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第5話 有言実行

目の前で宇宙が何やら…


会社で人にバカにされた事を一生懸命、


早口でまくしたてるように話している。




凛子は…こないだ宇宙が、来年は飛躍するぞー!!


って言ってた言葉を思い出していた。




一体?なにをチャレンジしようと思っているんだろ?




そんな事を思っていると…


宇宙から…凛ちゃん…


僕の話をちゃんと聞いてくれている?と言われてしまった。




凛子がひとり考えにふけていて、


返答をしていなかったので、ちっと怒っている様子…。





凛子は宇宙があんまり早口過ぎて、


怒っている事だけは分かる感じで、


細かい内容は所々だけ理解できた感じだった。




ねぇ〜僕の話を聞いてどう思う?と聞かれた。




凛子は辛かったよね…。


宇宙は自分のペースで、やったらいいと思うよ。


って…無難な返答をサラッとした。




すると宇宙はどこにスイッチが入ったのか?分からないが…




見てて〜僕が口だけでない!!やるときゃやる男だ!!


って所を見せるよ!!と


急に熱血めいた宇宙になったのだった。





うん!がんばって〜と凛子は応援の言葉を伝えた。





ある時…宇宙がいきなり…


『はだか祭り』に参加するから…と


言い出した…。




宇宙はかなりキャシャな体なのに…


そんな激しいはだか祭りに大けがをするかも知れない、


かなり危険な事にチャレンジするとは想像もしていなかった。




確かに普段…僕はトリッキーな所が、


あるからねーとは言っては居たが…


まさか?こんなに体を張るようなイベントに、


出場するなんて、凛子はかなり驚いてしまった。




でもやっぱ宇宙って面白い男だわ!!


と益々〜魅了されたのだった。




10日後…宇宙から電話が掛かってきて…


『はだか祭り』の話を一部始終…。


興奮冷めあらず状態で話してくれた。




凛子は聞いていて…想像以上の内容に…


寒気もした…が、


あぁ〜無事に帰ってきてくれて良かったと思った。




何十人か…救急車に、運ばれたりも…したみたい。


途中…宇宙も転げ落ちたらしい…。




でもそれをやり遂げた宇宙は、


とっても得意げで、今までよりも


一回りも二回りもたくましくなれたように、


感じたのだった。




凛子も以前よりも有言実行の人間だと、


リスペクト出来たのはある。




何やら…勢いづいたのか?


次は…介護福祉士の資格を目指す!!


と言い始めたのだった。




本気で目指したいのでナカナカ、


lineも、会うのも難しくなると思うと宇宙に言われた。


でも、凛子も本気で応援したかったので、


うん!わかったがんばってね〜っとエールを送って、


またね〜と言って電話を切った。




それから3ヶ月が過ぎた…宇宙から久しぶりに会わないか…


とlineが来たので、凛子は楽しみで会いに行った。




宇宙はこの3ヶ月間の資格取得に向けて、


必死に取り組んで来た話しを沢山してくれた。


いっぱい書き綴っているノートも見せてくれた。




凄いねぇ。偉いね〜。頑張ってるねぇ〜。


凛子は宇宙のことをいっぱい褒めてあげた。





まだまだここからが本番だから!!頑張るよ!!


どうやら合格率は70%らしい。


国家試験なので…かなり難しそう…。





それから半年後…宇宙は見事!!


介護福祉士に合格したのだ。




凛子は宇宙におめでとう!!素敵〜って、


熱いハグをして、喜びを分かち合ったのだった。




すると…宇宙は次は!!


ケアマネジャーの資格を取得する!!と宣言してきた。




ケアマネジャーの合格率は20%以下と聞いた事がある。





宇宙ってめちゃくちゃ物凄い人間なのかも〜っと…


凛子はひとり高揚していた。




これが去年…飛躍するぞー!!だったのかぁ…


ほんと、想像以上だわ。





宇宙は凛ちゃんに、


ケアマネジャーの資格を目指すよ〜って


言ったものの…20%を切る合格率を考えると…


反面…無理かもなぁ…って


自分もなきにしもあらずだったのだ。




でも今の僕ならやれる!!なんの根拠も無かったが、


そう信じたい自分が居た。




流石にケアマネジャーはペーパーテストに、


合格するだけではなく、


実務研修も受けなければならなかった…。




少し遠くに講習会に何度も宇宙は足を運んだ…


仕事を終えた後に、


急いで電車に乗って通い続ける日々は、


想像以上に過酷だった。




だが…やると決めた以上、最善を尽くしたい!!


と宇宙は思っていた。




凛ちゃんは時々…手作りのクッキーを作ってくれて、


これ…電車の中で食べてね〜ってくれたりしていた…。


凛ちゃんに支えられながら…


なんとか宇宙は全力投球したのだ。





その甲斐があったのか…見事…一発合格した。





凛子は宇宙の有言実行の凄さに感動しまくった。


宇宙〜凄いよ!!かっこいい〜!!


いつもよりも感嘆符が爆裂な凛子だった。




宇宙は2年連続で、合格率がかなり低い、


高度な資格を2つも取得したのだ。


宇宙自身…物凄い自信となった。




だが…世の中と言うのは…


宇宙が難しい資格を2つも取得した事を、


喜べないどころか?嫌がらせをしたりして、


妬む人間もまた…現れるのだ…。




宇宙はせっかくこんなに頑張って、


資格を取得したのに…


その事で…自分自身が職場でいじめられたり…


人間関係の苦悩に悩まされる事に、


なっていることが耐えられなくて…


苦痛の日々を送っていた。





職場を辞めたいと…まで気持ちが追い詰められていた…。




凛子は話を聞いてあげることしか出来ない…もどかしくて…


たまらない気持ちを抱えていた。




宇宙からどんどんあの可愛らしい笑顔が消えてつつある。


なんとかしなきゃ…。


でも…どうやって…。





しかし…そんな宇宙に…もっともっと追い討ちを、


かける出来事が起きようとしていたのだった。

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