちらへんで」

「んな大雑把な!」

 言われた俺の前の席の三上が適当な余席に移る。だが普段は余っている席などないのだから、本来はそこに転校生を座らせようとしていたのだろう。なんでこんな先生に近い位置に? 手元に置いときたい系女子なのだろうか。確かにお人形みたいに綺麗な髪をしているけど・・・・・・それか、問題児なのだろうか。

三上と入れ替わるようにやって来た内駒さんが小さく頭を下げてから座った。

「・・・・・・ども」

「・・・・・・よろしく」

「はい! それじゃあ早速自己紹介~、としたいんだけど、残念、今日は授業ね」

 定番イベントを潰されて輪唱されるブーイング。それに対して、水上先生はデコピンを黒板に当てる。ドン、と指先が当たっただけじゃ決して出ないであろう音が皆の芯を握った。

 黒板には、干ばつした畑に入るような亀裂ができあがっていた。

「なに?」

「なんでもありませんマイティーチャー」

 水上先生は、お間抜けな風体のくせして空手と柔道の有段者。しかも怪力のスキルを余すことなく使って圧政政治をしているのだった。というより、現在進行形でしている。

 一列前の内駒さんの隣の席には天使(他称。俺しか使ってないけど)が座っていて、今も優しい性格を余すことなく発揮していた。

「内駒さん。始めまして、これからよろしくね。先生・・・・・・は、恐くないから。うん」

 早くも先生のフォローに回る天使。優しい。

「教科書見せてあげるよ」

 机を近づける天使を、お婆さんを背負って横断歩道を渡る善人を羨望する気持ちで見ていた。先生もパラパラと崩れる黒板を隠すように適当なプリントを張っていた。黒板のど真ん中に出席簿あれば露見するに決まってるだろ。何やってんだあの人。

 水沢先生に呆れるのはともかく、天使は早速、学級委員らしい仕事をしていた。

 片方の学級委員がああやってるんだし、俺も何かした方がいいのか。

 そんな風に俺が思いやりの気持ちを押入れの奥のほんと奥から取り出していると、内駒さんは確かめるように向けていた視線を閉じて、

「ありがとう・・・・・・。でも大丈夫」

 そう言い返した。

「うん。そっか」

 あっさりと天使が引き下がる。内駒さんは教科書を持っているのだろう。そりゃそうだ。義務教育なのだから、都会から来たとしても教科書は全国統一なのだろう。

「・・・・・・内駒ちゃん。それは何、かな?」

 握りこぶしを咄嗟に後ろ手に隠した水沢先生が、呆然と一点を見つめたクラスメイトたちの代弁をする。

 そんな空気を感じることもなく、内駒さんが綺麗に首を傾げる。

「携帯ですけど」

「・・・・・・授業中だよ?」

「いけないんですか?」

「当たり前でしょ!」

 そうなのか、と驚くように体を仰け反らせていた。

「内駒ちゃん。前のところは良かったかもしれないけど、ここでは使っちゃ駄目だよ」

「そう、ですか。わかりました」

 よろしい、と胸を張った水沢先生はすぐさま黒板へ向き直る。

 けれども、その後の内駒さんは手元を見ることなく、ずっと窓の外を向いたまま、その日は過ごしていた。

 一回り大人に見える外見からして話しかけ辛かったが、中学生なのに携帯を持っていて、しかも授業中に使おうとしたという不良みたいな行為がきっかけで、更に内駒さんに話しかけ辛くなった。休み時間は「お前いけよ」「お前が話せよ」と押し合いへし合いをするだけで、実際に行動に移す人もいないままに終わってしまった。

 結局、放課後になるまで誰一人として喋りかけることができないでいた。が、放課後の校内掃除の時間になり、鞄を背負ってひとりだけ帰ろうとする内駒さんを天使が呼び止めた。

「内駒さん! 一緒に掃除しよ」

 にっこりと笑う彼女は本物の天使と見分けがつきませんでしたはい。エア雑巾でエア窓を拭きだした天使に内駒さんは頷いて、鞄を置いたら掃除場所も聞かずにスタスタとどこかへ行ってしまった。

天使は先生と話していて、帰ってくるだろう内駒さんの扱いは天使に任せてしまおうと、俺も自分の掃除場所に向かってしまった。

 三々五々にとクラスメイトが帰宅していくにつれて、教室の鞄も減っていく。なのに、内駒さんの鞄は一時間も残った俺が帰る前までそこにあった。

翌日に天使が内駒さんにそれをたずねると、

「・・・・・・そうじ」

 と恨みがましい口調で返されていた。

 その会話はクラス内で行われていたこともあって、みんなが見てしまっていた。内駒さんが天使に厳しく当たるところを。天使自身は気にしていない風に笑っていたが、どこか落ち込んだ顔がクラスに波を起こした。

 誰が発案したわけでもなかった。だというのに、その空気は簡単にできあがってしまった。

 不干渉。

 無視とは違う。と言い張っておく。

 話しかけられれば答えるし、授業中のペアも一緒に組む。けれども、内駒さんに話しかけることはしなかった。

 内駒さんの性格はわからない。けれども話しかけられもしないのに、自分からだけ話しかけるのは勇気がいるだろう。内駒さんはクラスの中で喋る相手もできないままに孤立した。

 俺はそれが嫌だ。自分に理由がないのに無視をしているから、じゃない。嫌いになれない理由があるのに流されていることが、たまらなかった。

 歓迎もしないで行われた最初の授業。内駒さんが天使の気遣いをすげなく断った後、内駒さんは盗み見たのであろう教科書のタイトルを検索して、俺が持っているのと同じ教科書の、天使が開いていた同じページを見ていたのだ。

 内駒さんは、教科書を本としては持っていなかったが、携帯で読むことができたのだ。

 後ろの席にいた俺にしかわからない。きっと、俺以外の誰も気付いていない事実。そして、内駒さんが先生に反論しなかったから、永久的に明かされない真実。

 勿論勝手な憶測かもしれない。それでも、次の日からは本の教科書を重たそうな鞄で持ち歩いていた彼女を、嫌いになれるわけがなかった。

 俺も含め、クラスメイトは内駒さんへの距離を測りかねていた。

 どうしたらいいかわからず、誰も握っていない今の指針の変え方もわからない。

 不器用だ。

 そしてそれは、きっと目の前の女子もそうなのだ。

 内心では距離を測りかねている。内駒さんにとっては外国に来たようなものなのだろう。ホームじゃなくてアウェイ。軍団じゃなくて個人。

 勝手がわからず、身動きもとれないままに、あの教室で過ごしている。



「何か用」

 ずっと考え込んでいたら、さっきと同じ平坦な声が飛んでくる。それでも、ぶっきらぼうな喋りだと思う。もっと、こう、なんだろ。どうにかしろって。

「内駒さんこそ、何してんの?」

「宝石見てたの」

「お嬢様かよ。・・・・・って、本当にお嬢様なんだっけ」

「そんなんじゃない」

「ふーん・・・・・・」

「うん・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 話の接ぎ穂が見つからないってこういうことか! 状況がわかっても打開策なんてない。天気の話するか? でも車の中は寝てたからわかんねえんだよな。たぶん曇天だ。内駒さんはどんな話題が好きなんだろ。宝石店から出てきたし、宝石が好きなのか、やっぱり。でもルビーとサファイアとエメラルドくらいしかわからないぞ。後、ダイヤモンドとパール。

「似合いそうだな、宝石」

 冗談のつもりで言った。宝石なんて中学生がつけるもんじゃないから。でも内駒さんにとっては違ったらしく、

「そんなことない。クラスの子、横山さんとか似合いそう」

「いやいや、中学生が宝石つけるわけないだろ」

「・・・・・・こっちじゃ付けないの?」

 内駒さんは否定することもしないで、首を傾げた。

「いや、当たり前だろ。宝石身に着けた中学生なんて見たこと・・・・・・あるのか?」

 こくりと首を振る。ひえー。外国に来たっていう喩えは、内駒さんにとっては間違えじゃないのかもしれない。

「住む世界が違うんだな」

 口に出したそんな他愛無い感想に、内駒さんは一瞬びくついて体を強張らせた。

そしてデパート内の通路の真ん中で、

「え?! ちょ、何で泣いて、え・・・・・・」

 なんでいきなり泣いてんの。

 声を上げずにそれでもしっかり頬は濡れ始め、何度も同じ道を水滴が通っては落ちていく。

 なんで泣いたのかさっぱりわからない。わからない俺に説明もなしに状況は進む。

 何事かと次第に集まった周りの目は内駒さんと俺をセットで見て、同情と軽蔑の視線を向けてきた。

 とりあえずここにいたらまずい。

 社会的地位の危険を察知して、俺は泣き止まない内駒さんを引っ張って本屋とは反対にむかう。

「あ」

「・・・・・・」

 けれどもう遅かった。

 奇異の視線が群れを成して見送ってくる中、唯一人、見知った顔のそいつは悲しい目をしていた。

俺は天使の横を通り抜け、逃げ込むようにして階段の踊り場まで内駒さんを連れて来た。

飛び込んできた俺らに驚いたように埃が飛んで、息せき切った逃走と合わさってむせる。ケチって形だけの照明だけが薄暗く俯瞰してくる。

 スカートなのも気にせずに内駒さんは隅に座り込んで肩を震わせ、俺は俺でさっきの場面を天使に見られたことを悔やんでいた。

 失望の眼差し。

 きっと意味は、「遠山君って女の子を泣かす人だったんだ。最低」ってところだろう。

 いくら人が少なくて狭いコミュニティの中でも、そりが合わなくて嫌い合うことぐらいある。

 けれど、相手が天使なのは手痛い。

 手を皿にして顔を隠す内駒さんの行儀悪く溢れる涙が、通りがかった人の足を早くしていた。

 天使に関われば、本人の意志なんて関係なく間接的でさえ内駒さんのような境遇になる。天使に嫌われればどうなるのかなんて、考えるだけで恐ろしい。少なくとも今後の中学生活は文字通りお先真っ暗だろう。高校だってどうせ地元に進学するのだ。もしかしたら彼女どころか友達さえできない生活に・・・・・・。

「――となると」

 俺は内駒さんを見る。踊り場の隅っこで体育座りをした垢抜けお嬢様は、何が原因なのかわからないが、未だに泣き止まない。放っておけば泣き止むだろうが、それだと問題は何一つ解決しない。

 俺の問題を解決する方法はある。

 俺と内駒さんが仲良くしているところを天使に見せればいいのだ。しかしそのための前提として、俺と内駒さんの仲が良くなければいけない。上辺だけの協力を求めたところで、行き着けの店の前で涙を流すはめになったのだ、俺のために手を貸してくれるとは思えない。

 つまり。

 今この場で、少なくとも学校がある月曜日までに親しくならなければいけないのだ。

 幸いなことに、内駒さんは俺のことを嫌いかもしれないが、俺は彼女が嫌いではない。

 見たことないけれど、携帯のバイブっていうのはあんな感じなのだろうか。

 そう思いながら隅の内駒さんに近づく。泣き止んでくれと思いながら手を伸ばす。

 泣いているときにやられたいことなんて見当もつかない。子どもの頃の記憶を遡っても、頭を撫でられるなんて保育園が最後だ! しかもあの時は、喧嘩両成敗と叩いて泣かした張本人の保母さんに撫でられてすごい鬱陶しく感じた気がする。

 見下ろした先には、その頃の俺のような目があった。

「・・・・・・なに」

「いや、泣き止ませようと」

「・・・・・・これがこっちじゃ普通なの?」

 こっち? こっちってなんだ。

「ああ、普通だ」

「・・・・・・そう」

 それきり黙りこんでしまう。サラサラとした髪の質感に正直どぎまぎしながらオンナノコの頭を撫でていると、ピンポンパンポンと鉄琴の音がハードメタルを遮って届いた。

『迷子の遠山和太君。迷子の遠山和太君。お母様がお待ちしております。至急、一階のサービスセンターまでお越しくださいませ。』

「母ちゃんめ!」

 流れてきたのは俺を呼び出すアナウンスだった。天使だけじゃなくて他のクラスメイトも来ているかもしれないのに。てか目の前に内駒がいるし! なんでこう母ちゃんって存在はいつも!

 今すぐにでも迷子センターに乗り込んでやりたがったが、いきなり怒鳴った俺をほうける顔をして見ている内駒を見捨ててはいけなかった。けれど行かなければ心配するかもしれない。二回目のアナウンスなんてされたくないしな。

「わるい内駒。すぐに戻ってくるからここで待っててくれないか。頼む」

「別にいいのに」

「いいって?」

「戻ってこなくても」

 内駒は無表情に鼻をすする、言葉の真意はわからなかった。けれど、答えは決まっている。

「それは駄目だ。必ず戻ってくる」

 俺の安息のためにも。わかったと顔を伏せた内駒にお礼だけ告げて、階段を駆け下りた。




 サービスセンターのお姉さんを談笑というスキルで困らせていた母親に、「先に帰っていい」とだけ伝えて、人にぶつからないようにでも駆け足で戻る。 

 俺はその間に、『走れメロス』を思い出していた。国語の教科書に載っていたそれを初めて読んだとき、友達を助けるというわかりやすい構図を格好いいと感心していた。が、こうして誰かを助けるために走ってみると、なるほど大体自己保身しか考えていなかった。そうすると、あの物語で一番の暴虐無慈悲はメロスなのかもしれない。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 まあなんにせよ、目の前にいる内駒は今のところまだ友達ではないしな。顔を洗ったのかもしれない、少しだけスッキリした顔の内駒は、踊り場の隅で立っていた。

 俺は内心でこっそりと安堵する。実はスカートで座られていると、角度によってはちらちら見えたりしていたのだ。これ以上、問題の種を蒔きたくはない。

 俺は汗だくで、内駒も涙の跡が残っていて、どっちが口を先に開くのかと膠着状態。

 俺が謝ろうとも思ったが、何で悪いのかがわからなかった。俺との会話中に泣き出したし、俺が傷つけてしまったんだと思う。

 でも、それにしては俺への怒りが少ない気もする。

 人気のない場所にまでそんなやつに手を引かれて文句も言わない。待っていてくれと言ったら逃げずに 待っていてくれる。そんなの嫌いなやつに対する態度じゃないだろ。

 あまりにも、純朴。

 なあなあに仲直りして名簿上だけのクラスメイトの関係を保ってしまうのは嫌だった。

 所在なさげに、でも時たま口を開閉させる内駒に近づく。訊くことは決まった。

「内駒、何で泣いたのか教えてくれ。俺が悪かったなら謝る。けど、何でお前が泣いたのかわかんないからおし」

 教えてくれ、という言葉の前に、内駒が滑り込みで入ってくる。

「私のこと、どう思う」

「・・・・・・かわい・・・、あー、美人」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 なんだよ。リアクション取れよ。取ってください。

「そ、ういうのじゃなくて、グループてき、なこと」

 お前まだ友達いないだろ

 とは言わなかった。今なら殴られれば済むぐらいの溝も、それを言ったら刺されても文句を言えなくなる。それに社交性に難があるのはきっと俺もクラスメイトたちも同じだから。だからその一言を呑み込む。思案している素振りもばれそうだったので誤魔化すようにつなぐ。

「グループって例えばどんなの」

「私についてのイメージとか」

 なるほど? じゃあ内駒について思いつくことを挙げればいいのか。

「都会っ子。携帯なんて持ってる中学生なんて見たことないし、髪の毛もじいちゃんの白髪以外じゃ黒以外見たことない。ああなんか違うなって思・・・・・・って泣くなよ」

 ずるずると崩れ落ちて膝を抱え込む内駒。そうとうに打たれ弱いのか、それともトラウマを作ってしまったのか。後者である捨てきれない可能性が罪悪感となって襲ってくる。俺まで泣くわけにもいかないけど。

 けれど、今のではっきりした。

 内駒がクラスメイトの前で声もあげずに泣き出す理由。

 それはやっぱり、俺が彼女に抱いた最初の感想で、転校生である内駒さんを除いたクラスの代表的な発言だった。

 何もかもが違う。

 あれやこれと指折り数えればあげられる小さな差異は、それでも常識や観点の違いを浮き彫りにする。それは転校生というステータスによるものもあったし、育ってきた環境の違いでもあった。

 でもそれが、クラス内での無視へと繋がったのだ。だから内駒さんにしてみれば、その言葉は「相容れない」と変換されるわけだ。

俺がどうしたもんか悩む間に、内駒は自分で立ち直り、変色するほど濡らした袖を足とお腹の間に隠す。

「じゃあ、私のこと嫌い?」

「・・・・・・」

 たっぷりとした間を取る。いや、取らざるを得なかった。

 それは恋愛とかを勘違いしたわけじゃなかった。真剣味を帯びて向けられる視線が、必死に力を込めて肌をつねる細い指先が、化粧と一緒に流れ落ちた仮面が、俺に嘘をつくことを許してくれない。

「嫌いじゃない」

「じゃあ、じゃあなんで・・・・・・なんで無視するの」

 搾り出した答えはそのまま彼女へ硫酸のように降りかかる。爛れていく肌を手放してでも、最後の意地として頑なに言葉を紡ぐ。

「私が都会育ちだから。私の家がお金持ちだから。私がここの決まりを知らないから。私の家は畑を持っていないから。どうやってゴミを出せばいいのか知らないから。私が自転車に乗らないから。私の服が違うから。私は髪の色が違うから。私がお化粧するから。だから無視するの?」

 えづきながら吐露される言葉は誰も守らない。お互いの間を渦巻く差異は取り除けない、彼女の内側を刺すだけの針。立ちすくむだけの俺に怨嗟のこもった顔を向けて、涙を拭う力さえなくなって肩を抱く。


「私が嫌いだから無視するんだ」


 それは、

「違う!」

「・・・・・・っ」

 俺は大声で叫んでいた。

「きまりとか服とか髪の毛とか化粧なんて関係ない。全然関係ない」

 それはもっと、単純で、簡潔なものなんだ。

「じゃ、じゃあなんで!」

「ただお前が無愛想なだけなんだよ! 天使に教科書見せてもらうときには断るし、その後だって、天使に頼めばよかったのに」

「そんなの一度断っておいて、また頼めるわけないでしょ!」

「そんなプライド知るか。掃除のときだって、居なくなったじゃねえか。協調性がないんだよ」

「雑巾が必要だなんて知らなかったんだもん。だから取りに帰ってたらもう誰も居なかった!」

 そうだったのか。でもその事実を知ったからって、吐き出される熱は消えない。

「みんなだって帰っちゃうし!」

「当たり前だ! 教室に一時間待っても帰ってこないやつを待てるわけないだろ」

「私が知らないことばかり、わかんないことばかりずるい! ずるい! ずるいよぉ~」

「あ・・・・・・」


「仲良くする方法なんてわかんないよ!」


 汚れたビルの階段は上も下も突き抜けていて、ともすれば、反響するほどの大声を聞いた人が様子を見にくるかもしれないと心配する俺のことさえも気にせず、内駒はぼろぼろになって泣く。

 ストッパーが外れて声を出して泣く内駒を見て、頭の中で訂正を加える。

 この不器用め。

 ああ、もう。と思いながらもう一度頭を撫でてみようとして簡単にはねのけられる。

「さわんな~! 女子の髪に気軽にさわんな~!」

 と、わんわん泣きじゃくるので、持たされていたハンカチを渡して、それで鼻をかまれても文句も言わず、俺は内駒の傍に座っていた。




 アナウンスで内駒の名前が呼び出されないけれど、こいつはどうやってここに来たんだろう。さっき自転車に乗らないみたいな話をしていたけれど、もしかして自転車乗れないのか? どこに行くにしても自転車を使っている身としては不便だし、そもそも乗れなければ遠出ができない。それにしたって、デパートまで自転車で来るのは骨が折れる作業だけど。やっぱり親の車だろうか。でももう結構時間経ってるよな。どうだろう。ずっと階段にいるから時間がわからないし。

「あ」

「・・・・・・」

「いや、なんでもない」

 頭を包むように抱えている彼女の腕には、ピンク色のバンドをした腕時計がはめられていた。隣に座っている俺は覗き見ようとしたけど、小さなアナログ盤は光の加減でよく見えなかった。

 それに、大分落ち着いたけれども、まだ睨みを効かせているせいで、どこへゆくことも出来ない。別に、逃げる気なんて毛頭ないが。

「なあ、内駒」

「なに・・・・・・?」

「うっちー。うちまん。まいまい。ごまごま。ないごま。・・・・・・あたりがあだ名としては優秀そうなんだけども、どう思う」

「・・・・・・」

「俺としてはうちまんって結構語呂がいい気がするんだよな」

 というより、他が大体著作権的にアウト。

「なんでそんなもの・・・・・・」

「あったほうが呼ばれるときに便利だろ」

 浸透するかはともかく。あだ名があれば、気さくに呼んでもらえることもあるだろう。

「・・・・・・」

 返事もせずに黙るなや。本当に呼ぶぞうちまん。

 ぐっとこらえる。とにかく、声に涙が混じっているかは調べられた。喉がかすれたような声だったが、それでも十二分に女の子らしい声だった。

「なあ」

「・・・・・・」

「うちまん」

「・・・・・・せめて、まいまい、がいい」

 それはハードルが高い、と思ったが口にはしない。

「クラスメイトと仲良くなりたいか?」

「当たり前でしょ」

「みんなのこと嫌いじゃないか? お前を・・・・・・無視したヤツとかも」

 今更あれが無視じゃないなんて自分に嘘は吐けない。吐きたくない。

 その中には俺も含まれていたが、うちご・・・・・・まいまいは、俺の顔を、化粧が落ちてすっぴんになったのに汚れがない、真っ黒に光った目で見ていた。

「嫌いになるほど話せてない!」

 癇癪を起こした子どもみたいな怒声に、ついつい顔がにやける。

 いつの間にか踊り場に照明がつく。

 彼女の言ったことは正しい、と俺は思った。

 疎外して仲良くなることさえできなかったのだ。だからこそ、互いに互いを知らないままでいる。

 だから、やり直すために、せめてもの償いに、一緒に歩みだせるように俺が橋を架けよう。

「わかった。いい方法がある」

「どんな?」

「その前にひとつ・・・・・・ごめんなさい」

 頭を下げた俺を、少しだけ間を空けながら見つめる。

「いいよ」

 それはスッキリとした声だった。

「ありがとう。それじゃあ、許してくれたお礼に、いい方法を教えてやる。それはな・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・そんなことでいいの」

「ああ、大丈夫。俺も手伝うから」

「・・・・・・わかった」




 日曜を挟んで月曜日の朝。

 いつもより早起きをして、早めに学校に着く。刻々と消えていく朝もやを潜り抜けた先の教室には誰もいない。

「おはよう遠山君」

 と思ったら天使が黒板の掃除をしていた。ぬかった! 今日は天使の日直か。よりにもよって・・・・・・。

だが待てよ。これはチャンスじゃないのか? 天使に土曜日のことを話せば、今日の作戦を優位に運べるかもしれない。天使が日直なのは、神様のお恵みだぜ!

「おはよう。なあ実は」

 善は急げと話しかけた俺に、でも天使の顔は朝飯を食べないまま学校に来たみたいに不調そうだった。

 元気を置いてきたみたいな表情のまま、天使は黒板消しを乱雑に置いた。

「一昨日のことは、誰にも言わないから。うん、ほんと」

「一昨日?」

「・・・・・・デパートで、私見てたから」

「・・・・・・あ!」

 そういえばそうだった。都合よく自分の頼みを押し付けようとしていたが、目下一番の注意人物だった。そもそも、天使への釈明としてまいまいと仲良くなったのだった。

「それについてもだけど、ちょっと話あるから、いいか?」

俺は他の人が来ないように天使を校舎の裏まで連れて来た(ひと悶着あったが、天使ほどに優しい性格の持ち主に叫ばれた描写はしたくない)。

土曜日に起こったことのあらましを話すと、

「なるほど。つまり内駒さん・・・・・・まいまいに友達を作ってあげたいのね」

「ああ。手伝ってくれるか」

「うん勿論よ。同じ学級委員のよしみだしね・・・・・・それにしてもよかった」

「そうだな。天・・・・・・お前は、まいまいのこと気にかけてたもんな」

「? それもだけどね」

 そこで彼女は俺から一歩飛び去って、校舎の影が切れた場所で足を揃えた。

 溢れ出てくる朝陽の欠片が、その小さな体の輪郭を明瞭にさせる。

「遠山君が、女の子を泣かすような人じゃなくてよかった・・・・・・なんてね、じゃ教室でね」

 朝の光を浴びて走り去る横山さんは、天使なんて空想より遥かに尊い、普通の女の子だった。


 暖まった体を冷ましてから教室へ戻る。既にまいまいは席に着いていて、きょろきょろと居場所なく見回していた視線が俺とかち合った。

 見るからに不安そうな顔は、デパートで遭ったときの強気な顔とは似ても似つかず、なんだか笑いがこみ上げてくる。

 俺は後ろ手で自分の尻を叩いた。歩いた先の彼女に、にこやか笑顔を浮かべてこう言った。

「よっす、まいまい。漫画貸してくれてありがとな」

 教室の空気が一瞬にして変わる。引力で起きる引き潮のように、音が消えていくみたいだった。

「いやー、まいまいは優しいなあ。この間デパートで会ったら、前の号の雑誌を貸してくれるだなんて」

 わざとらしい大声と一緒に、自分で買った先週号の雑誌を入れたビニール袋をまいまいに手渡す。

 まいまいは練習した台詞を思い出そうと、瞼をぱちくりする。

「うん。全然、大丈夫だよ。どう、面白かった? 私はグランロデオが好きなんだ」

 緊張で固まった舌を、それでも噛まずに通したことに感動する。

(よくやった)

(うっさい)

 俺の賞賛をふんと鼻を鳴らして一蹴する。こんな意思疎通はお手のものだ。なんせ、この土日を全てまいまいのために費やしたのだから。

 まいまいと俺たちは常識や観点が違う。

 つまるところ、俺たちには共通点がない。話そうにも、どんな話題なら喜ぶのか、ノってくれるのかわからない。それこそ休日に宝石店に入る中学生がどんな話題を好むのかわからない。

 だったら、共通点を自分から作り出してしまえばいい。

 俺はまいまいに漫画を教えた。漫画ならば、少なくとも男子とは話が通じる。俺が女子の好きなものを知らなかっただけなのだが。

 土曜日はあの後、優雅に喫茶店で本を読んでいたまいまいのダンディーな父親に家まで送ってもらい、まいまいも俺の家で降ろしてもらった。多少強引だったが、とにかく時間がないからと言って、まいまいに漫画を読ませた。

 とりわけ、一番人気の漫画を。

「面白いだろ!」

「・・・・・・まあまあ」

 最初はそんな風にそっけなく、本当にこんな方法で大丈夫なのか、と何度も聞いてきたまいまいだったが、

「次の巻貸して・・・・・・なに笑ってるのよ」

 と、のめり込んで見る姿は、俺が知っている誰と遜色もない普通の漫画好きだった。

 そんなこんなで読み終えた漫画を武器に、クラスメイトお近づき作戦を立てた。

「ありがとうまいまい。よかったらまた貸してくれないか」

 俺が渡した先週号の雑誌には、まいまいを感動の渦に巻き込んだ『グランロデオ』がいち早く掲載されている。

 田舎で入手するにはあのデパートまで行かなければいけないお宝だ。

「うん。グランロデオは全巻持っているから、いつでも言ってね」

 これはアピールのつもりで考えていた台詞だったのだが、後から聞くと、日曜の夜に通販で全巻頼んだらしい。お金持ちめ!

「そうだな。じゃあ・・・・・・」

 席に座ったまいまいとグランロデオの話をしていれば、彼女に話しかけられない風潮を破壊でき、まいまいは親しみやすそうだという雰囲気をつくることができる。

 そうすれば、誰かしら話しかけに来てくれるだろう。

「内駒さんって、服のセンスもいいんだよね。この間デパートで見かけたんだけど、流石流石のもんですよ」

 と、誰に言ったのかわからないが、一際大きな横山さんの声が耳に入る。クラス内にいた全員に聞こえるぐらいの大きな声は、ところどころに余波を起こす。

「聞いたか? 内駒ってグランロデオ好きなんだってよ」

「都会人なのに、意外と内駒って趣味がいいのか?」

「そういえば、アンナに似てるよなあの髪型」

 男子にはそういった会話が広げられ、女子は、

「本当なの横山さん?」

「ホントだよ! あれはまるで天使だったね、うん」

「それは鏡でも見たんじゃないの」

「? とにかく、内駒さんはすっごい可愛くて優しい子なんだよ!」

 と無理矢理な軌道修正をされていた。

 クラスで口々にされる話題は、内駒麻衣という存在で持ちきりだった。

 まいまいにとっては予想以上だったのか、教室内と俺とを、見開いた目で何度も見回して、笑いながら軽く目尻に涙を溜めていた。

 それを何故か勿体ないと思って、まいまいを窓の方に向かせてからハンカチを手渡す。まいまいはささっと涙を拭うが、それはぽろぽろととまらない。

 だが、これではまだ足りない。

 クラスの風向きはいい。まいまいを好意的に見ている。けれどまだ受け入れていない。まだ会話の輪に入れていないのだ。

 その最後のステップのためにどうにか行動を起こしたかったが、横山さんはアピールに必死だし、男連中はこちらを伺っているだけで今一つ踏み出してこなかった。

 まいまいに友達をつくるための作戦である以上、クラス内で受容されることは絶対不可欠だ。

 話しかけてくるのをこのまま期待していてもいいが、それがいつになるかわからない。

 出来のいい絵画を破ったような音が、教室の皆の目線を一点に集める。

 集まった先、まいまいはイスから立ち上がっていた。

 ハンカチを机の上に置いて、その垢抜けた茶髪を力の限り流して、教室内で初めて、自分から話しかけた。

「えっと、横山さん。そんな褒めないでよ。恥ずかしいよ」

 初めて見せる照れ笑った表情。

 クラス中の誰もが心を奪われた。

 奪われてしまった。

 クラスの時間は固まって、身動きが取れなくなる。

 話しかけたまいまいと、それに答えないクラスメイト。その構図は嫌っていたもので、誰かが泣き出す原因になると危ぶんだ。

 が、そんな心配をした俺がまるで馬鹿みたいだ。

 まいまいは唇をきつく閉じて我慢をしているのがありありとわかったが、それでも泣くことはしまいと握った手が強い意思を表している。

 こっちを正確に振りむいたその顔には、大丈夫と書いてあった。

 静まった教室の中、一番にフォローに入った横山のおかげで、ぎこちないながらも、まいまいは話の輪に組み込まれようとしていた。

 いつまでもそれを見ていられないので、男子の輪に入ってまいまいの印象を上げにかかる。

「知ってるか?」

「なにが?」

 突然の乱入にきょとんとしていたクラスメイトは、しかしまいまいの話だとあたりをつけて聞く体制に入る。それを崩すように、俺は笑って言ってやった。

「内駒の髪はすっげえサラサラだぞ」

 少しばかり声が大きかったのか、向こうのグループにも聞こえたようで、まいまいが恨みがましく俺を睨みつけていた。

(バカ)


あとがきその1

 年を越す前の一ヶ月くらいを費やした作品です。何度見直して何度改稿したのかわかりません。そのせいで、何が正しくて何が面白くて何を書きたいのか迷っていました。

 そんな感じで三ヶ月放置した後に読み返したら面白かったので投稿。


あとがきその2

 田舎に対する侮蔑や罵倒の気持ちが一切ございませんことをここに表記します。ちな埼玉は都会。

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