夏休み[2]
話がまとまった後、ララとロロにも予定を聞き、全員が空いてる日にとある広場の噴水の前でラズル達は待ち合わせをしており、現在到着しているのがラズルとクイナだけであった。
「いや~意外と皆の予定が合う日が無かったな」
「皆で遊びに行こうって言ってからもう2週間ですしね」
「....それもその筈、クイナ見てみろよこの予定表に書いてある皆の予定の数を」
「やっぱ2ヶ月もあれば予定がある日があって当然ですよね。見てくださいよこれ、フランさんとアリアさんなんてかなり予定ありますよ」
「大貴族様は色々と忙しいんだろうな。特にフランは他の貴族に長女として改めて挨拶するとか言ってたし」
「アリアさんも色々な貴族の方にパーティーに誘われて断るに断れないって言ってましたよ」
「グラウィスは何か実家の農業の手伝いに行って来たらしいし」
「ララさんとロロさんも1度実家の鍛冶屋さんに帰ったそうですし」
「皆忙しいんだなぁ」
「ですねぇ」
「まぁ俺らには忙しい日なんて!」
「無いんですけどね!」
「「はははははは!」」
予定表には皆の予定がびっしりと書かれていたが、ラズルとクイナの欄にだけは何も書かれていなかった。
「「............」」
「....何か悲しくなって来た」
「....止めて下さいよ。こっちまで何か悲しくなって来るじゃないですか」
「あいつら早く来ねぇかなぁ」
「いや、流石にまだ来ませんよ。だって....」
「まだ待ち合わせの時間の3時間前ですもん」
「やっぱり少し早かったか?」
「いや少し早いとかいうレベルじゃないですからね?!」
「いや、遅れない様に早めに来た方が良いかなって」
「ラズルさん10分前行動って知ってます?」
「仕方ねぇだろ楽しみで眠れなかったんだから」
「理由が可愛いかった?!」
「まぁ確かに早過ぎたが実際お前もこうして来てるだろ?」
「いや、私は来たんじゃなくて無理矢理連れて来られたんですが....」
「......1人で待つより2人で待った方が良いだろ?」
「だからって私を巻き込まないで下さいよ?!」
「分ーった分ーった....じゃあ皆来るまで何か奢ってやるから」
「え?!本当ですか?!」
「おう....俺のなけなしの小遣いで買ってやるよ」
「ちゃんと渡してるじゃないですか!」
「ははっ、冗談だって。それで何か食いたい物とか食べたい物とかあるか?」
「何で食べ物限定なんですか?!」
「え?食い物じゃないの?」
「........まぁ食べ物ですけど」
「だろ?で、何食いたいんだ?」
「あっ!じゃあ最近出来た喫茶店に行ってみたいです!」
「分かった。そこにしよう。俺も今日はまだ朝飯食ってないから何か食うとするか」
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クイナに案内された喫茶店で色々な物を食べながら雑談をして、何とか時間を潰す事に成功した。
「あー!ラズルさん、美味しかったですね!」
「....うん。そうだね......」
「あれ?....そんなに美味しくなかったですか?」
顔を伏せてあからさまに落ち込んでいるラズルを見て、クイナは不安そうにラズルの顔を覗き込む。
「いや、すっごく美味しかったよ....うん。ほんとビックリする位」
「え?じゃあどうしてそんなに落ち込んでいるんですか?」
「....ここだけで俺の小遣い全部吹っ飛んだ」
「ええ?!そ、そんなに高かったんですか?!」
「はははっ、喫茶店で2人で食べて大銀貨3枚ってドユコト?」
「す、すみません...そんなに高かったなんて知らなくて....」
「っ!じゃあ小遣いをもう少し...!」
「なので今回の観光ではラズルさんの分は私が持ちます!」
「いや、それよりも小遣いを....」
「そろそろ皆さんも来る頃ですし戻りましょうか!」
「............おう」
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ラズルとクイナが元の噴水へ戻ると既にグラウィス、フラン、アリアの3人は到着していた。
「あっ!2人共遅いよー!」
「すみません。ちょっと早く来すぎちゃって、少し時間を潰してたので遅れてしまいました....」
「............」
「あれ?ラズル君元気が無い様ですけれど、どうかしましたか?」
「あ、いや何も無いので気にしなくて良いですよ」
「は、はぁ」
「待ち合わせ時間まで後5分ですね」
「後はララさんとロロさんですか....ん?あれじゃないですか?」
「もっー!やっと来たかー!....って、あれ?」
「....ねぇ皆、僕もしかしたら目がおかしくなったかもしれない」
「奇遇ですね。私もです」
「実は私もです」
「実は俺もです」
落ち込んで俯いているラズル以外の4人が見た光景とは......
ララとロロ以外に2人、ララとロロをそのまま小さくしたかの様な人物と一緒に4人揃って走って来ている光景であった。




