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特待生主席 その2


 その赤っぽい紫色の髪を後頭部で一つにまとめた女性は、凛々しい顔立ちをしていた。


「……」


 だが、その表情にはまるで活気がない。まるで、生きる希望を全て失って自暴自棄となり、ただただ自身の肉体が滅ぶのを待っているかのように、何もせずじっと座り込んでいる。


 だからこそ…………全く知らない赤の他人であったとしても、リアクは彼女のことを放っておくことができなかった。


「あの、何かあったんですか?」

「……」

「…いや。何かあったんですよね。その姿と、あなたの顔を見れば明白だ」

「……」

「何があったのか、話してくれませんか?」

「……」


 彼女は一言も話さないまま、リアクの方へと顔を向ける。


「…………」


 彼女は一言も話さなかったが、その表情を見れば分かる。

 やはり、彼女の身に何かがあったのだ。もう生きていられない、今にも死んでしまいたいと……その目が訴えていた。

 それでも、それさえできないような……強くあらがうかのような、あるいはひどく悔しさを滲ませるかのような感情が、その目の中に滲んでいる。


「……分かりました」


 リアクはそう言うと、彼女の手を無理矢理掴み、引っ張るようにして立たせる。


「……えっ」


 リアクがとった予想外の行動に、彼女はそこで初めて弱々しい声を発した。


「ついてきてください――――あなたの力が、必要なんです」


 リアクは力強い声でそれだけ言うと、彼女を無理矢理連れていき――――


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