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【手法】
「それは……!」
「お前が用意した『手法』だ」
ワンダはそれを聞いて初めて、自身が何をされたのかを理解する。だが、それはワンダからすればありえないはずのことでもあった。
「バカな! お前に使えるはずが……」
ワンダは全身に走る苦痛を我慢しながらも必死に吠え掛かる。対するクシアはゆっくりと背伸びをしながら返す。
「それが使えちゃうんだな、お前の超法則は取り込み済みだ」
「それこそ、バカな……仮にそうだとしても……お前にその言語が読めるはずが……」
そこまで言った時、初めてワンダの目にクシアの顔が映る。
その表情は――
「俺は言語は知らなくても、既にある手法がどういうものかは分かるんだよ」
――口を横に大きく歪ませてワンダを見下す、どこまでも歪んだ笑顔だった。