第1章エピローグ:これから待ち受ける運命
1章の後日談となります。
ある日のこと───俺はアストリア王国の宰相であるトラヴィスさんに呼ばれて城に来る。今日は彼が行なっている定期的な面談の日だった。
「どうぞ、座ってください」
彼に言われ、一礼しながら俺は座った。
「まず初めに、銃士隊への正式入隊おめでとうございます」
「ありがとうございます」
最初は彼とのちょっとした雑談から始まり、すぐ本題に入った。
「それで、ここに降り立ってからの3年間で何か思い出しましたか?」
俺は自身が思い出したものについて話す。前にいた世界がどんな場所だったか、そしてどんな事をしていたかなど───思い出せるものを片っ端から話していき、彼は頷きながら話を聴いてくれた。
「まず、アルフォード君───君の言う、その長方形状の建物、それは私は聞いた事がある。それの名前は確か、"ビル"と言われていましたね」
「ビル、ですか?」
「あぁ、前にいた天星人の方がそんな名前を口に出していたのですよ。それに、馬を使わない車については"自動車"とね」
俺には、彼の話で出てくる単語に対して心当たりがあった。
「どうやら君の住んでいた世界は我々が住む世界───そう、エヴォルドとは訳が違うようですね」
俺達の会話はそのまま続き、彼は話の最後にある質問をした。
「最後の質問なのですが、"この世界に来る直前"について覚えていますか?」
俺は思い出すように考えるものの、上手く思い出せない。ただ一つ言えることは、この世界に来る直前に"死んでいた"ような感覚があったことだ。
「───いいえ、思い出せません」
「そうですか・・・しかしその内に記憶が戻るかもしれませんね」
面談はここで終わり、俺の記憶には謎が残っていた。
俺は真っ暗な空間で、朧げに光放つ謎の声に導かれて、エヴォルドの地に降り立った。
そして現地人であるクレイグさんとジョッシュに助けられ、その後はレーヴァ達によりトラヴィスさんの元で検査をしてもらった。
その後、クレイグさんからの提案で銃士隊員を志すが、天星人に実の両親を奪われ、それらを嫌悪するジョッシュとは険悪な関係だったが、山で一緒に遭難したのがきっかけとなり、俺はジョッシュと仲良くなり、その後は親友として関係を築く事ができた。
1年間の訓練を通して、俺は試験に対して不安を抱くものの、何とか合格する事ができ、候補生に上がる事ができた。
そして2年目に入り、俺はジョッシュやヴィルト、シェイルにディミトリといった者達と共に部隊を結成するものの、最初は上手くいかず、教官達からも絶望的とまでされたが、徐々に部隊としての仲間意識を持ったおかげで、彼らは部隊として成り立つ事ができた。
それからしばらく後に実施された野戦訓練ではそれぞれの話をし、俺はディミトリの正体を知る。彼の正体は魔族で、エヴォルドでは嫌われている種族のようだった。
同じ逸れもの同士だという事ですぐ打ち解けるが、この後に起こる事故を考えると、彼にとって災難だったと思う。
野戦訓練時に見つけた謎の遺跡───俺達が興味本位で入ると、そこは何らかの巣で、気味の悪さを感じてすぐ撤退した。
その後、野戦訓練を終えた俺達5人に待っていた任務は、王国銃士隊の候補生5人と合同演習を行う事だった。
彼等のリーダーはアルバートという貴族の息子で、彼は最初、俺達に敵意を剥き出していた。
しかし、ゴーレムの暴走をきっかけにジョッシュが助けに入った事で、彼等は俺達を見直してくれた。
だが、その時にディミトリの正体が魔族だと発覚し、闘技場内にいた者達からは姿がバレてしまったのだ。
逃げる彼を俺は引き留める事もできず、無力さを感じた4人に、クレイグさんからの計らいで、城で行う舞踏会への出席をする事になった。
最初はそれに困惑するものの、彼なりの気遣いだったのだろう。
それから3年目、俺達はディミトリの正体を秘密にして、戻ってきても他の人達には嘘をつく他なかった。
3年目終盤に入ったところで大事件が発生する。養成所の結界に綻びが生じ、魔物が押し寄せることになる。しかし、ジョッシュが他の人に残って戦わないかと提案すると、他の人はそれに賛同してくれた。
魔物との攻防戦に勝利し、その後は救援信号を出したクレイグさん達を助けに行った。
俺達が助けに行くと、そこには白い熊のような大きな獣───ホワイトコロッサスが襲ってきた。
しかも、その魔物に襲われていく最中、謎のゴブリンに襲われる。しかし、そいつは何かが違い、人語を俺に話しかけてきた。
そんな危機の中、ある人物が現れる。その人物はディミトリで、彼は襲撃者として賊などと戦っていたのだ。
そんな彼に気まずさを覚えながらも、俺達はホワイトコロッサスと戦う。その時にジョッシュやシェイル、ヴィルトと合流した。
俺達は奴の巣───あの遺跡で戦うものの、ディミトリが俺を庇って奴に掴まれてしまった。
俺達は助けようとするが、彼は自分を見捨てるように言い、俺達はそれに従う他なかった。
遺跡の中から出ると、ディミトリが仕掛けていた爆弾が爆発して、唯一の出入り口からは火が吹いた。
これで終わった───そう思うと同時に俺達は彼を見捨てた事に対して、深い罪悪感を覚えた。
それから3年後───俺達は正式に銃士隊員に任命された。
それからある日の事───俺は夢を見て起きる。それは不思議な夢で、またあの"邪竜"と対峙する夢だった。
外はまだ夜明け前で薄暗い───空には一筋の青い光が、何らかの運命に導かれるように地上へと流れ落ちていった。
これにてThe Outsider1章完結となります。これからも物語は続くので、見て頂けたら嬉しいです。




