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立体作品


 港町ピスカ。それは青い宝石を集めたかのようにきらきらと輝く海に隣接する、あまり大きくはない町だった。大きくはないものの石造りの建物がたくさん並び、港町であるからなのか流通も盛んで、様々な売店が並ぶ商店街みたいなものもあったりして活気に満ちている町でもあった。


「おじいちゃん、今日も配達に来たよ!」


 少年もまた、この町の住民だった。

 彼は町の隅にある家に新聞を届けて回る仕事をしているのだ。


「今日もありがとう」


 よぼよぼとした老人は、少年から新聞を受け取る。


「どれどれ……おぉ、今日もオーガ君は活躍しとるのぉ」


 広げた新聞の一面には、爽やかな男のことを取り上げる記事が大々的に取り上げられていた。


「えぇ。類いまれなる超法則を授かった彼は、神官としての仕事だけにとどまらず食レポ、作曲家、画家とあらゆる方面に才能を開花させているようですね。羨ましい限りです」


 少年はそう言いながら、老人から新聞配達料を受け取る。彼が配達する新聞は有料新聞だった。


「若者が活躍することはいいことじゃのう。君も頑張りたまえよ」

「はい! 僕もこの仕事でお金を貯めたら、夢を追いたいと思います」

「ほう? 君の夢は何かな」


「彫刻家になりたいんです!」


 少年のその言葉が言い終わるのとほぼ同時に。

 少年の全身が、まるで美しい立体芸術品のように赤い芸術を描きながら吹き飛んだ。


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