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厄介な超法則
三本の鋭い闇が容赦なくトアに襲い掛かる。
クシアの闇は超法則を用いらない限り防ぐことはできず、触れたものを破壊して消し去ってしまうことができる。いかに神官といえども、直撃すればタダでは済まされない。
……直撃すれば、の話だが。
「無意味ですよ」
彼女がそう一言放った瞬間、三本の闇が同じ方向へ向かって緩やかなカーブを描きながら曲がっていき、クシアの方へと逆走していく。
「お?」
そしてそれがクシアの体に突き刺さる。もっとも、クシアにあたったところで意味などなく、闇はただクシアの体内に戻っていくだけだったが――
「私に攻撃は当たりません」
――彼女が厄介な超法則を所持しているという事実を把握するには十分すぎた。