~第5話~
「ただいま。」
「お帰りなさい。今日は塾はないみたいだから早く宿題すましときなさいね。」
「言われなくてもそのつもりだよ。」
僕は靴を脱ぎ、階段を上った。
「おかえりなさ~いっ!お兄ちゃん、塾休みでしょ?魅那と遊ぼ!」
「朝遊んだじゃないか。僕は忙しいんだよ。」
けちぃ~と、魅那は言いながら自分の部屋に入っていった。
さて、宿題するか。
ドアを開けて、部屋の中に入る。
鞄を棚の上に置き、椅子に座って宿題をはじめた。
思ったけど、この学校って不思議だなぁ~。
初日から6時間あるし、宿題とか出されるしなぁ~。
ま、いいけど。
トントン
「お兄ちゃ~ん、あ~そび~ましょ~。」
「ん?あ、魅那か。ちょうど宿題終わったし、良いよ。」
ガチャ
「何する?」
「朝の続きしよ!」
う、うん。出来れば別のがいい、、、
「ご飯よ~。」
「後で遊ぼうな。」
「…はぁい。」
魅那は不満そうに呟いた。
階段を下りて、椅子に座った。
テーブルにはカレーライスが3つ湯気を上げていた。
「お、うまそう!」
カレーは僕の大好物!
ウヘヘ…アハハ…
「おかーさん、お兄ーちゃんがニヤニヤしてて気持ち悪い。」
「魅那、仕方がないのよ。お兄ちゃんは変な人だから。」
「おいっ!悪口言うな!」
「え~だって、ね~。」
「ね~じゃねぇよ。それより早く食べようよ。」
「では、」
「「「いただきま~す!!」」」
カレーを口へ運ぶ。
やっぱ美味だ~!
すばらしい!僕はインドの人をすごくすごく尊敬するぞ!!
ガツガツガツ
「ごちそうさまでした~!!」
「兄ちゃん食べるの早っ!」
フフフ…このくらい、カレーの時は普通さ。
「ではお先に上がります。」
しばらく一人で遊べるぜ! イエェェェイッ!!
さて何をしよう。
・・・何しようかなぁ~。
ガチャ
「お兄~ちゃん、遊ぼ。」
あ、ああ、、、
結局何もしてない。
何かすれば良かった。 ゲームとかゲームとかゲームとか…!!
「プルルルル、プルルルル。ルルちゃん居る?」
「ただいま某コンピューターにより現実逃避をしているため、電話に出ることが出来ません。ファックスの場合はそのまま送信してください。電話の場合はピーッと音が鳴ったらご用件とメッセージをお申し付け下さい。」
バコッ
「兄ちゃん、ふざけてるの?」
「うん」『バコッ』「ゴフゥ、、、」
「ちゃんとやろうよ。」
「いや、魅那。暴力で解決するのは良くないな。そんな子に育ったならお兄ちゃん、悲しいよ。それに、ちゃんとしようって言うなら、魅那はちゃんと宿題しようね~。」
「な、何故それを兄ちゃんがッ!!」
「フフフ…お兄ちゃんは何でも知ってるんだぞ。」
「それは嘘だよ。」
嘘じゃないさ。ホントに何でも知ってるんだよ。
カレーがどんなにおいしいか。
ゲームがどんなに面白いか…!
「それは違うと思うけどなぁ~。」
「僕は泣かないぞ!魅那!早く宿題をするんだ!」
「え~ヤダ~。」
「文句を言うな!」
魅那を無理矢理部屋から追い出し、代わりに魅那の部屋に押し込んだ。
中から文句が聞こえるけど、気にしない、気にしない。
さ、ゲームでもするか。