表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/333

選択の裏側で


 一方その頃。

 一本の道だけが広がる道路の上を、一台の馬車が通っている。


「――はい。たまたま近くを通りかかったので気付けたのですが……港町ピスカと、その近くにあった小さな村は壊滅……いえ、あれは消滅といったほうがよいのでしょう」


 その馬車の中に乗り込んでいるうちの一人、黒い長髪と白い軍服が美しい一人の少女が、両手に握った灰色の箱に向かって話していた。


『消滅……か』

「えぇ。何一つ残っていませんでした。あれは……獣や災害に襲われた跡ではないでしょう。超法則を持つ第三者の仕業と思われます」

『なるほどね。…君たちは至急、国に戻りなさい』

「無論です。今まさに馬車でそちらに」

『君たちは優秀で助かるよ』

「もったいなきお言葉です」

『それじゃあね。僕もいろいろ動かないと』

「はい。それでは……はい。失礼します」


 黒髪の少女は灰色の箱をゆっくりと床に置く。その少女とは別に、今度は肩まで届く長い茶髪をしている体格の優れた男が声を出す。


「そっちはどうだ?」


 その呼びかけに対し、黒と派手なピンクが目立つセミロングの少女が弱弱しく返す。


「わ、私の超法則をかけてみたんですけど、元々の状態がひどくて……た、たぶん、五感は治っていません」


 その少女の奥で横になっている男は、小さな声でずっと同じことを呟いていた。


「あの男――――――絶対殺したる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ