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世界法典


 俺はこの町に生まれ、この町で育った。


 町の人たちは皆優しく、幼かったころは随分と可愛がられたもんや。綺麗な海を見ながら友達と歩き、おいしいもんを食べながら駄弁る……そんな何でもない日々が何よりも心地ええ。そう思ってた。


 超法則『超人』に目覚めるまでは。


 超法則に目覚めたきっかけは、今でもはっきりと覚えとる。いつものように遊んでいたあの日、友達の一人がうっかり海に落ちてしまって、必死に助けようとして超法則は目覚めた。とんでもない脚力と腕力を発揮させて、たった一人で溺れていた友人を助け出したんや。


 あの日以降、俺と友達の関係は変わらざるを得なくなった。


 俺は神官にならなイカンくなったし、前よりずっと忙しくなった。結果ストレスも増えていって、少しでも解消できたらと思ってあれこれ手に付けるようになった。超法則のおかげでそのあれこれはどれも上手くいった。間違いなく俺の才能だと思った。


 でも、それはそれでうれしかったけど……もっと嬉しかったのが、遊ぶ頻度が少なくなったにも関わらず、あいつらがまだ友達でいてくれることなんや。まだ俺と、たまにとはいえ遊んでくれるんや。


 そう、俺にとってこの町は、この町の住人たちは、友達たちは。


 俺にとって大切に思えるものや。


「俺の大切なもんをこんな風にしといて、生きて帰すとでも思ってんのか! テメェがちょっと強いくらいで見逃すとでも思ってんのか!! んなわけないやろぅがァッ!!!」


 だからこそ、目の前にいる邪悪からは逃げられない。逃げたくない。

 必ずここで仕留める。俺の大切なもんだけやない、誰かの大切なもんを守るためにも。


 俺の持つ力のすべてをもって、奴を止める。



「――世界法典、『全値全能』!!」



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