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夏休み[6]

「あ、そう言えばこの剣っていくらなんだ?」


「値段?そんなの無料で良いよ」


「いやでも、お前が頑張って打った剣なんだろ?」


「確かに俺なりには頑張ったけど....本来売り物にすらならなかった剣だから、それで金取るのも何か気が引けるっつうか......」


「うーん...いやでも無料はなぁ....」


「あっそうだ!じゃあ俺の剣を買った客第1号として特別に無料だ!」


「ぷふっ、何だそれ」


「わ、笑うな!サービスだ!サービス!」


「分かった。この剣はただで貰うとしよう。ただ、これは将来凄い鍛冶屋になってくれるであろうお前への投資だと思って受け取ってくれ」


そう言うとラズルは(ふところ)から出した様に見せかけ、【収納箱】(アイテムボックス)から金貨を1枚取り出し、ルルの手へと握らせた。


「いやだから無料で良いっ....ってええ?!こ、これき、き、金貨?!」


「次来た時もサービスしてくれよな!」


「こ、こんなの受け取れるか!」


ルルは手にした事も無い大金を直ぐ様ラズルへと返そうとするが、ラズルは一向に受け取る気が無かった。


「良いんだよ。取っとけ取っとけ」


「こんな大金受け取れるかっつの!」


「あー、じゃああれだ、小遣いだ!」


「尚更受け取れるかぁぁぁ?!」


しばらくそのやり取りは続き、結果ルルが折れ、気持ちとして、もとい小遣いとして大銀貨1枚を受け取るという形で事は収まった。


「....本当に良いんだな?」


「おう!」


(あ、危ねぇ...調子に乗ってこの前クイナから1枚だけくすねた金貨渡す所だった....ルルがちゃんとしてて良かったぁ....)


「こ、こんなに小遣い貰ったの初めてだ...何に使おう....」


「まぁそれをどう使うかはお前の自由だが、俺はお前に期待してるんだ。失望させてくれんなよ?」


「当ったり前だ!将来は父ちゃんを越える凄ぇ鍛冶屋になってやる!」


「ははは、その意気だ」


「そ、そしたらまたラズルの武器を造ってやらない事も無いぞ?」


「ああ。その時はまたルルに頼むよ」


「ふんっ!//当然だ!」


「さて、他の奴らは終わったかな?」


「ラズルー!見てくださいよこの斧!」


すると斧コーナーの斧達と(にら)めっこをしていたグラウィスが、両手で斧を抱えながらラズル達の元へと走って来た。


「良いのあったのか?」


「それはもう!どれも良い斧ばかりで選ぶのが大変でしたよ!」


「そりゃ父ちゃんが打った斧だからな!」


ルルは父親の打った斧が褒められた事をまるで自分の事の様に誇らしげにしていた。


「あ、さっきの弟さんですね」


「こんにちは!俺はグラウィスです。宜しくね!」


「っ!............」


「あ、あれ?」


「何だ?お前恥ずかしいのか?」


「ち、違うし!」


そう言いながらもルルはラズルの背後へと隠れていた。


「あはは、ラズルにはもう懐いてるみたいですね」


「やっぱガキんちょだなぁ」


「だからガキって言うな!」


「ガキんちょにガキんちょって言って何が悪いんですか~?」


「この野郎...舐めやがって!」


(成る程。懐いていると言うよりかは精神年齢が同じ位なんですかね)


そんなラズルに聞かれれば拳が飛んで来そうな考えをグラウィスは心の中に秘めておいた。


「グラウィス、あいつらはまだか?」


「うーん、まだ店長さんも来て無いようですし、まだ終わって無いんじゃないですかね」


「長いなぁ....」


「あっ!じゃあ他の武器でも見てましょうよ!」


「それもそうだな。ルル、案内頼めるか?」


「おう!任せとけ!」


その後、ラズルとグラウィスはルルに店内の様々な武器を紹介され、女性陣の武器の手入れが終わるまでルルの武器説明を聞いていた。


「....で、こっちがだな!」


ルルは武器の説明をする時は、先程までグラウィスに対して人見知りをしていたとは思えない程饒舌(じょうぜつ)になっていた。


「へぇー、武器にも色々とあるんだな」


「そうなんだよ!勿論、剣や斧みたいに種類も沢山あるけど、剣だけで見ても造りが全然違ってて、剣だけでも無限の可能性があるんだよ!」


「ルル君は武器が大好きなんですね」


「ああ!勿論大好きだ!」


「あっ、そうだ!ルル、親父さんが打った武器の中で1番良いやつ見せてくれよ!」


「あ、俺も見たいです!」


「...っ!い、いやあれは駄目だ!」


ラズル達がそう言った途端、ルルの表情が険しいものへと変わった。


「何かあるのか?」


「........あれは魔剣だ」


「魔剣?!」


「え?魔剣って何?」


「魔剣は自分で主を選び、主と認めた者にしか持たせないんですが....主と認められた者は凄まじい力を得る代わりに、必ず何かを代償にしなくてはならないんです」


「そしてその魔剣が強力であれば強力である程代償は大きくなり、酷いものでは命まで奪われます....」


「え、何そんなヤバそうなもん造っちゃったの?」


「父ちゃんもまさか魔剣が出来るとは思って無かったんだけど、若い時に1度全力で剣を打ってみたいって思ったみたいで、打ってみたら魔剣が出来てたらしい....」


「うわぁ...あのおっさん凄い軽々しくヤバそうなもん造ってる」


「今は裏に厳重に保管してあるんだ」


「そこに運ぶ時に主と認められなくて良かったですね」


「ルル、それって見るだけなら良いか?」


「うーん....まぁかなり厳重にしてあるから見るだけなら大丈夫かも」


「是非見せてくれ!」


「......分かった。でも、絶対に触ろうとはするなよ!」


「分ーってる分ーってる!」


「不安だ....」

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