表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/333

機転


「へへっ、やっぱりなぁ……てめぇら、何のために盗みを働いてんだ?」


 クシアはけらけらと笑いながら、何を思ったのか盗賊二人相手に会話し始める。


「やっぱりあれか? 金のためかぁ?」


 レディはクシアが何を考えているのか理解できず不信そうに顔をゆがめたが……何か考え付いたのか真剣な表情に変わり、静かに、はっきりとした声で返す。


「金のためというのは間違いではないが、金を集めるのは俺たちのためではない。俺たちは貧民街に寄付するために、裕福な国から宝を盗んでいる」

「……へぇ」

「この世界には明日の生活すら危ういほど貧しい人たちが住む村や町がある。それなのに、裕福な連中は揃いも揃ってその存在を無視してこんなにも豊かな生活を享受している。そういった町や村は彼らからは人々の生活圏とは見なされず、最悪の場合地図に載ることすらないまま全滅していくというのに……こんな不平等は、あってはならない」

「……」

「だから、俺たちがいる。この世界には悪にしかできない正義があるんだよ。だから……」


 レディはクシアを真っすぐ見据えて問う。


「……俺たちのことを見逃してくれないか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ