旅立ち
俺はあの忌々しい死の宣告から1週間ほど経って、
ソコソコ自分のステータスとサポートスキルの
索敵スキルと隠蔽スキルを上げてから、あの街を旅立った…。
「レベルも中ほどくらいはあると思うし、金やアイテムと装備も初期よりはマシなくらいは揃えたし、大丈夫だろう」
俺は街の郊外の森を進むうちに、
目の前に4、5人くらいのパーティが居ることに気付き、声をかけようとしたが、
「あの、みなさ「シッ!隠れて!」
背後から出現した十代の女性の人影によって、二人とも茂みに隠れた。
状況が分からずにオドオドしていたら、
いきなりその女性に汚物を見るような視線で指摘された。
「君ってプレイヤータグの色の意味分かってる?」
「え?俺的にはレベルの階級が関係してるんじゃないかと思ってるんだが、違うか?」
「君って天然?それともバカ?」
「じゃ、じゃあ何だって言うんだよ!」
「ハァ~、あれはねプレイヤーの犯罪歴を表しているんだよ。緑は普通のいわゆる凡人。オレンジは他プレイヤーに危害を加えた人のこと、赤は………他プレイヤーを殺したことのある人のこと」
「!?」
「悲しいよね、ゲームオーバーになったら本当に死んじゃうって時に、団結するより殺し合うなんてさ」
「なんでそんなことするヤツがいるんだよ!」
「たぶん、人を殺めるのに快感を憶える人とあとは人を殺してドロップアイテムを奪う
ような人が居るからだと思うよ」
「じゃあ、ここは迂回して次の街へ向かうべきか…」
「あ、あのさ。良かったら一緒に次の街まで行かない?私、これでもレベルはソコソコ上げてるほうだから」
「マジか!じゃあ、俺たちこれからパーティだな。俺はケイトって言って片手直剣使いだ」
「ケイト…。あ、私はハルナ。私も片手直剣使いよ」
「ハルナか。宜しくな!」
「こちらこそ」
それから俺たちは二人で次の街まで行動を共にした。