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別れと決意
「レディ……」
レディがミンチになって死ぬ瞬間を目の前で見たワンダには、目の前の光景をただ泣きそうな顔で眺めていることしかできなかった。
「クク……ククク……アハハハハ……」
いつの間にか五体満足の姿に戻っていたクシアは、そんなワンダを見て笑い始める。
「アッハハハハハ! いいねぇ、いいねぇその顔! 最高に面白れぇ面してるぜ、義賊サマよォ!! アッハハハハハハハハ!!」
「……は……?」
ワンダには、クシアの反応が信じられなかった。仲間が目の前で死んでどうしようもなく悲しいはずなのに、その悲しみが一気に引いていくのを感じた。そして同時に気付く。
クシアの目的は自分たちと同じように崇高なものではないということ。
そして、クシアという存在は――誰かが倒さなくてはならないのだということを。