始まり
僕の性癖を全て詰め込んだ作品を書いていきます!!
風が激しく吹き荒れ、踏みつけた雑草と俺の体をまとうボロボロの布を揺らす。雨こそ降っていないが空は曇りきっていて、まるでこれから何が起こるのかを理解しているんじゃないかと思えるほど薄暗い。
やや高い場所から、小さな、本当にちっせぇ村を見下ろす。あの小ささだと、恐らく住んでいる住民の人数は……多めに見積もっても、五十人くらいだろうか。
最初にしてはまあまあ悪くない標的だろう。俺は泥水のようにまずいコーヒーをすすり、木でできた薄汚い容器を放り捨てる。とても飲めたもんじゃなかったが、気付けぐらいにはなるだろうと思って持ってきたが、あまりにまずい。持ってくるんじゃなかったかもな。
俺はこの世界の住民ではない。いわゆる、異世界転移してきたものだ。なんでかよくわからないまま、気付けばこの世界に来ていたのだ。帰る方法を探し続けて、帰れないことが……たしか、半年くらい続いた気がする。
でも、その半年間の努力の果てに、俺はついに帰る方法を見つけ出した。
「――いくか」
似合わない鉄兜の鎧を頭にかぶり、俺は小さな村へ向かって飛んで行く。
俺が見つけ出した元の世界に帰る方法。
それは――この世界の人類を、一人残らず皆殺しにすることだった。