世界最強の適性を持つ俺。スローライフ(?)で平穏に過ごす
初投稿です。温かい目で見守ってください。
「…と!…さいよ」
「ちょっと!早く起きなさいよ」
目覚まし時計を二つセットしていたにもかかわらず、二度寝をしてしまった俺に容赦ない叫び声をあげる俺の妹のリサ。まあ今日が何の日か知っている人からしたら、当然の行動だろうけど…。俺の名前はゼン。実は今日はこの世界で俺がどう生きていくかが決まる『職業適性』が発表される日だ。普通は職業適性発表の日は、いろんな家の前に張り紙がこれでもかというほど張られてたり、朝から神頼みしに行く人等の人たちで街がにぎわっているのだが、俺の家はまだ適性が発表されていないリサと俺を除いて全員が『勇者』という特殊な血筋で、通常その時の教会の始祖の誕生日に職業適性が発表されるされるはずのなのだが、俺の家の人たちだけ何故か『誕生日』に発表される。理由を教えてほしいとお父さんに言ったこともあったが、教えてもらえなかった。
「あと五分…むにゃむにゃ…」
「馬鹿なこと言ってないで早く起きて!」
俺は布団を引きはがされ、しょうがなく起き上がった。
「今日が何の日か忘れたの?」
「忘れるわけねーだろ。俺の命運をかけた日だぞ。」
「あっそ。朝ごはんテーブルの上にあるから早く食べて行ってきな」
バタンッ。と扉をすごい勢いで閉めて部屋から出て行った。俺はパジャマ姿から制服に着替えて部屋を出た。
なぜ制服かって?家にあるのがパーカーと半ズボンだけだったからだ。そんなことはともかく、一回に降りてリビングに向かった。流石に今日は俺の運命を決める日なのでいつもほぼ家にいないで仕事に行っているお父さんもリビングにいた。
「お父さんおはよう」
「やっと起きたか。おはよう。」
お父さんはテレビを見ながらコーヒーを飲んでいた。流石に俺が起きるのが遅かったのか、みんなもうご飯を食べ終わったようだ。テーブルには俺一人の食事がポツンと置かれていた。俺は猛スピードで朝ごはんを食べ終わり、荷物を持ち身支度を終わらせた。
「いってきます」
「「「いってらっしゃい」」」
俺は家を出た。教会は意外と遠く、馬車を使って三十分ほどの距離だった。馬車に乗るまで少し時間があったのでに売店で飲み物を買い、暇つぶし用の本を買った。そして時間になり馬車に乗り込んだ。実はいつもは大体徒歩で移動していたので、馬車に乗るのは人生初だったりする。初めて乗った馬車は意外にも乗り心地が良く、あっという間に到着した。教会には事前に話をしているので
「ようこそゼン様。お待ちしておりました。」
と神官があいさつしてきたので軽く返して、『職業適性発表部屋』の前についた。ここでの作業は自分一人でできるようになっているので神官はもちろん連れてきていない。
「勇者様が誕生なさる瞬間かもしれないので一緒に行ってもよろしいでしょうか?」
と言われたが丁重にお断りした。手をかざすと画面に自分の職業適性が表示されるようになっているようだ。ここの前に立った瞬間ものすごい速さ心臓が鳴り始めた。これから先の自分の人生が決まるといっても過言ではないのだから当たり前だ。
「大丈夫だ…落ち着け…」
と自分に言い聞かせ続けた。
そして恐る恐る手をかざした。
「は…?」
画面に映し出される文字が信じられなかった。
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