表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/339

本当の闘いの始まり


 華の目の前で、龍の首が宙を舞う。


「父、上……?」


 龍の背後に立っていたのは、竹の刀を手にしたクシアの姿だった。


「いやぁ~~お疲れ。まさかここまでうまくやってくれるなんてなァ、感謝するぜ」


 クシアはへらへらと笑いながら、竹の刀をいらなくなったゴミのように放り捨てる。


(え……まさか、アレが竹君が言っていた侵入者? でも侵入者なら竹君が――)


 唐突すぎる出来事を前にして、逆に冷静になった華はある違和感に気付く。


 あの時、竹は『侵入者を手にかけたところを龍に誤解されて殺されかけた』と言った。そして龍は、死ぬ間際に『竹君を殺そうとした』と言っていた。

 竹とは幼いころからの付き合いだ。だからこそ華は、彼が特異体質も超法則も持っていないことをよく知っていた。


 そんな竹が、特異体質も超法則も持っている龍の殺意から逃げ切っている――?


「おーい、聞いてるか? ……まぁいい。どうせお前も殺すしな」

「……あなた、竹君に何をしたんですか」


 ある可能性に気付き始めた華の声が一段低くなる。

 それは、今となってはどうして考えなかったのか不思議でならない、超法則をもってすれば出来てもおかしくないある可能性。


「ん? ただのバカだと思ってたが、変なところで勘がいいな? いいぜ、教えてやるよ――」


 そう言ってクシアは胸元の黒源から、バラバラになった竹の死体をボトボトと華の目の前に落とす。


「お前が言う竹君ってヤツも、お前の家族も、龍の野郎も――――全員、俺が殺した」


 愉悦に満ちたその声と同時に、その部屋は強い風に押し出されるようにして破壊された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ