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無駄な正義
超法則『手法』による強化には副作用がある――クシアはそのことを、今までの戦いの中で見抜いていた。
「自分に使うのを渋っていたのは、副作用があることを知ってたからだろ?」
ワンダはその言葉に反応するかのように微かに体をビクッとさせたが――
「……あぁ、そうだ!」
――クシアをキッとにらみつけ――
「だから命懸けで、お前を……!」
――こんな状況になってもなお、目の前の邪悪を倒さんといわんばかりに死にかけの姿で吠え掛かる。
「ホント、どこまでもツイてねぇなぁお前ら」
だが、クシアはワンダの言葉を冷ややかに笑いながら遮る。
「最初から逃げてればよかったのによ」