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詰み
「なんだ、アレは……!?」
クシアから分離するように現れた漆黒の姿の化け物、カースの姿を見てデノスは動揺していた。
「そんな、まさか…まさか、私の超法則が通用しないというのか……?」
「デノス、落ち着いて。……来る」
トアがそう呟くとほぼ同時に、カースが津波のような闇を全方位に向けて放出する。
だが、それだけではトアを突破することはできない。トアは自身とデノスを包むように球体をイメージして空間を歪め、闇の侵入を防ぐ。
「フフフ……アンタの超法則、本当に厄介ね?」
「あなたでは私達を殺せませんよ」
「あら、強がらなくてもいいのよ? 本当は気付いているんでしょう? 自分たちにはもう勝ち目がないことに」