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気配を読む


 華が慌てて振り返ると、そこには闇をこねくり回すようにして元の姿に戻ろうとしているクシアの姿があった。


「残念でした★ 今から復活しまーす」


 愉悦に満ちたクシアの声が響き渡る。


(殺し損ねた!? あれは……残っていた黒い塊が集まろうとしているのか!?)


 そうこう考えている間にもクシアの体が元に戻ろうとしている。ここでとどめを刺さなければ復活されてしまう。


(復活なんてさせない! この距離なら間に合う!)


 そうはさせじと、華は元に戻りつつあるクシアの方に向き直って剣を構え、踏み込む。


(こんどこそ確実に――――)


 ――とどめを刺すことに集中した。目の前の強い気配に集中した。


 だからこそ、気付くのが遅れた。


 まるで棒人間かのように細長い体をして背後に立った、もう一つの弱い気配に。


「――――ガッ……!?」


 その棒人間のようなソレは剣のような闇を出現させ、華の肩を貫いた。

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