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圧殺
「ははっ! ほらほらどうしたぁ、こんなものかぁ!?」
クシアは心底楽しそうに、兵士たちを破壊していく。その場にいた誰もがクシアを止められない。
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
「だ、ダメだ、やっぱり勝ち目がない!」
「俺たちも逃げ……ガァッ!?」
中には逃げだそうとする兵士もいたが……今のクシアは車並みの機動力がある。今更逃げようと思って逃げられるような相手ではない。
「逃げられるとでも思ったか!? させねぇよ!」
クシアの目的は皆殺し。当然、目の前で逃げようとする兵士を逃がすはずもなかった。
「アッハハハハハハハ! アッハハハハハハハハハ!!」
赤い泥のようなものと鉄屑でまみれた地獄のような光景の中心で、クシアが背を曲げて思い切り高笑いしていた、その時。
「――仕事の邪魔してんじゃねぇよ」
突然現れた白くて大きな手に、クシアの全身が潰された。