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超法則『歪み』
そして、その言葉と同時にクシアの体がドロドロに溶けてなくなっていく。
「な……!?」
トアが初めて動揺したような表情を見せた時、後ろから声が聞こえてきた。
「超法則『歪み』――空間を歪ませることにより、遠いところを見たり、移動したり、敵の動きを封じ込めたりできるみてぇだな? 道理で俺の攻撃が届かねぇワケだ」
トアが慌てて振り返った先には、なにもされませんでしたと言わんばかりにそこに立っているクシアの姿があった。
「バカな、さっきまで動きを封じていたはず!」
さすがのトアも動揺を隠せない。
「それは俺の偽物だ。見てたんなら気づきそうなモノだがな? いやまぁ無理な話か」
「っ……ならどうして、私の超法則を取り込めている!? あなたの心臓には極力触れないように超法則を使ったはず……!」
「分からねぇのか? しょうがねぇな、特別に教えてやるよ」
どこまでも歪な笑みを鉄兜の奥に潜ませながら、言い放つ。
「俺からわざと当たったのさ」




