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こだわりを


 それからしばらくした後。


 建物のかけらも残さずまっ平らになった大地のど真ん中で、一つの焚火がゆらゆらと赤く燃えている。そこへカースが、周辺にあった森から伐採してきたと思われる木を抱えながら近づいてきた。


『これで足りるかしら?』

「あぁ、大丈夫だろ」


 鉄兜を外したクシアはカースが持ってきた木を火の中へと放り込む。その火を囲うように黒い串のようなものが地面に突き刺さっており、その串の先には赤い肉が刺さっている。


『…それ、何の肉?』


 カースがふと、そう尋ねる。


「人肉」


 クシアはいつもと変わらない様子で、そう返した。


『あら。アンタってそういう趣味?』

「……俺、この町に来てから一つ気付いたんだよなぁ。ここ最近まともなもん食ってねぇなって、そろそろ食にこだわりだしてもいいよなって」


 クシアはこの町で団子を食べた時のことを思い出しながら、続ける。


「それで、なんとなく思ったのさ……人の肉はどんな味がするんだろうってな。お、そろそろ焼けてそうだな」


 クシアは串を手に取り、その先についた肉を一口齧ってゆっくりと咀嚼する。


『どう?』


「…………悪くねぇな」


 クシアはそういって、ニヤリと笑った。


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