第17話 「異常」
17話です。感想などありましたらお願いします。
「ピーピーピー」
カグたちがいる観測室に警報ブザーが鳴り響いていた。
「何かあったのか!??」
リョウが慌てて周りのモニターを見た。
「何か設備に問題があったのかしら?」
「レナ、ボタン押したのか?」
カグが心配そうに言った。
実は、素粒子を一回衝突させるのに日本円で100万円はかかる。なので、何があっても絶対に失敗は許されないのだ。
「いや、押していないわよ。危なかったけどね…」
「お~、さすがレナ。俺だったら間違いなく押してたな。反射神経鈍いし…」
「いや、反射神経は関係ないんじゃない?多分…」
すると、カグとレナが話している間にリョウが何かを見つけた。
「これを見ろ!」
リョウは、施設の状態が映し出されているモニターを指差した。その中の「Cooling water(冷却水)」という項目が赤字で強調されていた。
「おい、20Lも少なくなっているぞ!?」
「…え?冷却水がそんなに減ることってあるの??」
「どこかで亀裂が入っているんだな…。けど20Lは多すぎるぞ」
リョウは信じられないという口調で言った。
この施設で使われているパイプは特殊な機能がある。それは、パイプに亀裂が入ったら、パイプの素材に含まれているジェル状の物質が染み出て固まり、亀裂を自分で治してしまうのだ。この機能のおかげで、亀裂が入っても10秒程で塞がり、パイプの中の液体は5Lも漏れることはないのだ。しかし、今回は20Lも漏れ出していたため、リョウは何かがあると感じていたのだ。
「とにかく、ここの管理者に連絡しよう。一応僕らも異常が無いか調べるか」
しばらくして、3人は監視カメラなどを使って施設の冷却パイプを調べ始めた。冷却水とは、STECの地下に作られたトンネルの中のパイプ(厳密に言うとそのパイプの中の粒子加速器)の発熱を防ぐもので、長さ200km以上もある冷却パイプの中を秒速30mもの速さで流れている。
数時間後。
「はぁ~疲れた…」
カグはモニターの前で大きなため息をついた。異常が見つかるかどうかわからない中で、膨大な監視カメラの映像を調べるのはとても辛いことなのだ。
それからさらに数時間後。
「あったわ!」
レナが声をあげた。レナが見ているモニターには大きな水溜りが映っていた。
「どこで?」
「えっと…ここから1km先にあるところだね…」
「あれ?ということは、二手に分かれて目視で調べたほうが早かったんじゃないか!?」
「みたいですな…時間がだいぶ無駄になったな…」
それから3人は、徒歩で異常があった現場に行った。
そして30分後。
「うわ!」
「まさかこんなに漏れているとは…」
「どこから漏れたのかしら…」
3人は、異常が見つかった現場についた。そこには想像以上に大きな水溜りがあった。




