少女が一人
20××年 ○月□日 午前3時頃―――――――
俺、鈴木瑞人は今日も快適な日を過ごす予定であった。
しかし、そんな快適な日とは程遠い地獄の日々が今日から始まったのであった。
「・・・はよ。母さん飯は?」
俺はトイレに行くついでにドリンクでも飲もうかと思いリビングに立ち寄った。
寝不足のために俺は超が付くほどのボケをしてしまった。
((まだ3時というのに朝飯があるか、ボケ。))そう心の中で思いつつ冷蔵庫にあったコーラを手に取る。すると、どこからか笑い声が聞こえた。
「・・・誰だよ。まさか幽霊?死んだじいちゃん?」
俺がそういうと笑い声は一層声が大きくなった。
「んだよ、人が真面目に話してるっつーのによ。」
俺はドアのすぐ近くにある電気のスイッチを入れると、ソファに寝転がって笑っている少女がいた。
年齢的には・・・高校?くらい。
「うわっ!!誰だよお前!」
先程まで俺を襲っていた眠気はさめ、おどろきが俺を襲う。
「え、私?えーどしっよかなー」
生意気な態度をとった少女は俺の何かのスイッチを入れた。
「勝手に俺んち入ってきてなんだよ!泥棒か?」
俺があたふたしていると少女は俺を見てクスッと笑いこう話した。
「勝手にじゃないよ?お父さんにいれてもらったんだから!あと、泥棒でもないし。何言ってんのー?おにいさーん」
少女の「おにいさん」はわざとらしく、まだ笑っている。
「じゃあ、なんなんだよ、お前は。」
「特別に話してあげるね☆えっとねー、今日からお兄さんの妹になる、鈴木音優だよ!よろしくね!お兄ちゃん♪」
音優がそう言った数10秒後俺は
「はあああああ!!!?!!!?????」
と叫んだ。
「なんだよ、それ!!!俺聞いてねーぞっ!?」
「知らないよ、私だって。お父さんがおととい決めたんだもーん」
「あらあら、もう仲良しになったのね?」
俺の聞きなれた声が廊下から聞こえた。
「か、母さん!なんだよ、これ!」
俺がそう聞くと母さんは
「母さんね再婚するのよ、もう父さんいなくなって3年になるでしょ?もう新しい恋をしてもいいんじゃないかって、お父さんが夢の中で言ってたのよ。だからね?音優ちゃんのお父さんと結婚することにしたのよ~。いいでしょ?瑞人。」
母さんがウキウキしているのを隠さずに楽しそうに喋る。
「そーいうことだから、私が来たくてきたんじゃないの、わかる?」
「・・・・え。」
「あとね、母さんね、音優ちゃんのお父さんの働くフランスについていく事にしたのよ。そういう事だから音優ちゃんと一緒に暮らしといてくれるかしら?いいよね、瑞人。頼りにしてるわ♪」
俺の承認も得ずに決定したことらしい。
「つまり、俺に人権はねーってことか・・・・」
そう呟くと、音優は
「お母さん、そこまで言ってないじゃん、バカ?」
「うっせーな」
こうして俺の地獄の日々はこの日から続くのであった。