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助けと別れ
顔より上の部分を飛ばされたクシアの体が横に倒れる。その後ろにいたのは……
「レディ! 生きていたのか!」
「…あぁ……なんとか……」
クシアの顔を飛ばしたのは、地べたに伏せながらも自身の超法則を発動させたレディだった。
「今のうちに逃げろ……」
「何いってんだ、お前も」
「ダメだ……もうわかってんだろ、俺たちじゃ勝てない……奴がまた復活する前に、早く……」
レディがそこまで言った時だった。
「やってくれたなぁ?」
クシアのその声と同時に、レディの真上に闇で出来た無数の槍が出現する。
「っ……待て……!」
これから起こることを理解したワンダは、うまく動かないからだを必死に動かすが、両腕を切り落とされたからか上手く立つことが出来ない。
「止めろぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」
大声でそう叫んだが……無意味だった。
「ワンダ……逃げろ」
レディのその言葉の直後、無数の槍が一直線に降りかかり――レディの体をミンチにする。