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『歪み』の制限
「っ……!」
トアの表情が焦りに染まっていく。
「っハハッ、やっぱりな!」
そもそも超法則『歪み』とは、空間上に仮想図形をイメージして、その図形が空間をどのように歪めるかを決定することで効果を発揮することができるというものだ。
例えば目からまっすぐ伸びる円筒をイメージして、その図形部分の空間距離を縮めるように決定することで、円筒の始点と終点の距離を縮めて遠くを見ることが可能になるという理屈だ。
自身を中央にして展開される球体をイメージして、球体の内側と外側の距離を無限に歪めることでどんな攻撃も通さないようにしたり、そう言った図形で敵を覆うことで身動きをとれないようにしたりすることも可能になる。
ただし……この超法則にはいくつかの制限が存在する。
イメージできる図形は極めて単純なものに限られるということ。
一度にイメージできる図形の数に限界があること。
そしてもう一つは――
「ついでに言うとテメェの超法則……俺自身とお前自身には作用しないんだろ?」