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世界法典『全値全能』


 オーガの全身が湯気のような黄金の輝きに包まれると同時に、顔に空いていた大穴が治っていく。


「……カース、ありゃなんだ」


 クシアは目の前に展開される光景をぼんやりと眺めながら、隣に寄ってきたカースに語りかける。


『あれは世界法典。超法則を拡張した上で一定領域内での自身の超法則を絶対化させる、超法則の奥義ね』

「なんだよ、知ってたんなら教えといてくれよな」

『だって、使える人が少ないんだもの。それに、そんなの知っておく必要もないでしょ?』

「ハハッ、違いねぇな」


 クシアとカースはヘラヘラと談笑している。


「…余裕こいてられるのも今の内だけやで」


 対して、オーガは冷静でありながらも底冷えするような声で呟く。


「今の内だけって、今までもテメェの超法則で勝ててなかっただろw」

「そんなん、制限がかかってたからや。自己治癒能力を強化している間は、脚力や腕力はどうしても最大値まで強化できなかった……でも、今は違う」


 オーガは戦闘態勢を構えながら、ご丁寧にわざわざ説明する。そこには、クシアに勝ち目がないと思わせる意図があった。


「『全値全能』は俺の持つ力すべてを最大値まで強化することができるんや。その気になればアンタが瞬きする暇も与えずに全身をバラバラにできるんやで」


 いかに心臓を貫かれても死ななかったと言えど、全身をバラバラにされてしまえば流石に生き永らえることはできまい。オーガはそう考えていた。


 だが、クシアは。


「やってみろよ」


 ヘラヘラとした態度を崩さない。まるで、自分に敵意を向ける子供を嘲るようにオーガを見下し、いつも通りの態度を崩さない。


 そのことが余計に、オーガの神経を逆撫でした。


「殺すッッ!!!」


 その怒声と同時にオーガの姿が一瞬消えて、クシアのすぐ目前にまで迫る。


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