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逃走のための手法


「ふぃ~あっぶねぇ」


 龍から逃げるため、塔の最上階から屋根を飛び跳ねるように降りてきたクシアは、地面に難なく着地しながらそう呟く。


 普通に塔内から外へ出なかったのは、超法則が使えないこの状況で忍者などの類に遭遇するリスクを避けるためだった。いまだに隠れ続けているとも考えにくいが、万が一逃げる最中に遭遇すると厄介だと判断したクシアは、そのリスクを減らせるように外から逃げ出すことにしたのだ。


(…まだ超法則が使えねぇ。思ってたより効果範囲がかなり広いみてぇだな。体を強化しているとはいえ、このままだらだらと出血させとくわけにもいかねぇな)


 超法則『超人』も使わず、しかも右足を折られている状態で外から降りるとなれば、普通に降りるよりも断然リスクが高くなるだろう。下手すれば落下死しかねない。


 それを可能にしたのは……


「コイツを利用したのは正解だったな」


 クシアはニヤニヤしながら、片手に持ったうごめく異形を眺める。


 それは、あの部屋で寝ていた小さな命に超法則『手法』を適用することで程よく強靭な肉体を持つ化け物の姿へと強化しておいたものだった。それを自身の折れた右足の代わりとして利用することで、外から逃げ出すことを容易にしたというわけだ。


「さて――――仕上げといこう」


 クシアはそう言いながら、片手に持っていたうごめいているそれを地面に放り捨てた後、剣で突き刺して絶命させた。


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