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情報収集
『…そう、それはなによりね』
「そうと決まれば、早速情報収集するか」
クシアは一旦森の奥に戻った後、そこから整備された道にゆっくり合流してから、あたかも普通に道から戻ってきたかのような振る舞いをして町の中へと入っていった。
その後クシアは町の中を適当に散策しながら、町中の人々の会話を盗み聞きする形で情報収集を進めていく。
時には自分から聞いてみたり、超法則『歪み』でこっそり覗き込んだりもしつつ、必要な情報を集め、収集し、整理していく。整理された情報を元に仮説を立てて、さらに情報を集めていく……これを繰り返す。
途中、偽装している男のことを知っている者達に絡まれたときだけは厄介だったが、なんとか上手く誤魔化すことに成功した。海辺に一人でいた時点でクシアには想像できていたことだが、この男にはあまり友人や親しい人物がいないのだろう。絡まれる回数自体はさほど多くなかった。
結果としてクシアは十分な量の情報を収集することに成功する。




