ソウル・コントローラー
マルスが両腕をリグレットの方に向けた瞬間、たちまち巨大化した魂がマルスに向かって飛んでくる。
「!」
巨大化した魂は近くに建っていた家の壁を勢いよく破壊してもなお止まる様子がない。
その激しい猛攻を前に、リグレットは攻撃回避に集中することを余儀なくされていた。
「クソっ……!」
巨大化した魂は大蛇のようにうねうねとしながらも、豪速でリグレットへと襲い掛かる。
リグレットはそれを、時折瞬間移動のような動きをしながら確実にかわしていく。
魂を攻撃すれば自身にその反動が返ってくる以上、リグレットには魂をかわすことしかできなかった。
「アッハハハハハ!!」
今度は上空からマルスの声が聞こえてくる。
「!!」
リグレットは、声がする空の方に視線を向ける。
そこには、まるで筋斗雲のような形をした魂に乗っているマルスがいた。
「ッヘェィ!」
マルスは奇声を上げながら、上空からいくつか魂を柱のように降り注がせてくる。
リグレットはその攻撃をギリギリのところでかわしながら、瞬間移動をするかのようにして屋根の上へと移動し、マルスを追いかける。
「っ!」
そして、降り注いでくる魂の隙間を縫うように、連続的な瞬間移動のように見える動きで、上空にいるマルスのすぐ後ろにまで近づく。
「オッーー」
いきなり後ろに現れて驚いたのか、マルスに微かな隙が生じた。
その隙を見逃さなかったリグレットは、マルスの首根っこを掴んで勢いよく地面へと投げ飛ばす。




