学園祭[20]
「やべぇ!長風呂し過ぎた!」
ラズルは慌てて風呂から上がり、急いで制服はと着替える。
「あっネラ、これから打ち上げなんだがお前も来るか?」
「キュイ!」
「良し!じゃあさっさと行くぞ!」
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「すまん!少し長風呂し過ぎちまった!」
ラズルとネラは急いで食堂へ向かい、まず最初に目に入って来た光景は....
「ギャハハハハハ!良いぞ~!もっとやれぇ~!」
「おらぁ!どうしたもう伸びちまったのかぁ?!」
「グラウィス君ー!こっち来てもっと飲もうよー!」
「痛っ?!誰だジョッキなんか投げやがった奴!」
「あー悪ぃ悪ぃ、ジャグリング失敗しちまったわ」
パンツ一丁でブレイクダンスを踊る男子生徒。
ジョッキでジャグリングをするが何度も失敗を繰り返し次々とジョッキを破壊していく男子生徒。
何故か女子生徒に囲まれていて、酒の入ったコップ片手に顔を赤く染めているグラウィス。
「............皆楽シソウダナ」
「あ~!ラズルさぁ~ん!遅かったれすねぇ!」
目の前の地獄絵図にただ唖然として立ち尽くしていたラズルとネラにフラフラと近寄って来たのは、顔を真っ赤にし、呂律もろくに回っていないクイナであった。
「酒臭っ?!お前一体どんだけ飲んだんだよ?!」
「えーっとぉ~、8杯目?いや9杯目でしたかねぇ?良く覚えてまへん!」
「ちょっと待て、他の皆はどこ行った?」
「フランさんはトイレに行ったまま帰って来てないれすぅ」
「うん。何となく今どうなってるのか想像出来るわ」
「アリアさんは何故か慌ててラズルさんを呼びに行きましたよぉ~?」
「唯一の希望が....」
「ラ、ララとロロは?」
「2人はあそこで飲み比べ対決してますよぉ~」
クイナが指を指した先にはララとロロが並んで酒を浴びる程飲んでいる姿と、どちらが勝つかで賭け事をして盛り上がっているクラスメイトの姿があった。
「ろくな奴が今んとこ1人しか居ねぇな?!」
「ラズルふぁんも一緒に飲みましょ~!」
「お前はもう眠れ!頼むから眠ってくれ!」
「何れれすか!まだまだ打ち上げはここかられす!」
クイナが新たに酒の入ったコップを手に持った瞬間、ラズルの恐ろしく速い手刀によりクイナの意識は途切れた。
「はぁ...まぁ遅くなった俺も悪いか....」
ラズルはやれやれとため息を吐きながら静かな寝息を立てて眠っているクイナを近くにあった長椅子へと寝かせて上から着ていた制服の上着を掛ける。
「クイナは夢の中。フランは便所でダウン。アリアは俺の部屋に向かってる。ララとロロは飲み比べをしている。グラウィスは調子に乗ってる....」
「俺の無駄に長い神生の中でもここまで悲惨な状況中々無ぇな....」
「うーん、もう1度部屋に戻ってアリアと合流するのもありだが、またすれ違いになっても困るしなぁ」
「取り敢えず潰れてる奴の為にも薬買ってこなくちゃな」
ラズルは一旦食堂から脱出し、薬を買う為城下町へと向かった。
「あー面倒だな....」
「そういや薬屋ってどこだったかなぁ」
「....ん?」
「はぁ....本当に面倒だな」
ラズルは道を曲がり全く人気のない路地裏へと入る。
「で、お前ら何なの?」
ラズルがそう問い掛けると突如目の前に身体全体を黒い布で覆った怪しい集団が現れた。
「ほぅ....良く我々の存在に気付けたな」
「あんなに気配だだ漏れだったらな」
「ふふふ....気配が漏れている...か」
「我々はセロス様直属の超エリート暗殺部隊。その我々の気配を察知出来た事は褒めよう」
「そりゃどうも........それで?その超エリート暗殺部隊様が一体俺に何の用で?」
「暗殺部隊がやる事と言ったら1つだろう?」
「道に迷って困ってる俺に薬屋の場所を教えてくれるのか?」
「違うわい!」
「...ごほん。そんな余裕ぶってられるのも今の内だぞ?」
「えーっと、あんたらに1つ言いたい事があんだけどさ」
「何だ?」
「あんたら暗殺部隊向いてないよ」
「何っ?!」
「いや....姿まで現した上にこんなにも時間をくれるとは随分と優しい暗殺部隊さんだなって」
「それだけこちらに余裕があるという事だ」
「ふーん....これはセロスの命令か?」
「そうだ。だからもう無駄話も終わりとさせて貰おう!」
「おー怖い怖い。じゃあ俺もここらで失礼させて貰うとするか」
「ここから生きて帰れると思うなよ!!」
そう言いながら目の前の男がラズルへ向かって凄まじい速度で短剣を突き付けて来た。
「最後に1つアドバイスだ!それ言うと大体生きて帰られるから辞めた方が良いぜ!【転移】」
「ふぇ?ちょっ!まっ!」
渾身の1撃を躱された男は壁へと激突し、そのまま気絶した。
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「................」
「よっ!元気か?」
転移した先に居たラズルが元気良く挨拶をした人物は......
「....は?」
先程の自称暗殺部隊をけしかけたセロスであった。しかし、一糸纏わぬ姿で。




