表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/330

悪意


 無数の白い剣が化け物を襲ってから、数秒間の沈黙が流れる。


「…………終わったか」


 白騎士がそう呟いた瞬間だった。

 土埃の先から、槍のように鋭く、蔦のように細長い闇がニ本、白騎士目掛けてとびかかってくる。


「――っ!?」


 白騎士は自身の身に降りかかる危険を即座に察知し、その二本の闇をかわす。

 だが――


『アッハハハハハ、やるわねぇ!? もっと楽しませなさい!』


 一瞬の油断も許さないといわんばかりに、同じような闇が無数に飛んでくる。あるものは的確に白騎士の心臓を狙い、あるものは的外れな方向へと飛んでくる。軌道を予測できるものとできないものを狡猾に織り交ぜてくるそれは、平和な村で用心棒をしていた程度の神官がかわしきれるものではなかった。


 目の前の化け物は心底楽しそうに大きな口を緩ませながら、白騎士の命を絶とうとする。


 だが、彼が身に纏う鎧に触れた闇は、白い剣が敵の体を貫いた時と同じように霧散して消えていく。彼の鎧もまた、超法則『正義』でできていた。邪悪な敵の攻撃など、通すはずもなかった。一方で、白騎士の攻撃は通る。だからこそ、白騎士は果敢に攻撃を続けていた。


 それでも――白騎士は、苦戦を強いられていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ